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強く人を思うと雨が降る、感動するとひとりで喋る、悪いヤツは顔をゆがめる、がんばると解決する、日本映画あるある
QJWebに、パンデミック映画『コンテイジョン』と『感染列島』を比較した記事を書いた。
『コンテイジョン』と『感染列島』はとてもよく似ている。どちらもパンデミックに対抗する人たちをシミュレーション的に描いているのだ。
プロットはほぼ同じ。扱われるエピソードも同じものがたくさんある(主人公のひとりが感染する、ウイルスの発見は民間の研究者、デマで混乱する、若いカップルが引き裂かれるなど)。
なので、なおさら日米の差が際立つ。
以下、気になった差異。
『感染列島』は、誰かが誰かを強く思うシーンが3つあるのだが、その2つで雨が降り、1つで雪が降る。『コンテイジョン』には、そういうシーンはない。
『感染列島』は、感染対策の医師どうしが、ぎゅっと抱きしめ合う(雨が降る)。『コンテイジョン』にはそんなシーンはない。
『感染列島』は、叫んで盛り上げようとするシーンが何度かでてくる。「うおおおおー」と道を歩きながら叫ぶ男がでてくる。『コンテイジョン』はひとりで叫ぶシーンがない。
『感染列島』は、感動的なセリフは、ひとりが一方的にしゃべる演説的なシーンになる。『コンテイジョン』は、複数人の会話で進む(そもそも演説的に感動させるセリフはない)。
『感染列島』は、対立する悪いヤツはわかりやすく顔をゆがめる。『コンテイジョン』は、ゆがめない。
『感染列島』は、上司が「眠ずにがんばれ」とメッセージする。『コンテイジョン』は「ちゃんと眠れ」と気遣う(このあたりは、QJWebの記事に詳しく書いた)。
似ている映画だけに、いろいろな差異が見えてくるので、『コンテイジョン』『感染列島』の2作を観るの、オススメです。
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