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『人生が変わるゲームのつくりかた』概要

『人生が変わるゲームのつくりかた』(米光一成/筑摩書房)は、全7章。アナログゲームのつくりかたについて詳しくていねいに解説した本。
以下に、各章の概要と、いくつかのテキストの引用を示す。

『人生が変わるゲームのつくりかた』の第1章は、著者の自己紹介で「ぷよぷよ」「バロック」「はぁって言うゲーム」「あいうえバトル」「記憶交換ノ儀式」をピックアップ。
ゲームの核を「ルールに基づいて遊び、楽しい場を生み出そうとすること」として、ゲームづくりを学ぶとなにかいいことがあるのか?について。
そして、本だけで遊べる「はぁって言うゲーム」簡易版で、遊んでもらうという構成。

ゲームとは、ルールにもとづいて遊び、楽しい場を生み出そうとすることである。

ゲームづくりを理解するためには、楽しさを生み出すルールのつくりかたを習得する必要があります。

ゲームづくりを学ぶと、人生が楽しくなります。なぜなら、ルールは、あなたの人生のどこにでも存在するからです。



『人生が変わるゲームのつくりかた』の第2章は「ゲームはなんでおもしろいのだろう?」
ゲーム『あいうえバトル』の箱の中身から、ルールを逆推理していく章。「楽しい」と思ってもらう前に「楽しそう」と思ってもらう必要があることについて。
そしてゲームづくりの3つの視点、システム、モチーフ、スタイルを解説。この3つの視点でゲームを分析するクセをつけるとゲームに関する解像度が圧倒的にアップします。
コラムで「ゲームズマンシップについて」。

「楽しい」と思ってもらう前に「楽しそう」と思ってもらう必要があります。

ルールとゲームズマンシップ(ゲームをプレイするときの良き心構え)を守れば、ゲームの世界ではなにをやってもいいのです。ルールは厳密ですが、プレイは自由です。

システムの理解を助け、想像によって楽しさを増幅させることが、モチーフの重要な役割です。

「ゲームづくり」を考える3つの視点があります。システム、モチーフ、スタイルです。

『人生が変わるゲームのつくりかた』の第3章は「ゲームづくりの5つのステップ」コンセプト→プロトタイプ→プレテスト→ブラッシュアップ→完成という5つのステップで、何をどのようにやるのがよいのかを具体的に解説。

どこを目指すのか。なにを目指すのか。それがコンセプトです。

『人生が変わるゲームのつくりかた』の第4章は、まるまる「コンセプトとは何か」「コンセプトのたてかた」です。
「駆け引きの楽しいゲーム」「自由度の高いゲーム」「歴史に残る偉大なゲーム」みたいな社訓レベルの抽象的で曖昧なコンセプトは役に立たないので、「コンセプトはつまみあげる感覚で」つくる、コンセプトとどう並走していくか、その方法を具体例と共に紹介しています。

またアイデアの種を見つけるための「自分マトリクス」というワークの紹介もあるので、ぜひやってみてください。

コンセプトは「全体を貫く観点」であり「新しい観点」でもあります。

自分の好きなことをベースにコンセプトを決めるのがベストです。

最初に考えることは「勝利条件」です(…)次に考えるのは「アクション」です(…)プレイヤーがどのようなアクションを行うかは、ゲームの最重要ポイント

コンセプトを決めるときは、大胆に削ることが必要です。いや、削るというようりも、ひとつだけつまみあげるといったほうがいいでしょう。

『人生が変わるゲームのつくりかた』の第5章は「汚くつくってやりなおせ」です。プロトタイプをつくって、どうプレイテストして、どうおもしろくしていくかについて。
よくプロトタイプは小さくつくると言われるけど、これ案外伝わらなくて、具体的に「どう小さく」なのか「どう汚くなのか」を書いています。実際にぼくの最初の段階のプロトタイプの写真も掲載しています。
プレイテストも、じつはステップがあるんだけどそのあたりはあまり語られてないので、ちゃんと「ひとりでやってみる」段階でどのようにやって、知人にやってもらうときはどういうふうにやるのかを具体的に書いています。クソバイスにどう対応するかとかね。さらにどうしても面白くならない行き詰ったってどきにどうするといいのかという奥義も。
2つの面白さ(瞬間的な面白さと文脈の面白さ)に分解して考える方法の具体例も紹介しています。この分析方法をマスターするとゲームのブラッシュアップがぐいぐいできるよ!

とくに最初のプロトタイプは赤ん坊だと思って愛してください。

瞬間的な楽しさと、文脈のある楽しさ

「こんなことどうやって思いつくんだ」って思わせるアイデアは、乱暴な現場の偶然性がきっかけになって生まれます。



『人生が変わるゲームのつくりかた』の第6章は「ルールを改善するともっとおもしろうなる」
シンプルなトランプゲームを具体例にルールを改善する方法を解説。ゲームで大切な自己効力感を生み出す秘訣、改善の手順、改善すると効くポイント。そしてマニュアルのつくり方を『はぁって言うゲーム』を具体例に解説。

「自己効力感」が生じる状態にあることが大切です。作戦を練って、自分が行動したことで、場に影響を与える。その結果、自分が勝ちに近づく。成果があがる。そういった感情を喚起するとゲームがおもしろくなります。

ゲームの「自己効力感」で大切なポイントは「選ぶ」です。

アイデアを出す段階は、野放図に、無邪気に、どんどん出していくほうがいい。

『人生が変わるゲームのつくりかた』の第7章は「すべてをゲームにしてみよう」の章。 ゲームが生み出すマジックサークルの話から、「頭のよくなるゲーム」や「学習ゲーム」がおもしろくない理由、ではおもしろい学習ゲームはどうやったらつくれるのかを、ゲームがもつ根源的な強さを解説しながら解き明かしていきます。「人生のルールだってつくれるのだ」「『はぁって言うゲーム』誕生秘話」もあり。

ゲームのアイデアを出すコツは、いつだって「楽しくできないかな」と考えることです。

巻末に「次に読んでほしい本」(40冊!)「次に遊んでほしいゲーム」を紹介。

追記!
noteに読了記事があがってました。ぜひ読んでみてください。


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