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〇 クロスカントリー:地形の確認

皆様、お疲れ様です。
パラグライダーが趣味のよねけんです。
クロスカントリーフライトについて自分の考えを書いています。
今回から「フライトプランを考える編」です。
その第一回は「地形の確認:マップだけではわからない」です。今回は無料記事です。

前回から読む 緊急降下:ビッグイヤーだけで良いのか


題名がクロスカントリーから始まっている記事は自分と同じレベルのパラフライヤーを対象としており、マニアックでガチな内容です。
ご承知おきください。


 獅子吼高原から瀬女高原へのクロスカントリーフライトを題材にした記事です。(獅子吼以外の方、済みません。) 

よーし、ついに来たぞ・・・雲龍山エリア

 今回は自身の一番最初のクロスカントリーフライトを回想(※1)しながらの説明になります。この日は西風で地面付近は南西の風、上空に北寄りの風も入っていたように思います。テイクオフから奥獅子吼に移動して高度を1,345mまであげました。この高度で手取川第三ダム渡りを目指します。

最初の目的エリアである雲龍山の位置

 奥獅子吼から手取川第三ダムを渡ることは、普通はアウトランすることを指します。上空は北寄りの風で、基本追い風でのフライトですから、目的地に到達できなくても、引き返し再度ダムを渡って戻ることはできないからです。渡るときには無線で「ダム渡りまーす」と連絡を入れます。
 ダムの対岸に着くと高度は1,000m以下になっています。雲龍山は尾根を越えた向こうにあります。雲龍山はダムを渡ってからも遠く感じます。

事前の確認

 このエリアは瀬女高原へのクロスカントリーフライト時に最初に攻略が必要なエリアになります。事前に自分なりに情報を集めていました。

・他のフライヤーが瀬女高原にフライトした時のGPSログ
・スクールにある3Dプリンターで作られたジオラマによる地形の確認
・Google Earthで3Dで地形の確認
・他のフライヤーの動画

雲龍山の麓にはオートキャンプ場があり、そこで何度かキャンプをしたこともあります。Google Earthでは実際に飛びそうな地形をZOOMして何度か見ています。情報は多くても困らない、出来るだけ集められるものは集めて目にしていたつもりでした。

勝手が違いすぎる

 しかし、実際に飛んでみると事前に頭に入れていた情報があまり役に立ちません。高度が下がって迫ってくる山の尾根から圧力を感じますし、事前に気にかけていなかった高圧電線も気になります。サーマルがありそうな地形に目ぼしを付けてあったはずですが、実際にどこを飛んでいるのか良く分からないし、小さなサーマルにあたって旋回するも高度が下がる一方です。

記念すべき1回目のクロスカントリーフライトではあるが・・・

 ダム渡りのGPSログを見てもらえれば分かりますが、西に大きく膨らんで飛んでいるので飛行距離が長くなり、雲龍山エリアに到達した時には高度を大きくロスしています。しかし、この時はそれにも気づいていません。高度がない、ビギナーズラックになるようなサーマルもないので気持ちだけが焦ります。地形を見ても飛び方のアイディアが出てこない、サーマルのあるところを的確に判断できないで高度だけが下がっていき終了となりました。
 いくら模型や3Dマップで見ていて事前の情報はあっても、その場では使えませんでした。初手でダム渡りが弓なりになっている段階でアウトだったと言えます。

飛んでみないと分からないこと

 こうやって初回のクロスカントリーフライトを振り返ると、ありがちな失敗をして、良いところがなく降りた感じでした。ダム渡りのコース取りが悪かった点は次回の記事で説明しようと思っています。
 どれだけ事前に情報があっても、その情報からフライト中の状態を想像する力がないと有効に使えません。でも、そんな力は(今も)持っていないですから、結局は何度かそのエリアを飛んでみてエリアを理解することにしました。何度か飛んでみると言っても簡単に行くわけにいきません。そこで、スキルがあればクロスカントリーフライトが成立しそうと自分が判断する条件(※2)は積極的に飛んでみる、あるいは、回収が用意されている場合はダメもとで行ってみるということを何回かやりました。
 この時期、自分が何度かクロスカントリーフライトにトライすることをネガティブに見ている他のフライヤーさんもいたようです。行ける条件じゃないのに行ってしまう迷惑な人といった感じでしょうか(苦笑) でも、これに関してはインストラクターさんから「飛べると思えば飛べば良い。よねけんさんが選んでいる条件は悪くない。他のフライヤーさんから、あの条件では無理でしょう的なことを言われたこともありますが、逆に「そうですか?」と言っています。」ということを言われました。これが無かったら、今でも瀬女高原には到達してないと思います(笑)
 幸い、回収に来てくれるフライヤーさんが居たり、一日数本しか走らないバスを目当てに飛んだりしているうちに徐々に飛ぶエリアのことが分かるようになりました。ここで得られた知見は最終的に瀬女高原へのフライトを成功させるベースとなりました。
 最近は、初見のエリアであっても、自分が飛んでいるエリアの条件や経験からフライトは出来ると考えるようになりました。しかし、それにはそれを裏付ける豊富な経験や、特定のエリアや地形によらない抽象化した自分なりの理論を獲得する必要があります。それまでには到底、到達してはいないのですが(笑)

まだまだパラグライダーな日々は続きます。

【注記】
※1:自身の一番最初のクロスカントリーフライトを回想
 よくよく考えたら、よくこんな恥ずかしい情報を公開するな俺・・・と思ってます。

※2:クロスカントリーフライトが成立しそうと自分が判断する条件
 地面付近や上空の風向き、風速。雲低高度や減率、日照の時間など色々あります。これらを考えて判断して(トレーニングして)いました。時折、「今日は何でクロスカントリーフライトをしようと思ったの?」と他のフライヤーさんから聞かれることがあったのですが、自分なりに試行錯誤していたと途中であることと、説明が長くなるのが面倒くさくて「飛びたかったから」と答えていたことを白状しておきます。

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