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● クロスカントリー:アクセルワーク

皆様、お疲れ様です。
パラグライダーが趣味のよねけんです。
これからクロスカントリーフライトについて自分の考えを書いていきます。
今回は「アクセルワーク」です。

前回から読む クロスカントリー:ソアリング3 「高度キープ」


題名がクロスカントリーから始まっている記事は自分と同じレベルのパラフライヤーを対象としており、マニアックでガチな内容です。
ご承知おきください。


アクセルの意義

 パラグライダーにはアクセル(※1)という機能があります。これはパラグライダーの滑空速度を上げるためのものです。パラグライダーで速度を上げる必要があるのは下記の場面です。

向かい風に対して速度を出す場合

 これはよくあるパターンです。風が強い日に向かい風が強く、パラグライダーが空中で停止する時などアクセルを使って前に進むことがあります。地形に対して対地高度が200mとかある場合だと単純に場所の移動になりますが、対地高度が100mを切っている場合だと緊急避難の意味合いが強くなります。獅子吼だと西風強風の場合、テイクオフの北側、つまりテイクオフ後の右側にある風吹き峠(かざふきとうげ)は尾根が下がっており、ベンチュリー効果で風速がアップします。ここで強風に捕まると全く進まず、グライダーが下に降下するだけの危険な状態になります。抜け出すにはアクセルが必要になります。初級機でアクセルなし(※4)だと尾根後ろに飛ばされて帰還できなくなりますし、Bクラスでもアクセルを使ってもまずいことがあります。

強いシンクに捕まった場合

 狭い谷の間を飛んでいて、強いシンクに捕まると前に進む距離に対して沈下が速くなると抜け出せなくなることがあります。この場合もアクセルで速度を上げてそのエリアからの離脱を試みます。強いシンクがある場合、他の割と近い場所に上昇気流があることが多いです。上昇するところがあるから下降する場所が出てくるので、慌てずアクセルを目一杯踏んで前に出て回避をすることが重要です。回避して高度が残っていれば、それに見合う上昇気流を探すことになります。

サーマルポイントへ短時間で移動する場合

 近くの他のパラグライダーが上昇している場合、あるいはトンビがソアリングしてる場合、そこにはサーマルがあることになります。そこに移動する場合はアクセルを使います。サーマルがその場所にあり続けるか分からないので出来るだけ早くそのエリアに入るためです。サーマルポイントの接近では他機に注意(※2)が必要です。

数百mから数kmのグライドを行う場合

 こういう場合、行った先でソアリングしようとか、行ってポイントを踏んで(※3)帰ってこようとか、何かしら目的があるので、条件が変わらないうちに早く移動をしたいと思っています。そこに行くまでの景色を楽しむとか、地上を観察するとか、通過することが目的ではない場合は、せっかち(!)なのでアクセルを使います。

 パラグライダーを始めた頃、つまりB級生の時は(獅子吼高原パラグライダースクール・ルール?(※4))でアクセルが付いていないためアクセルを気にしたことがなかったのですが、NPになると装着するので使うことができるようになります。最初は積極的に使うことはなかったのですが、現在は数kmの範囲をフライトする場合は必ずアクセルを使っています。アクセルを使わないフライトは僕にとっては退屈なフライトだった可能性が高いです。

対地滑空比が重要

 アクセルを使う場面を色々と書いたのですが、長距離を飛ぼうと考えた場合、アクセルの使用は対地滑空比というパラメーターに非常に重要なファクターになります。

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