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〇 クロスカントリー:グライドコース
皆様、お疲れ様です。
パラグライダーが趣味のよねけんです。
これからクロスカントリーフライトについて自分の考えを書いていきます。
今回は「グライドコース」です。今回は無料記事です。
前回から読む クロスカントリー:アクセルワーク 「対地滑空比が重要」(有料記事)
題名がクロスカントリーから始まっている記事は自分と同じレベルのパラフライヤーを対象としており、マニアックでガチな内容です。
ご承知おきください。
ソアリングで高度を確保したら次の目的地までアクセルを踏み込んで(蹴り伸ばして?)グライドです。このグライドの操作がクロスカントリーフライトでは一番重要です。パラグライダーの挙動は対気、つまり対空気への操作で決まりますが、クロスカントリーフライトは対地、つまり目的地への移動で考える必要があります。対気と対地を常に意識して飛ぶということは、対地滑空比と対地コースをコントロールするということになります。対地滑空比は特に重要でそれは前回説明しました。(有料記事ですがよろしければどうぞ) 今回は対地コースについてです。これも重要なポイントになります。
フルアクセルで飛ぶということ
アクセルは翼の迎え角を下げてスピードを得るための手段なので、ブレイクコードはフルリリースです。基本的にはブレイクコードによる旋回や方向修正はやらないことになります。実際にフルアクセルでブレイクコードによる操作はできないわけではないのですが、それだと折角上げたスピードが減速してしまいます。アクセルを使うときはブレイクによる操作はしないのが前提です。スピードの得るために操作性が制限を受けるわけです。
遠くに移動するためにフルアクセルを踏む場合は、思わず「ワープ!」とかつぶやいたり(※1)、思ったりするのは年代の問題ですかね・・・。
実際にはフルアクセルで方向修正ができないわけでなく、以下の3つの方法があります。
体重移動で方向を修正 (左体重→左へ 右体重→右へ)
ノーマルハーネス(ポッドハーネスでない)場合はアクセルバーの踏み込み量を左右で変えて修正。(左を踏む→右へ 右を踏む→左へ)
リアライザーコントール(※2)を行う
体重移動は現在でも使いますが、左右のアクセルの踏み込み量を変更するのはポッドハーネスでは難しいです。一番使うのはリアライザーコントロールで速度の減速をあまりせずに方向が変更ができます。旋回というよりはヨー角(機械屋さん的にはシータ角)の修正で進む方向を変えるイメージです。
目標に真っすぐ飛べないやん!
さて、そんなこんなでフルアクセルからハーフアクセルでグライドを開始したら、目標を目指して飛ぶだけです。アクセルワークをしながら体重移動とリアライザーコントロールで微調整します。でも、目標に真っすぐ飛べるかは別の問題があります。
話は少し脱線しますが、年に1~2回は白馬五竜で飛んでいます(※3)。何年か前に白馬五竜で飛んで青木湖の方へ行くぞ!とか思ってテイクオフしてもソアリングが上手くいかず、インストラクターさんの無線指示が出ている時でした。アクセルを踏んで移動の指示が無線で来たのですが、真っすぐ飛べませんでした。それだと青木湖の方はいけない的なコメントを空中でもらったことがあります(涙)
そして、最初の瀬女高原への手取川第三ダム湖渡りの時も同じことが起きます。この時は一人で飛んでいたのでインストラクターさんの無線はありませんでしたが、明らかに風下に流されている状態でした。ここまで読んだ人でピンと来た人が居るかもしれませんが、図で説明します。
![](https://assets.st-note.com/img/1673872329607-YCY7E6eXFl.png)
雲龍山のあたりにある尾根の窪みに向けて飛んだつもりが・・・
風に流されてしまっています。でも、流されているのは分かっているので修正を行いますが、この修正に問題があります。目的地に向かおうと絶えず機首を目標に向けます。その向け方に問題があります。下の図に示します。
![](https://assets.st-note.com/img/1673872512431-xtEveo45TY.png)
「目標に機首を向ける → 風下に流される → 機種が目標に向いていない」を繰り返すと、まさに最初の絵の様な軌跡の出来上がりです。風下に回り込みながら目標へ行く・・・という状態が発生します。
結局偏流ということです (〃∀〃)ゞ
ここまで読むと「偏流取って無いじゃん。当たり前。」とか言ってる、思っている人が居そうですね(苦笑) まあ、そうなんでけど。正解というか、こう飛んだ方が良いよというのは下記の図のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1674892760617-HVq2c89FB1.png)
話は変わりますが、みなさんは日頃のフライトでどれくらい目的地まで真っすぐ飛ぶことを意識しているでしょうか? 獅子吼高原でフリーフライトを南北の高圧電線の内側でしている場合、あまり意識する必要はないです。近く、あるいは山の斜面付近にあるサーマルを探索するような飛び方ではあまり気にすることはないです。高度を取ってそこからフルアクセルで移動するとしても、距離は2kmぐらいになるのではないでしょうか。これぐらいだと、偏流への意識がそれほどなくても行きたい場所には到達できているのではと思います。ただ、自分は白馬五竜と一回目の瀬女高原へのクロスカントリーフライトの失敗から偏流を意識した長いグライドを練習するようになりました。
例えば、高度があれば奥獅子吼からテイクオフを越えて北高圧手前までフルアクセルでグライドし目標へ飛ぶことを意識してみるとかやったりしました。これだと、4kmぐらいのグライドになるので練習になります。
これをやっている時に、他のパイロットから「後ろから(自機を)追い抜いて飛んで行ったけど、あれフルアクセル?」とか聞かれました。そうですと答えると「それやりたいんだったら、J2とかの大会出るといいと思うよ。」とかアドバイスをもらったことがあります。大会には全く興味がない(苦笑)のですが、クロカンの練習ですとも言えず、はぁそうですか的にお茶を濁しましたが、使い方は異なるけどクロカンも大会も必要とされるスキルに共通性があるというところでしょうか。
ソアリングもそうなのですが、日頃のフリーフライトは意識の仕方によってはクロスカントリーフライトに繋がっているものだなと思います。
今回も長文になりました。
まだまだパラグライダーな日々は続きます。
2023/1/28 17:00 誤記を修正しました。 編流 → 偏流
【注記】
※1:思わず「ワープ!」とかつぶやいたり
かつて日本のアニメブームの発端となった「機動戦士ガンダム」と「宇宙戦艦ヤマト」 その宇宙戦艦ヤマトのワープシーンで光速を越える航行には大きな代償があります。波動エンジンを限界越えの120%出力で使うため、ワープの前の武器の使用や、ワープ途中の進路変更ができず、更にワープ後はエンジン不調で武装が使えず無防備になったり、通常航行に支障がでるなど何重苦やねん的な感じです。この制限のあるところがリアルというか、面白いんですけど。・・・話がずれました・・・。パラグライダーのフルアクセルでブレイクコードが使えないのが似ているので思わず「ワープ!」や「ゲシュタム ジャンプ!」とかつぶやいてしまいます。おじさんのノスタルジーですかね。
![](https://assets.st-note.com/img/1673874095093-WOoJkEZ2CS.png?width=1200)
https://moviewalker.jp/news/article/31306/
※2:リアライザーコントール
本来はブレイクコードのラインが切れた場合の緊急的な操作としての意味合いが強いです。JHFではリアライザーコントロールが実習課題となっており、ランディングまでコントロールを行う課題があります。普通はB級生の時にやるはずです。そこまでガチなコントロールではなく、ヨー角を制御して方向を修正するレベルでの使用になります。
※3:年に1~2回は白馬五竜で飛んでいます
2022年は白馬五竜には行きませんでした。たまたま行かなかった・・・というのもありますが、コロナだなんだで県外に行こうとかあまり思わなかったです。パイロット証もあるから一人でフラっと行ったりできますし、白馬五竜はスクールの系列校なのでハードルは低いはずなんですがね。