〇 クロスカントリー:ソアリング3
皆様、お疲れ様です。
パラグライダーが趣味のよねけんです。
これからクロスカントリーフライトについて自分の考えを書いていきます。
今回はソアリング3の「高度キープ」です。
前回から読む クロスカントリー:ソアリング2 「低高度からの復活」
題名がクロスカントリーから始まっている記事は自分と同じレベルのパラフライヤーを対象としており、マニアックでガチな内容です。
ご承知おきください。
グライドからソアリングへの移行
瀬女高原へのクロスカントリでは、獅子吼から奥獅子吼、奥獅子吼から雲龍山への移動になります。奥獅子吼から雲龍山へのフライトは手取川第三ダムの上を越えることになるため、渡り始めたらサーマルは期待できません。何せ下はダム湖、水面(みなも)です。周囲の山肌や平野部より表面温度が低いのでシンク帯と思った方が無難です。
もし、雲龍山(※1)方面のグライドで1,000m以上の高度が残っていれば、笠山(※2)への移動をしてもOKです。でも、ダム湖を渡った状態で800m以下だと次に進めるのは厳しく、ソアリングをして高度を獲得するのがセオリーだと思います。かれこれ6回このエリアに進入していますが、獅子吼や奥獅子吼で経験している強いサーマルにあたったことがなく苦戦しているエリアです。
インストラクター曰く、ここで高度が取れないようであれば先に進めないでくださいとのこと。つまり、クロカンを続けるかどうかの判断をする場面になります。
高度が取れるか取れないか それが問題だ・・・
最初に瀬女高原へのクロカンが成功した時は、雲龍山近郊で1,000mの高度があり、雲龍山はスキップで笠山に移動しました。・・・というとカッコよく聞こえますが高度が下がる前に移動!というのが本音でした。しかし、2回目の成功フライトはそうはいきませんでした。実際のフライトログを見てみましょう。一つは真上からのログ。もう一つは高低差が分かるアングルによるログです。ログの赤色は高度ロス、グリーンは高度上昇を示し、黄色は高度キープを示します。
最初はダム対岸の北斜面でのサーマルを期待して取り付きます。しかし、大きなサーマルはなく、目的の雲龍山近傍に到着するも、これは!というサーマルはありませんでした。ここで目標とする1,000mの高度獲得は難しそう。北風が強いので北斜面のサーマルを探してさまようことになりました。弱いサーマルがあるので、旋回して北を向くと強風でグライダーが止まり、高度もキープされるので考える時間的余裕があります。周囲を観察して他の良い北斜面がないか観察を行い、次の一手を考えます。
高度が下がらなければフライトは続けられる
インストラクターさんのアドバイスによるならば、この高度で次の目標に移動をするのはNGだろうなとか思いながら飛んでいました。一方、高度は上がらないけど、下がらず、また、一部高度を上積みして飛べていたので粘り強く飛ぶことを意識しました。高度が下がらないのであればフライトは継続可能です。これもソアリングですが、高度を取る、あるいは低高度からの復活とは異なり、飛び続けられる状態をキープするのが目的のソアリングです。
前の投稿で「高く更に高く」「低高度からの復活」という形でソアリングを説明しましたが、その中間の「高度キープ」というフェーズもあり、自分がおかれた状況に合わせてソアリングで意識するポイントは変わってくると思っています。
高度ロスをしないという飛び方
獅子吼エリアで、フリーフライトをしていると、さほどトップアウトもできず、山の中腹や、山の尾根の少し上までしか上がらないという状況になることがあります。この状態で出来るだけ長い時間をフライトできる、高度を高めにキープして飛ぶということが、地味なフライトですがクロスカントリーフライトに活きてきます。でも、こういう状況では操作の繊細さやサーマル位置の判断が重要なのでテクニカルなフライトになります。
高度ロスを防ぐには、当たり前ですが上昇風帯の中にいることが重要です。その上昇率が0.1m/s、いや0.0m/sであってもステイする必要があります。パラグライダーの沈下率は1.0m/sとかざらですから、0.0m/sは上昇率としてはプラスなのです。上昇率が-0.2m/sであっても、-1.0m/sよりはサーマルを探索するための時間、飛行距離が伸びますから悪い状態ではないのです。少しでも上昇率がプラスとなる狭いエリアを見つけ、そこにステイして、他にもそういうエリアがないか探索し、見つけたらそのエリアを結んで飛び続けるといった戦術が必要になります。
日頃から遠くには行かないが長時間飛んでいる人が居たりしますが、その人たちを観察していると、小さなサーマルエリアを巡回して飛んでいることが多いです。たまに後ろから張り付きフライトをトレース(※3)すると、こうやって飛んでいるんだと参考になるものです。ただし、近づきすぎには注意です(笑)。
話を実際のクロスカントリーフライトに戻します。前述の通り、この時は北風が強く、北斜面を探して移動し、その斜面の上で北を向くとグライダーのスピードも沈下も止まり、ホバリングした状態になるので、より良さそうな北斜面を探し、風下にある北斜面を見つけて繋いでいきます。アクセルを使わなくても風下には早く移動できるのですが、斜面を駆け上がれるようなサーマルはなく、北斜面を繋いでチャンスをうかがって笠山まで移動しています。高度をキープし距離にして2~3kmは稼げています。
結局、この時は笠山で上げることをトライするのですが、最終的には風向きを考えて他の手段をとることを決断しています。それについては他の機会にですかね。。。。
まだまだパラグライダーな日々は続きます。
【注記】
※1:雲龍山 & ※2:笠山
獅子吼から手取川第三ダムを越えた地点にある山のこと。地図をいかに示す。
※2:後ろから張り付きフライトをトレース
ストーカー飛びとも言えそうです。その人がどんな飛び方をしているか、何を考えていそうかが分かるので、迷惑にならない程度であれば良い学習法だと思っています。NPの時にベテランパイロットについて飛んだことがありましたが、「そこで斜面に突っ込む!?」「ランディングまで対地滑空比が取れないけど、更に遠くへ行くの!?」と驚愕の連続でした。そして、本当に勉強したい人の後は、飛び方が凄すぎて置いて行かれるため参考にすらできない(T_T)ということがあったりします(笑)
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