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ヨネケンからの挑戦状!考察せよ!

皆様こんにちは。
徳島大学細胞生物学分野・ヨネケン秘書のあべみょんです。
今日もアカデミックにお届けいたします

…とその前に(え、)

パイ入ります~

浅野さんから高知土産のパイ 頂きました(^^♪
寒波四国の高速道路もあちこち通行止めになっていた先週末。高知にコンクールに行ってた浅野さん。
結果は惜しくも全国行を逃したそうですが、ぶんたんパイは忘れなかった(笑)

「去年はかつおパイだったんで。ぶんたんパイにしました。もう一種類パイがあるのも確認したので来年も大丈夫です」

パイ縛りを課したつもりはないのだけれど…

全国各地で一生懸命パイをさがしてくれる浅野さんなのであったw

ちなみに、2月11日に行われた若手だけのコンサートは大成功で、浅野さんがとてもニコニコしながら
「過去一(カコイチ)よかったと思う♪」と言っていました。
いつも自分に(時にメンバーにw)厳しい浅野さんが、あんなにも満足そうで「すごくよかった」を連発してたコンサート・・・行けなかったのホント残念…。11日は心から、音楽(音を楽しむ)ができた浅野さんなのでした♪


さてさてそれでは本題に参りましょう。
年に一度歩かないかのアカデミックDayのはじまりはじまり(笑)

今年度の生化学入門で実際に出された試験問題(記述)をご紹介します。

記述問題(2点)

とある男性(米村)の肩には1本だけ髪の毛にも近い、太い毛が生えています。何ヶ月かすると自然に抜けおち、再び同じところから伸びてくるというのを繰り返します。一体何が起こっているのか、これまでに習った知識から考察せよ。

(ヒントは「幹細胞」)

シンキングタイム!スタート♪

とある男性(米村)の肩の毛(剛毛)
photo by あべ

試験前のある日のこと。
さっきまでスーツがビシっっっ!とキマっていたと思った米村さんが、よれっとしたヒートテック(白・長袖)姿で教授室から出てきたから、何事か⁉と思ったら、スマホを私に手渡し、おもむろに肩をはだけ…

「ちょっとあの、すみません写真撮ってほしいんですけども。こんな毛、生えてるんです」て。
何をさせられているんだろ!?と思いましたけども、試験問題に出題されていましたw

試験問題は全てモノクロなのですが、肩の毛問題だけはオールカラー。
特別仕様でした!



ということで…有識者の皆様

さてさて考えはまとまりましたでしょうか?
心の準備はいいですか?

↓それでは米村さんの模範解答を見てみましょう↓

一つの決まった答えがあるわけではなく、なるほどと思われる、推察で十分なので、答えの数はたくさんではありますが、授業で習ってきたことを組み合わせると、以下のように考えていくのが自然かなと思われます。

毛は伸びてはやがて抜け落ち、再び伸びるというサイクルで作られ、おおもとの細胞は幹細胞で、毛が抜ける時でも抜けずに残って、毛を作る細胞を常に補充していることは授業で学びました。

この写真では
周囲では産毛を作っているのに、特定の場所でなぜか太い毛を作っています。これを繰り返しているので、幹細胞に長く続く変化が生じて産毛でなく太い毛を作られていると考えやすいです。

長く続く変化というのは細胞が分裂しても引き継がれるということで、遺伝性のもの、核におけるDNAに変異が起きたと想定できます。

実際にそのようなDNAに生じた変異が「がん」の原因となることを教わったばっかりなので、わかりやすいでしょう。

ただし、ここでは「がん」になるような異常増殖ではなく、毛のタイプが本来細く短い産毛であるべきものが、太く長いものに変わったということです。せいぜい一つの変異で産毛を太く長いものにするという大きな変化が起きるようにするのは説明が難しいです。

むしろ、毛を作るのには頭髪や眉毛、まつ毛、陰毛、産毛などいくつかの分化のパターンがあり、体のそれぞれの場所でどれかのパターンを採用しているが、今回は産毛パターンが採用されるはずなのに、頭髪パターンが採用されてしまった、と考えることが可能です。

骨髄の造血幹細胞が赤血球も白血球も血小板も作るために、異なる分化をした細胞を生み出すことも習いましたが、それと似た考え方です。

幹細胞がどのパターンを採用するのかは、いわゆる遺伝子発現の調節というものです。例えば、猿の右肩には太く長い毛(一応頭髪パターンとします)が生えているが、人では産毛になっています。
進化の過程で、ある調節因子が作用して頭髪パターンへの道が塞がれ、産毛パターンになったのかもしれません。
そのような場合ならその調節因子にたまたま変異が入って機能ができなくなると、それだけで頭髪パターンへの抑制がなくなり、頭髪様の毛が生えるようになったと推察することもできます。

米村さんによる解説

学生の解答としては、こんなに ↑ たくさん書く必要もないので、

「該当する箇所の毛を作っている幹細胞のDNAに変異が生じた。
おそらく分化を決定する遺伝子発現の調節に関わる因子の機能が変異によって消失などして、もともと産毛を作るように分化するところ、太く長い毛を作るように分化するようになったのだろう」
くらいで一つの推察としては十分です。
 
変異や分化について書けている人はせいぜい数人。
その一部が書けていた人を合わせてせいぜい半分くらい。

残りは0点ですが、もともと配点が100点満点中の2点なので、力試しの問題です。

ちなみに書いていてもダメな例は、「幹細胞に何らかの変化があったと考えられる」くらいの、ほぼ問題文を言い換えただけ、というようなものです。

君は何点取れたかな!?

2点、取ったよという方!いらっしゃいましたらご褒美の、ラプンツェル印のお煎餅かぶんたんパイ。こちらまで取りに来て頂ける方に限りますがプレゼントいたします(^^♪

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あべみょん
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