木の話21 節
木には節があります。
節が何故できるかご存知でしょうか?
実は私も木の仕事をするまでは知りませんでした。
木の節はどうやってできるかというと、木の枝が折れたり切られたりしたあと、その枝の断面がそのまま残ったのが節になります。枝の名残が節なんです。
木の手入れをするのに、「枝打ち」をするというのを聞かれたことがあるのではないでしょうか?
まっすぐな木に育てるため、という理由もあるのかもしれませんが、節のない木をつくるために枝打ちが必要なんです。
木は成長にしたがって木の中心は硬くなりその身体を支え、木の外側に新しい細胞ができて太くなっていきます。
そのため、小さいうちに枝打ちをしておくと、その枝を切られたあと、つまり節のまわりに次の年、また次の年と、新しい細胞が重なっていくため、節があるのは中心部のみとなり、中心部以外は節のない板がとれる、ということです。
つまり、節のない板をつくるために枝打ちをする、という側面もあるんですね。
そうやってできた丸太を、今度は製材する時点で節が入らない板になるように製材します。
もちろん、まったく節がない丸太というのは存在しません。多かれ少なかれ節は必ずあるので、1本の丸太から如何に節の少ない板をたくさんとるか?が製材職人の腕の見せどころとなります。
そうやってできた節のない板のことを無地物と言ったりして、値段も上がります。つまり値打ちのあるものをつくるために、育てるところから製材するところまで気を配って製品化しているということですね。
この節のない無地物を価値のあるものとするというのは、日本人独特なんでしょうか?海外の家具や木の内装を見たときに、普通に節が入ってるのを見ることがあります。
ま、節がある、無い、というこだわるのはもちろん、板目や柾目によって板をわけたり、この木目は気に入らない、みたいに木目にこだわったりするくらいなので、日本人独特なんでしょうね。
と、考えると、日本はほんとに木の文化だなぁと思います。