木の話20 丸太の値段の計算方法
木は根っこから上にいくほど細くなっています。
丸太になった場合も下が太くて上が細くなります。
木材業界では根っこに近い方、下のほうを元(もと)、上の細い方を末(すえ)といいます。
丸太の材積を計算する場合、元で測るのと末で測る場合とで材積がかわることになります。また、生き物なので曲がってたり凸凹だったり、正確な材積を計算でだすのは難しいです。
よって、針葉樹、広葉樹で、はたまた地域によって材積の計算の仕方が違っています。
例えば私の扱っているタモやナラなどの北海道材。北海道の市場では、丸太の細いほうの径で計算します。
円柱の体積の出し方は覚えていらっしゃいますか?
円の半径×半径×3.14×長さ、ですよね?
丸太はもちろん正円ではありませんので、丸の一番短い直径を測って、「短い直径」×「短い直径」×全長、で出た数字を材積とします。
他の針葉樹の市場などでは、末の丸の「長い直径」と「短い直径」を足して2で割って平均を出し、「平均」×「平均」×全長、で材積とするやり方もあります。
そして、材積を出して、材積に単価をかけて丸太の値段は決まります。
丸太の単価の単位は、立米単価といいます。”りゅうべいたんか”と読みます。
1メーター×1メーター×1メーターの立方体は1立方メートルです。この立方メートルの量の単価を立米単価といいます。
お肉の単価は100グラムあたりの単価です。グラム500円のお肉は、100グラムで500円ということです。
木は1立方メートルあたりおいくらか?という単位です。立米単価50,000円、などと表します。
先ほど述べた広葉樹の計算のやり方でいいますと、長さが4メーター、細い方の丸が直径50センチの円だったとしますと、円なので長い直径も短い直径も同じ長さなので
0.5メートル×0.5メートル×4メートル=1立方メートル
この丸太の立米単価が100,000円だったとすると
@100,000円/立米単価×1立方メートル=100,000円
つまり、直径50センチ長さ4メーターの立米単価が100,000円の丸太の値段は100,000円である…ということになります。
なんか、こう文字だけで書くとわかりにくいですね。
なんにでも単価や単位があるように、お肉が100グラムいくらで販売されているように、丸太は1立方メートルいくらで売買されていて、その単価のことを立米単価という、ということを覚えておいていただければ、木材通になれる…というお話でした。