あのアニメとその主題歌

先日、ちょっと心躍る報せが来ました。

今からちょうど30年前、日本テレビ系列で放映された『雲のように 風のように』という単発アニメが、この度BS12にて再放送されるとのこと…!

しかも、放送時間(19:00〜20:30 本編は80分間)を見るに、もしかするとノーカット版…?かも…?過去にも数回再放送があったようなのですが、いずれも一部カット版となっているそうなので、今回は否が応でも期待が高まります…わくわく。。

この番組の本放送があったのは、1990年3月21日(春分の日)の午後4:00〜5:25で、なんと一度もCMが入らないという異例の形式だったようです。この日家にいた姉と二人でたまたま目にした番組と思うのですが、見始めたらノンストップだし、内容も面白すぎてぐいぐい引き込まれていき、気がついたら終わってた(終わり方に若干あっけなさもあった気が)感じでした。

今回の再放送の吉報も、姉が教えてくれたものだったところから察するに、きっとあの日姉も同じように感動し、今日まで記憶していたのだろうな。。

単発放送とは言え、そのクオリティの高さ(後にスタジオジブリで活躍するアニメーターも多数名を連ねているそう)や、ストーリーの面白さ(原作は、第一回ファンタジーノベル大賞受賞作である酒見賢一 著『後宮小説』)から、 30年経った今なお根強いファンが多いようで、ツイッターでタイトルをちらっと検索してみただけでも、幅広い年代の方々がこの作品を熱く推していらっしゃることや、7月の再放送を待ち望んでおられる様子がうかがえました。逐一いいね、押して回りたい…!

もう一つ忘れてはならないこの作品の魅力として、キャスト陣の妙も挙げておきましょう。

メインキャストの一人、悲劇の新天皇を演ずるのは、当時、新進気鋭の歌舞伎役者としてスーパー歌舞伎などで注目され始めていた市川笑也さん。この方の透明感のある中性的な声質は、命を狙われているが為に女装をして後宮に潜んでいたコリューン(役名)のはかない運命にとてもマッチしていて、声優然としていないその朴訥とした語りぶりがむしろ良い味わいを添えていたと思います。

主人公の銀河には、その頃おそらく“バラドル”(この表現なつかしい…)として活躍されていたであろう佐野量子さんが抜擢されており、ちょっと驚くほどの好演ぶりで銀河が辿った数奇な顛末を実に魅力的に見せてくれています。

さらに主題歌も彼女自身が歌っており、これがまた泣かせる名曲で、この物語の世界観を最後の最後までしっかりと盛り上げ、その余韻を味わせてくれるのに一役買っています(「雲のように 風のように」作詞:真名杏樹 作曲:釘崎哲朗 編曲:山川恵津子)。

と、ここまで書いてきて、わたくしふと同時代に見たであろう別のアニメのことが思い浮かびました。タイトルが曖昧なのでちょっと検索。。そう、これこれ!

『三国志II 天翔ける英雄たち』

こちらは1986年に日本テレビ系列の「金曜ロードショー」枠で放映された、かの大作・横山光輝版『三国志』(その一部の一部らしいが…)を原作とするアニメの続編(どちらかと言えば、続編がクライマックスか?)として作られたもの。

当時小学生だった私ですが、三国志にさほど興味を持っていたような記憶はないのですが、おそらくこちらもたまたま目にしたものなのでしょう。ところがこれもまた大感動でしたね。。とにかく、どえらい号泣したことだけははっきりと覚えています。中国の歴史を題材にしたストーリーであったことや、兵どもが夢の後…的な展開の儚さ、あと日テレ系列で放映された単発アニメという共通点などに『雲風』(略)と重なる印象があります。

その三国志の方のエンディングで流れていたのが、あの名曲『MISS DREAMER』でございますわよ、奥さん!

はい、またしても登場、テレビ界の初恋の君でお馴染み(私が)の杉山清貴御大が歌っておわします。作詞:大津あきら 作曲:佐藤健 編曲:志熊研三…って、え!作曲、佐藤健さんなのか!(今認識)日本屈指の最高AOR『モノクローム・ヴィーナス』(池田聡)の作曲家さんだわ。。編曲の志熊研三さんというのも、杉オメ好きにはお馴染みのお名前ですね。どおりで名曲だわよね。。

こちら三国志の方も、金曜ロードショーでかかったとは言え、映画化されてはおらず、あくまでテレビオリジナル版のアニメだったんですよね〜。

バブル真っ只中ということもあってか、こんな具合にテレビが多大な製作費をかけてオリジナルアニメを放送していたりしたんでしょうかね。他にもあれこれとテレビ局オリジナルの豪華単発アニメがあった気もするんですが、なかなかタイトルまでは思い出せない。。私のぱっとしない脳にとっても、この2本のアニメは別格級の印象だったということにしといて下さい。

今回の『雲風』再放送ですが、てっきりコロナ自粛関連プログラムかと思いきや、どうやらスポンサーだった三井不動産の周年記念として例外的に行われるという話みたいです。理由はさておき、今のご時世だからこそ、これまでテレビが蓄えてきた素晴らしいアーカイブの数々の底力を見せてもらいたいし、見せられるチャンスではないかと思うのですが、どんなもんでしょうか。

あっ

昔アニメ×印象的な主題歌という観点で言うと、先の2作よりもっとずっと時代が古いとは思いますが、割とトラウマっぽく鮮烈な記憶となっている歌がありまして。。うろ覚えの歌詞で検索してみましたら、、わー!ちゃんと見つかりました。

『日本名作童話シリーズ赤い鳥のこころ』

そうそうっ、名作むかし話のオムニバス形式だった気がする!なるほど、『赤い鳥』を下敷きにしてたのか〜。奇しくも今回は本関連の話題に全て絡んでいて、なんか良かった♪(もうほとんど本の話をしてないnote)

1979年2月5日 - 7月30日にテレビ朝日系で放送か…さすがに私が見ていたのは再放送だったかな。。

何が怖かったって、児童合唱団風の歌唱スタイルと、それに合わせて紙芝居風に登場してくる、子どもが描いたっぽい絵画作品のトーンの暗さのギャップとシュールさね。。でも歌は何十年経っても忘れないほどだから、かなりキャッチーだし良いメロディなんだよなぁ。。

もしかして興味がある方もおられるかもなので、こちらの番組の主題歌動画をアップして終わります。同世代かちょっと上なら、きっと覚えていらっしゃる方も多いんじゃないかなぁ…改めて聴いてもいい歌なんだけど、絵面はどう見ても不穏だもんな…

赤い鳥のこころ OP ED - https://www.dailymotion.com/video/xjoggy # @Dailymotion_JPより

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?