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2020年ベストムービーについて ~その3~【5位~1位】
さぁ~2020年のベスト11ムービーも今回の紹介で最後!
ベストファイブいきますよ~
5位「ワンダーウォール」2020年 日本 前田悠希監督
この映画は上半期ベスト回から落ちませんでしたね~。盤石の5位といったところ。今年は日本映画の好きなのが多かったなぁ、嬉しいなぁ。
ワンダーウォールはNHKのテレビドラマから始まって映画化されたもの。京都大学の寮を舞台に、その寮を取り壊したい大学側と住み続けたい大学生の対立が描かれる。こう書くと固くてなんも起きそうにないけれど、ツレの家とか漫画がたくさんあった喫茶店とか、何となく好きでいた場所がなくなってきた経験がある人には悉く響くいい映画だと思ってる。
あとは、この寮に住む大学生の様子がすごくいい。平和で平等に暮らすためのルールが学生自身によって決められていて、問題が解けるとかじゃない知性としての賢さを備えている大学生に自分もしっかりしなきゃねぇとも思う。
テーマになっている、なんとなく自分たちの周りにある壁のようなもの、もすごく面白いし、考えないといけない。映画の中では学生が抗議しに行く事務室に実際目に見える形で壁ができるわけやけども、目に見えない不思議な壁のようなものはどこにでもあって、ものによっては自分個人が勝手に作ってしまっていたりするわけで。偏見とか差別とか出身地とか性とか、広げて考えればこの映画が描くテーマは深くて面白い。
京都のいい雰囲気も楽しめるし短い映画だから、気軽にみていただきたい良作◎
そういえば、2020年上半期ベストで紹介してたというのは、足下研さんとお送りしているこちらのラジオですので、よろしければぜひ!
4位「オン・ザ・ロック」2020年 アメリカ ソフィア・コッポラ監督
はいぃ、きました。ベストビル・マーレイムービーです。ビル・マーレイのビル・マーレイによるビル・マーレイを楽しむための映画。
結婚している娘が旦那の浮気を疑ってお父さん(ビル・マーレイ)に相談すると、お父さんの進言でスパイさながら旦那を尾行したりすることに。人生を楽しむ術を身に着けているお父さんとの行動で娘はいろいろなことを思い出し取り戻すも、お父さんのお陰でくだらない小さな事件に巻き込まれる。
ほんとに、ビル・マーレイってこの映画で自分の人生を楽しむこと以外しないんですよね~。娘が大団円になっても、その生活に合わせたりしないし、ちょっと寂しさを感じながらも自分のライフに戻っていくという。
このビル・マーレイおしゃれだしユーモアもあるし、仕事もしっかりしてるんだよな~。でも不思議なことにデンゼル・ワシントンとハーヴェイ・カイテルにはなりたいのに、ビル・マーレイになりたいとは思わないんだよなぁ。なれないってわかってるからか。ビル・マーレイをみるための映画ってだけだと言ってもいい映画なのに、3位にランクインしているというパワーを感じて欲しいw
3位「はちどり」2020年 韓国 キム・ボラ監督
色んな所で何度も書いてますが、ここ1年ぐらいの韓国女性監督による長編デビュー映画がすごすぎたんですよね。勝手に3本柱にしているんですが、この「はちどり」、「82年生まれキム・ジヨン」、「チャンシルさんは福が多いね」です。
なんてったってすごいのは、すべてが女性にまつわることがテーマになっていて、はちどりは中学生女子の青春を描きながら韓国での女性や年少者の生きづらさ、82年生まれキム・ジヨンは大人になった女性への周囲からの固定観念や生きづらさ、それからチャンシルさんは福が多いねは中年の女性が仕事をなくして苦労するけど自分のまわりの福に気付いていく物語。
説明ばかりになってて魅力があまり伝えられてないですが、全部めっちゃよくて、見ていてきちんと映画として面白いんですよねぇ。ほんとすごい。
その中で2020年にみて、その美しさが心に残っていたのはこのはちどりでした。少女の日常に起こる事件と少女の心を救ういくつかの出来事が折り重なるように起こっていって、その合間合間に映る情景がとても抒情的で美しくて、しかも主人公ウニを演じたパク・ジフの顔が、もう。。最後のシーンの顔、それみるためにこの映画みる価値があります。
2位「れいこいるか」 2020年 日本 いまおかしんじ監督
この映画、ここ最近みた日本映画では断トツに好きになりました。
阪神大震災で娘を亡くした夫婦が主人公の映画。世間的な言い方をすると二人ともほんっとにダメな人達で何とかこうとか生きていってる。生き続けてはいるけれど、あの日娘を亡くした事実は消えなくて二人の心に残り続けている。二人は娘の死後すぐに離婚するけれど、つかず離れずでつながりは残っていて、23年間という長いスパンでその様子が描かれる映画。
なんだろう、これすごく説明が難しい。テーマでいえば、人生、ということになるのか。この映画の最もすごいところは、本当にひどいこととか事件とかがたくさん起きるのに淡々と描き切るし、関西のノリとユーモアと空気感が其処此処にあって常に喜劇であるテイを捨てない。
きちんと笑えて、きちんと泣ける。そんな映画だったなぁ。好きな映画ほど言葉で説明しにくいのって何なんでしょうね。めっちゃいいよ、ほんとに。
1位「象は静かに座っている」2019年 中国 フー・ボー監督
上半期ベストから1位の座を譲らず!!!ってか俺この映画好きすぎるでしょ。。。アマプラでも見れるんですが、見た人の感想が「暗くて見えない」とか「内容が暗すぎる」とか「長くて耐えられない」とか書いてあるんですが、これ絶対映画館で観るべき映画ですから。とか書いてみて、映画って大体すべてが映画館で観るべきだよなぁと反省。あまりに映画館で観るチャンスが少なすぎたから毎年どこかでやってくんないかなぁ。
4人の主人公の絶望と絶望と希望が、4人が随所でつながり離れながら物語られる4時間弱のロングムービー。確かに全編暗いし物語としても暗いし、それぞれの絶望に辛くもなるけれど、すっと希望の光が射したり絶望に殴りかかったりするところで胸が熱くなる。
これをみてからもう1年ぐらい経つけれど、やっぱりこの映画の強さは揺るがなかった。映画館でみたいからまたチャンスを狙っておこう。みなさまも、映画館で、ぜひ~
以上、2020年ベストムービー11でした!!!
次は2020ベストムービー回のラジオでお会いしましょう。あとは、すぐに2021の上半期だな。。早いだろうな。。