見出し画像

「5本」


素直に自分を褒めることができない。
僕以外にもそんな人がいると思う。ずっと音楽をやってきて
一向に芽生えない。

「才能あるよ。」なんて言葉を鵜呑みにしたあの時に戻れるなら僕はその人生で何を残して死んでいるのか。
増えていくのは言葉じゃなく音でもなく楽器で、自分に腹が立った。好きなアーティストの心、技術まで羨んだ。

圧倒的な努力不足なんだと思う。けど身体が追いつかない。
もっと忍耐力があればって。疑った。嫉みだけが残り続ける。
なんでだろうね。自分で選んだはずなのに悩んで、時に病んで、元気になればまた病んで。本当に「めんどくせーよ!」って怒鳴りたくなる自分に。

創れないなら創れないでいいけど。

それでもたまに出来てしまう望んでいた完成形が僕を沼らせる。

嗚呼、もう辞めてしまいたいと思った時にできる。

耳鳴りは止まない。

カーテンの隙間から、時間の経過を知って

また今日と言う1日を始め、光が僕の肌を刺す。

身体を倒す頃には見たくないものを見たこの眼球を休めると共に白色になるまで刻一刻と沈んでいく。

いいなと思ったら応援しよう!