妻のトリセツ/黒川伊保子
ひたすら一方的に妻への理解と我慢を求める内容でした。双方の歩み寄りなんて視点は一切ありません。とにかく一方的に夫に求めることしか書いてありません。はぁ?と思って途中で読むのをやめたんですが、気を取り直して最後まで読んでみました。
途中で分かりました。これはあるある本なんですね。真面目に読むものではなくて面白がって読むものでした。とはいえ夫が読んでも笑えないと思いますが。妻が読んだら笑えるのかもしれません。タイトル的には夫向けのようですが、妻のガス抜きのための本と言ったほうが正しい気がします。
この本によれば、女性は女性脳の仕組みによって、感情のコントロールができなくて、そもそもする気もなくて、建設的な対話もできないので、共感したフリをしとけばいいよってことですけど、女性のことバカにしてません?それとも、こういう書き方をしたら「女はバカだから仕方ないか」と夫が溜飲を下げるとでも思ってるんでしょうか?やっぱり不愉快な本だな。
しかし、 結婚 も 35 年 を 超えれ ば、「 理不尽 な 怒り」 と「 と ほほ( 苦笑い)」 こそ が、 暮らし の アクセント で あり、 生命力 の 源 で あり、 ふたり にしか わから ない きずな に なる ので ある。 結婚 の 初め、「 この 人 が い なけれ ば 生き て いけ ない」 と 思っ た、 その 気持ち の 色合い とは 全然 違う けれど、 私 は、 また あらためて「 この 人 が い なけれ ば 生き て いけ ない」 と 思っ て いる。 私 の 感情 の 露出 に、 まったく 動じ ない のは、 この 人 だけ だ から。 思いっきり 放電 でき て、 手放し で 泣い て なじっ て 甘え られる、 唯一無二 の 相手 だ から。黒川伊保子. 妻のトリセツ (講談社+α新書) (Kindle の位置No.1137-1142). 講談社. Kindle 版.
なんか美談っぽく語られてますけど、僕には「私のサンドバッグでいてくれてありがとう。これからもサンドバッグにするからずっと一緒にいてね」に聞こえました。本書の内容を実践して途方もない努力を35年間続けると、妻からこんな言葉を貰えるんですね。夫婦関係をハウツー本に頼ったらだめです。目の前の愛する人にきちんと向き合いましょう。