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【日常】十五夜に手は届かない、again

午前三時。連日買おう、買おう、と思っては買えなかった月見団子がどうしても食べたくて、値引きになっている可能性にかけて近所の24時間スーパーに行ってきた。

眺められず終いだったお月様も見られるかと思ったけど、のっぺりとした黒い空が広がるばかりでどこにも月はなかった。
いや、ないわけはないんだけど、目視できなかったのだ。
代わりのように、切れかかっている街灯のひとつが点滅を繰り返し、やたらと目立っていた。

スーパーでは、食べたかった月見団子が既に軒並み撤去され、それが山と積まれていた台には値札のみが残されている状態だ。三度見したけど変わらない現実に、月見バーガーで傷心を慰めよう計画を思いつく。

唯一残された値札もまた、朝が来るまでには別の何かと入れ替わり、月見団子の痕跡は完全に消え去ってしまうのがさみしいし、食べたかった(まだ言う)

売り出された季節ものを、そのタイミングで食すことはなかなか難易度が高い。
ありがたい車椅子だけど、人が多ければそもそも売り場に近づけもしないし、行事が過ぎた途端、在庫があろうと問答無用で商品は撤去されてしまう。
これは本当にもったいないと思う。

欲しい人が、まだ、ここに、いまーーーす! と、大人だからガマンしたけど床に転がってぐずりたかった。

いつも思うのは、こういったその時期限定の食べ物って、みんながみんなタイミングぴったりに買いに行けるとは限らないのじゃないかな、ということ。
なので、どうか多少の猶予はいただきたい、とこの後に控えている年の瀬に向けても声を大にして言いたい。

私の場合は体調問題だけど、クリスマスも正月もむしろそこが忙しく、年越しの準備どころでない人もたくさんいるだろうに。
だからこう、せめて、一日くらいは店の片隅にそっと置いてもらえたらって、そう思わずにいられない。

数年前、やっと起き上がって何かひとつでもお正月気分を味わおうと向かった1月3日のスーパーで、『もう3日ですから、ないですね』と言われた時のダメージを私は未だに忘れられずにいる。

食べ物の恨みは根深いのだ…!

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