スペインバロック絵画~ベラスケス~
0.序16世紀後半のスペイン絵画においては、エルグレコに代表されるマニエリスム美術はもはや時代遅れとなり、カラヴァッジョ様式の伝播のもとに、現実的、自然主義的でドラマティックな新たな様式が芽生えてくる。17世紀にはジュゼペ・デ・リベーラ、フランシスコ・デ・スルバラン、アロンソ・カーノなど、いわゆるスペイン黄金世紀を担う画家たちが出現してくる。彼らの活動はスペイン絵画史上、様式上、美学上の画期的な大展開をしていく源となっていく。
その中でもベラスケスは彼らを統合する中核的な存在