よんよん

美術史の勉強と油絵を始めました。

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最近の記事

アクリル絵の具で描いてみました:題名「回想」

今回は下地の工夫をしてみたくて、アクリル絵の具で描きました。 1,下地を塗るキャンバスに下地としてモデリングペーストを塗りました。 下地はこれから描く顔の位置を考えて塗りましたが、少し偶発性も入ればおもしろいなと思い、ある程度はアバウトな塗り方にしました。 2,描いていく下地が乾いたら、キャンバス全体に紫色を中心に基盤となる色を置き、その上にアクリル絵の具で顔を描いていきました。 アクリル絵の具は、いつも使っている油絵の具とは違い、絵の具の乾く速度が非常に早いので、最初は

    • 私の油絵制作~「古典回帰」

      序「あなたが描いた油絵作品の制作過程を披露してください」というお声をいただいたので、素人の私ですが、工夫したことや、今回の収穫なども含めて、制作過程を書いてみます。 1.モチーフ今回は石膏像の「ジュリアーノ・メディチ胸像(ミケランジェロ作)」を描くことにしました。 「石膏像の硬質の感じと布のやわらかい質感が対比して描けたらいいな」と思いながら、自宅の壁に石膏像を吊り、その周りに布をまきつけました。(写真1) 2.色に関して青系でやや現代風に描こうと思いました。 少しずつ描

      • マザッチョ・ルネサンス美術の3要素確立

        1.  序 もう少し前にルネッサンスの幕開けとして画家ジョットについての記事を書いた。 そのあとに続く画家を調べていると、マザッチョ(1401年~1429年/サン・ジョヴァンニ・ヴァルダルノ生まれ)の重要性が浮かび上がってきた。 西洋絵画の歴史では、マザッチョに始まる15世紀絵画を初期ルネサンスと呼ぶ。 彼を創始者として、「現実に見えるがごとく表現する」というルネサンスの基本姿勢、つまり自然模倣あるいは現実再現を目指す試みが実現していったのである。 2.  「貢ぎの銭」

        • レンブラント~光と影・魂を描く

          序 レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン(1606年~1669年)は、17世紀オランダを代表する画家である。 そのころのオランダ絵画といえば、肖像画家、花の画家など、何らかの専門性に特化し、限られた分野の中で活躍していた画家がほとんどだった。しかしその中でレンブラントは、歴史、物語、風俗、静物、肖像、風景など、ほとんどのジャンルにおいて素晴らしい足跡を遺した異色の画家であったと言える。 私が特に心ひかれたのはレンブラントの「光と影の表現」と「人物の内面の表現」であ

          ルネッサンスの予告・ジョット

          序ジョット・ディ・ボンドーネ(1267年頃-1337年)の「荘厳の聖母」を見て、「これはそれまでの時代の絵画とは違う。どこが違うのだろうか」と思った。そこから私のジョット探索が始まった。 特に印象に残った作品を紹介させていただく。 三次元空間の出現中世キリスト教の絵画には、そこに描かれている対象に対して祈るのではなく、その向こうにある「霊的なもの」に思いをはせて祈る、ということがその時代の慣習であった。 画家は自分の個性を発揮してはならず、職人に徹し、イエス・キリストやマリ

          ルネッサンスの予告・ジョット

          ベリー公のいとも豪華なる時禱書(1413~16)/ランブール兄弟

          1,序彩色写本「ベリー公のいとも豪華なる時禱書(1413~1416)」は、ポール、エルマン、ジャンの3人兄弟―ランブール兄弟によって制作された有名な彩色写本である。 この美しくも麗しい写本について、制作者、時代背景、制作過程、そして各作品を見ていくことにしよう。 2,制作者・・・ランブール兄弟3人の兄弟は14世紀の末ナイメーヘン(現在のオランダ)に生まれた。兄弟の父は木彫家、母は職人の娘であり、叔父のジャン・マルエルも宮廷で盾や紋章の装飾に従事する者であった。ということから

          ベリー公のいとも豪華なる時禱書(1413~16)/ランブール兄弟

          中世キリスト教美術の創造性

          1、序ここ半年、美術史を学んできて、古代やそれを復興させたルネサンスについては、私の中である程度イメージができてきた。しかし、その間にある「中世」という時代は、なかなか見えてこない。そもそも「中世」とは、キリスト教の価値観に基づいて、統治者層と教会が支配していた時代であろうと思うし、美術の分野においても、制作者が神に捧げるために作品(建築や絵画、彫刻、写本、祭壇画、金属製品ほか)を制作した時代であっただろうと思われる。 しかし、中世の制作者たちも人間である以上、自らの個性や

          中世キリスト教美術の創造性

          フェルメール―17世紀オランダ

          1、当時オランダの社会的背景・美術市場 Ⅰ. 社会的背景とその絵画への影響 ●16世紀後半、スペイン・ハプスブルク家の支配下にあったネーデルランドの北の地域、つまり現在のオランダにあたる部分が、共和国として独立を果たした。この新生オランダ共和国は新教(プロテスタント)を奉ずることになる。新教は旧教(カトリック)と違い、聖像に厳しい態度をとっていたため、教会が宗教画を必要とすることはなく、また、独立後の社会の中心は王侯貴族ではなく裕福な市民層であった。「教会の事情」、「社会の

          フェルメール―17世紀オランダ

          スペインバロック絵画~ベラスケス~

          0.序16世紀後半のスペイン絵画においては、エルグレコに代表されるマニエリスム美術はもはや時代遅れとなり、カラヴァッジョ様式の伝播のもとに、現実的、自然主義的でドラマティックな新たな様式が芽生えてくる。17世紀にはジュゼペ・デ・リベーラ、フランシスコ・デ・スルバラン、アロンソ・カーノなど、いわゆるスペイン黄金世紀を担う画家たちが出現してくる。彼らの活動はスペイン絵画史上、様式上、美学上の画期的な大展開をしていく源となっていく。 その中でもベラスケスは彼らを統合する中核的な存在

          スペインバロック絵画~ベラスケス~

          イタリアバロック絵画~カラヴァッジョをめぐって~

          序カラヴァッジョの絵画には以前から心惹かれていたので、それを「イタリアバロック」という視点からももう少し勉強してみようと思った。 カラヴァッジョ絵画を、私なりに、 ● 対抗宗教改革運動 ●ルネサンスからマニエリスムへそしてバロックへ ● 静物画に秘められたもの という、三つの観点からまとめてみた。 対抗宗教改革運動まず、カラヴァッジョ「聖マタイの召命」(1600年)という絵画をみてみよう。これは「聖マタイの殉教」(1600年)とともに、カラヴァッジョの公式デビュー作である

          イタリアバロック絵画~カラヴァッジョをめぐって~

          ラファエル前派 探求の旅

          ■ 序かなり前のことだが、油絵の先生と一緒に「フランスとイギリスの絵画1817~1917展」というのを観に行ったときのことだ。 絵画は、ターナーやコンスタブルから始まって、時代の流れに沿って展示されていた。 順番に観ていったのだが、途中「ロセッティ/麗しのロザムンド」のところで足が止まる。中世の雰囲気を醸し出していて、時代が逆行したような気持ちになる。バックも緑色でケルト風、首飾りまでケルト風。中世の時代から抜け出ているような感じがあるのに、描写は十二分に写実的である。肌の

          ラファエル前派 探求の旅

          note初めの日

          今日はウッディ先生の講座で「note」について学びました。 全体像を説明していただいたあと、アカウント作り、投稿まで、 一時間でたどり着くことができました。 今日はテキストでの投稿でしたが、 これからさまざまな形で楽しみながら、活用していきたいと思います。

          note初めの日