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#よんなな朝の歌 ’24.5②

 内幕話を打ち明ければ今言葉を紡ごうとして気がついた、この週は安全地帯な1週間だった。カヴァー曲を含めて7曲、どの曲も憂いを帯びたように深く染み入る歌の数々に強く心を奪われる。
 安全地帯といえば、玉置浩二をフロントマンに据えた1980年代に活躍した伝説的バンドである。物心ついた頃にはガツガツと売る様なフェーズではなくむしろ、玉置浩二自身は役者の活動やソロでの楽曲を発表するような時期であった。ゆえに「ワインレッドの心」などはどちらかと言えば「その色の車」が通り過ぎた折に「運転手は玉置浩二でも好きなのかね?」とか言うジョークの道具にしていたくらい、自分の中では懐メロの世界にあるものだったように思う。
 そんな頃から時は流れて二十歳の頃だった気がするが、それなりに好意を寄せていた女性がいた。同学年の割に憂を含んだ唄が好きな人で、「恋の予感」をずいぶん所望されて唄ったものだ。自分は「誰かに影響されて音楽を手に取る」ことは昔からしない方なのだが、形として覚えることになった数少ない楽曲になった。
 正直に言えば、少しばかり「彼女の好きなものを取り入れて共通言語を得たい」という健気な感情を持ったというのが正しかったのだろう。若いころはそれなりに、自分から他人に合わせていこうという気持ちはなかった訳ではなかった、という気持ちはあったのだ。だから「必ずしも自分の琴線に触れぬ楽曲」をゼロから覚えることもできなくはなかった。しかしながら、そのようなアジャストの努力は霧消するように叶うことがないことも知る。彼女の好きな傾向の人間になろうとする行動は、どこかで破綻する。
 ゆえに、暫くは安全地帯を聴くこともなかったのだが、何も残らなかった良き思い出と引き換えに妙に上手く歌えるバラードが1曲手元に残ったのは、まあ皮肉と言えば皮肉な思い出でもある。その感情が消えた頃に改めて楽曲を聴いてみたら、実に珠玉だった。


2024.5.6 島谷ひとみ「悲しみにさよなら」

おはよんなな。今週は気まぐれに…カバー曲で綴る安全地帯などを。思い付きです。 2007年・島谷ひとみのカバーアルバム「男歌」より。原曲の玉置浩二の優しい歌い口から変わって、はっきりした曲調でまた聴きごたえがある。
午前6:47 · 2024年5月6日

2024.5.7 二宮愛「ワインレッドの心」

おはよんなな。安全地帯の歌に引き込まれるのは、そこかしこに漂う憂いだとか哀愁だとか。そして、歌舞伎の女形にも通じるからこその女性ボーカルのカバーが映える。哀愁とセクシーさが入り混じった、とてもいいカバーでした。
午前8:04 · 2024年5月7日

2024.5.8 Addiction Confetty「恋の予感」

おはよんなな。20年ちょっと前、当時の彼女が好きな歌だったなと。珍しく異性を嫌いになって別れた苦い恋のはずなのに、この曲だけはいい思い出で残っているんだよね。「全てを否定しない」、大事なことを教えてくれた曲。
午前5:37 · 2024年5月8日

2024.5.9 YOKARO MON「田園」

おはよんなな。朝から実家に帰るつもりが…少し寝坊してしまいました。これから2時間ほど走って原風景のある場所へ。実家は山間部だから田園はないけれど、郷愁をかき立てられるんだよな。 今日は、とってもクールなアカペラでどうぞ。
午前6:52 · 2024年5月9日

2024.5.10 赤澤駿一郎「碧い瞳のエリス」

おはよんなな。碧い瞳のエロス…になると洋物のピンク映画にありそうな題名で…バカは休み休み言えと。 玉置浩二のもの悲しい歌い方を、実に忠実に表現した秀逸なカバーで。ちょっと強めの酒を啜って聞き入ってみたいですね。
午前6:47 · 2024年5月10日

2024.5.11 りあ「君がいないから」

おはよんなな。喪失感に苛まれるというよりは、「あ、もう居ないのか…」という諦念もあるような響き。冬から春を超えて、初夏の風に吹かれながら「そんな時もあったよな…」と、小さく息を吐きながら思いに耽るように。そんな朝。
午前9:40 · 2024年5月11日

2024.5.12 森恵「あの頃へ」

おはよんなな。安全地帯の郷愁感、この曲に全部詰まっている。懐かしさと寂しさを全部、ここに全部詰め込んだ感じがもう、たまらない。美しいあの場所へ、いつかきっと連れて行きたい。最高の口説き文句だな、そりゃ浩二さん、モテるわ。
午前9:18 · 2024年5月12日


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