「ちらしずし」　はらまさかず

　今日は日曜日。
　でも、お母さんはパートです。
　「もっちゃん、夜のごはん、いっしょにつくろうか」
　「うん。お母さん、がんばってるもんね」
　「なにたべたい？」
　「お父さん、なにつくれるの」
　「もっちゃんの食べたいものなら、なーんでも」
　「じゃあ、赤とかピンクとかの」
　お父さんは、少し考えて、
　「ああ、おばあちゃんちで食べたやつか。あれは、ちらしずしっていうんだよ」
　「それ、つくれる？」
　「もっちゃんが手伝ってくれたらね」
　「うん、手伝う！」
　お父さんともっちゃんは、自転車にのります。
　もっちゃんは、お父さんのうしろです。
　「お母さん、よろこぶかなあ」
　「お父さんともっちゃんが、いっしょうけんめいつくったら、お母さんにとってそれ以上のものはないさ」
　お父さんが、ふふふとわらいました。