999ひきのきょうだい番外編1 「てるてるぼうず」 木村研
りょうくんが、てるてるぼうずを作って、
「あーした天気になーれ」
と、窓の外につるすと、かえるのお母さんが、
「こまるわ」
と、池からとびだしてきました。
りょうくんがびっくりしていると、
「だって、もう何日も雨が降ってなくて、子どもたちが、なかなかおたまじゃくしにならなくて、ほんとにこまっちゃう」
といって、池にもどっていきました。
池をのぞいてみると、すみっこのほうに、水がすこしあるだけで、その中にたまごがありました。
しかたがないので、りょうくんは、てるてるぼうずを逆さにしました。
すると、空が、ピカッと光って、雨がざーざーふりだしました。
だから、もう外ではあそべません。
それから何日かたって、かえるの卵から、ぞろぞろおたまじゃくしが生まれました。
999ひきのきょうだいです。
かえるのおかあさんは、大よろこびです。
「よかったね」
りょうくんは、てるてるぼうずに、
「明日は、ぼくのてるてるぼうずになってね」
と、お願いしました。
明日、天気になるのかなあ?
(作者のことば)
東日本大震災の時、福島の池は干上がって、モリアオガエルがおたまじゃくしになって落ちるとき、バケツを持って受け止めたという写真を見せてくれましたが、今は、人間がコロナウイルスの感染を防ぐために外に行けませんね。でも、かえるたちは元気です。自粛が終わって外に出られるようになったら、ぜひ、かえるたちに会いに小川や田んぼに行ってみてくださいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?