見出し画像

キャラ優先と話優先

 思い付きだけ書くとつぶやき一つで終わってしまう話なのに一本の話に引き延ばしてみる。小説や漫画など、ストーリーとキャラのある創作でのお話で、表題のテーマは聞いたことがあるだろう。
 それについてちょっとしたたとえを考えましたよ、というだけの話をする。ここではデスノートの二次創作を例にとってみよう。

キャラ優先

 例えば「夜神月」の外伝的なお話となる。デスノートが登場する必要はない。極端なことを言えば漫画のコマの吹き出しを入れ替えただけのネタ画像もこれに属する。このキャラクターの動く姿が見たい、というのがこの形の創作の昔ながらの表現となる。

話優先

 この場合は逆に「デスノート」のほうがメインとなる。デスノートに関わるキャラクタは夜神月である必要はない。この場合はギミック優先と言えばいいのだろうか。読み切り版「デスノート」と連載版「デスノート」なんかはちょうど話優先でのバージョン違いと言っていいだろう。
 こちらの場合、借りてくるお話が「ジャンル」だったり「大きく改変」されていたりするとオリジナルと呼ばれることもある。聖杯戦争ものはその中間だろうか。

 こと二次創作に話を限ると、話優先の二次創作にはもうちょっと極端なルートがある。ギミックレベルだけではなく話の内容そのものをたどる、という形だ。例えば「デスノートをめぐった夜神とLの対決」というライン自体は全く変えず、エピソードをいじるとか。

実際には混ざる

 もちろん、実際の創作は一次だろうが二次だろうが両方の部分を含む。
 一次創作であってもキャラクタ造形に全く借り物がないというのは普通考えられないし、お話についても同じだ。
 二次のほうではお手軽に両方の要素を含む二次創作として「クロスオーバー」というジャンルがある。キャラは作品Aから借りて、話は作品Bから借りるとか、もっと作品を増やすとか。

 逆にすべてが借り物であってオリジナル要素が全くない、ということもない。たとえMAD動画といった自分で作成した要素がほとんどないジャンルでも、「それをどう組み合わせたのか」という点では創作だ。この場合、法的に盗用であったとしても著作権まわりは関係ない。それを「正しい」ということではないけれど。

シーン優先

 ふと思ったが、「シーン優先」という書き方があったなあ、と。「このシーンが書きたい」から逆算してストーリーやキャラを作っていく。そもそも自分で書いた数少ない小説もそういう形で書いた。余談だが、この小説は私としては珍しく物理的に葬った程度にどこに出しても恥ずかしい出来である。

 それでも書き始めついでに懐かしいのでそのシーンだけ書いておこう。
 コントラクトブリッジではゲーム開始時にテーブルに斜めに遮蔽カーテンがかかり、これをスクリーンという。ビッドが終わり、最初の1枚であるオープニングリードが伏せて提示されるとカーテンが開かれる。
 カーテンが開かれると、リードを持ったオープニングリーダーの手首「だけ」があり、本人の体もディクレアラーの体も消え失せていた。
 このシーンだけはブリッジミステリ的にアリだと思うのだけれど、他が全部ダメでした。誰かコントラクトブリッジのスクリーンを使ったネタで書かないかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?