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「怒るひと、怒らないひと」
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スイスイ
1985年生まれ。元メンヘラ現100%リア充のエッセイスト。
現在cakesで「メンヘラ・ハッピー・ホーム」連載中。
サクちゃん
1978年生まれ。シングルマザーのクッキー屋。
娘のあーちんはほぼ日で連載中のイラストレーター。
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スイ:スイスイサクサク!
サク:よむラジオーーーーー!ひさびさ!
スイ:スイスイがメンヘラのことで頭がいっぱいでぜんぜんできてませんでした!!!(いい意味で)
サク:メンヘラのことで頭がいっぱいな時期が人生にあるなんて思わなかったよね。
スイ: 今回のテーマは!!「怒り」です。
あの映画の「怒り」はみてません。関係ありません。
怒らないサクちゃん、怒るスイスイ
スイ:サクちゃんは怒るときある?どんなときに怒って、まずどうなって、そこからどうするの???
サク:わたし、ほとんど怒らないんだよね。
スイ:まじかよ。自分の中に怒りの感情もうまれないの?
サク:え!っていう出来事があったとき、おどろいて、そのあとすぐかなしい、ってなっちゃう。
大事にとっておいたあんぱんたべられちゃった、え!なんで!かなしい…って。
スイ:相手にどうこうしよう、こんな言葉をあびせてやろう、こてんぱんにな!とか、相手にこの気持ちの仕返しをしてやろう!とか、相手とのあいだで何かを決着させたい!というきもちがなくて、自分だけのことにできるってこと?おいたべたやろ!なにしてくれとんじゃ!という段階がない。
サク:人に怒るか、状況に怒るかによるかもしれないけど、人に対して怒るときって、期待とちがうから怒るってことじゃない?自分が期待したこととか、自分が思ってたのとちがった、ってことに悲しくなるから、怒りは相手とのことじゃなくて自分のことにしてるかもね。自分があんぱんしまっておけばよかったな、って。
スイ:ああそうだねー。。。あとは、「自分を馬鹿にされた気分」「馬鹿にされたままではいたくないプライド」が着火剤になって燃えるしかなくなるときある。かなりある。
サク:プライドかー。「おまえの作ったあんぱん、まずいよ」って言われたとき、自分はおいしいと思ってたら、言った相手に怒らなくて「このひとにはおいしくなかったんだな」でおわりで、怒るときって、自分でもうすうすおいしくないってわかってるときで、図星というやつ。ホントのこと言われると怒るよね。はずかしい!みたいなことなのかな。あと、カッとなる、の状態はあるけど、すぐに冷めて、かなしいとかはずかしいとかになるかも。
スイ:わたしはまずカッと、相手のせいにしてるのかも!
でもほんとうは、サクちゃんの言う通り、自分自身の嫌な部分をそのままにしていた「自分」への怒りだな。なんだって。
サク:そうそう、だいたい誰かに怒ってるとき、突き詰めると、許せないのは自分自身なんだよねえ。
スイ:ちいさいころからそうだった?
サク:ともだちに対して怒るとか、あまりなかったな。意見がちがうときに自分が正しいと思って言い合いになることはいっぱいあったけど、それは怒ってはいない。
スイ:本質をつねに見極めていたんだね。。でもこれはなんかまた別の話にもなるんだけど、わたしの場合はなにか非日常のことがおこるのをいつも期待してたから、友達とかが嫌なことをしたりすると、怒れる機会に興奮してたかも。
サク:なんでわかってくれないのって泣いたりするかんじ。怒りじゃないよね。けっこう悲しみのひとなんだよねわたし。インサイドヘッド的に。
バカにしてきた相手への対処
サク:スイスイはどういうとき怒るの?
スイ:わたしは、繰り返しになるけどやっぱり自分がバカにされたときに最もおこるかも。仕事相手がわたしとの仕事を大事に扱ってなかったとか。
サク:失礼なことされたとき、怒って、相手に指摘するの?
スイ:これはでも、期待してるんだろうね。同じ熱で仕事したいとか。とくに、例えばチームでの仕事だと、制作スタッフとかの労力も関わるから、他の人が大変な思いをしてしまったりしたときは、めっちゃ怒る。自分だけのはなしな場合は、、ここ2、3年くらいはもう、わりと指摘しないかな。「このアホに時間使いたくない」っておもっていわなくなったわ。そしてやわらかに縁を切ってきた。
サク:前の会社でお店の苦情をたくさん聞いたりしてたんだけど、怒るきっかけはお店のミスとかなんだけど、ものすごく怒るひとはやっぱり「大事にされなかった」ってことなんだよね。
ああでも、仲間がバカにされたり迷惑がかかったら怒る、チームの役割として怒るとか注意するとかはわたしもあるかな。あのね、人のせいにする人に怒るかも。「人のせいにするな」はよく言う。そこは指摘する。「◯◯が△△だからできなかった!」みたいなことを言う人に「ちがうと思うよ」って言う。
スイ:さくちゃんって自分の気持ちを冷静に分析できるよね。分別。この能力にたけてるとおもう。エッセイストならみんな持ってなきゃいけないのかもしれないけど、わたしは、自分のことを考えてると、考えてる頭と、分析しないといけない対象の頭が同じ頭だから、幽体離脱に失敗したみたいになっちゃう。
サク:幽体離脱失敗w たしかにスイスイはよく幽体離脱してるよね。怒ってるときも「このほうがおもしろから表現として怒ってる自分」を真上から見てる感じとかある。真上に行けないときが失敗なのかな。
子育てにおける怒りのつかいかた
サク:こどもに怒るときはどう?
わたしの子供への怒りかたはむしろ厳しくて、子供がちいさいころは、キケンとか瞬時のアラート的な怒りかたもあったけど、それ以外は「わたしが不快だからやめて」か、「そういうことをすると信頼をなくして、自分にかえってくるからね」とか言ってた。約束を守らないとき「信頼が減る」って言われるの超こわいよね。その行動のリスクは、一瞬怒られることじゃなくて、全量が減るんだよって教えるの。だいぶ厳しいと思うわ 笑。
スイ:わかりやすい!わたし、コドモに対して、なんかどこかで、キケン、ひとに迷惑!な枠は怒れるんだけど、「わたしが不快」っていう項目で怒り切る自信ないときがある。
サク:それはわたしの性格かもね。でもこどもが小さいとき「わたしがやだから次からしないで」ってよく言ってた。「わたしはそのやり方はすきじゃない」とか。世間とかともだちはどうだか知らないけど、わたしがイヤなんだよって。
スイ:ここわたしが最も凡人たるところなんだけど、ぎゃーぎゃー泣かれて「まだあそびたい!」とかいわれるとき、「ふつうに会話して解決しようよ」、っていいながら、「ああ最近読んだ本に子供の泣くのはある程度自由にさせたほうがいいってかいてあったし、、」とか、めっちゃ脳内で情報に流される!笑! 子供に関してはもう全く感情のままでいられない!めっちゃ頭で、この言い方がいいのか、、、とか流行にながされる、、
サク:情報社会 笑。泣くのはもちろんいいけど、わたしがこどもの”アピール泣き”がすきじゃなくて、そのことを伝えてた。こどもに。「他の親は知らないけど、わたしは大きな声で泣いたら解決するということはないです」「むしろ逆効果なので、泣くことでおとなに言うこと聞いてもらうのはやめてほしい」「解決したい気持ちは同じだから協力し合おう」って。感情で泣くのはとめないけど、「泣き終わってしゃべれるようになったら言ってね」ってほっといてた。「泣くこと」と「解決」を別問題にしたくて。
スイ:サクちゃんに前それを聞いて、うちもそれをしてて、笑
泣くの逆効果だよっていいつづけてたら最近なかなくなってきた!ありがとう!
サク:くやしいとかかなしいで泣くのはいいけどね、それと解決は別だ!って。むしろ解決したい気持ちはわたしのほうがあるんだ!って言いたい。
スイ:でもベビザラスで、「それ意味ないよー」って無視してると白い目でみられるけど、自分で決めた方針貫くのだいじだね。。
サク:あさくん(スイスイ息子)えらいーーーー!なでまわしたい!解決できたときに褒めたおしてなでまわすと、こどももそのほうがいいんだってわかるよね。
スイ:わたしがかなり怒りの中で育てられたから、そうしたくないのもあって、このラジオではじめてきづいたけど、ほんと子育てだけ感情がとおくにあるわ、、
サク:おとなも、怒りと解決をいっしょにしてるのかも。
スイ:たしかに!
サク:怒った感情と、解決(静かにさせるとか)をごっちゃにしてるのかな。
スイ:それおおいとおもう!怒鳴り散らしても解決しないのにね。
サク:だいたい「つかれた」とかだよね、ふりかえると。「ごめん、つかれてて、まちがえてあーちんのせいにしちゃった」って何度も言ったことあるわ。
スイ:さくちゃんでもあるんだ!!
サク:そりゃあるよー!でも即言う。いまのちがったわ、って。2歳とかでもそう言うとわかってくれるよね。
スイ:わたし、まさに、昨日、これは2回目くらいなんだけどかなりめずらしく長男に怒りに任せて怒っちゃったのね、で、そのあと、これは徹夜しまくってるからだ、ときづいて、謝ったら、「大丈夫だよ、仲直りしよ?」って言われた。おとな、、!
サク:かわいい、、、!
スイ:2歳にもなればわかるよね。
サク:でも怒らないことより、それが大事だよね。なんで怒ったかわからないまま、この人は怒るひとだと思われちゃう。
スイ:理由をつたえるのはだいじだね。
サク:すぐ怒るひとのこと「じぶんの思い通りにしたいひとなんだな」って思うもんなー。
スイ:その思い通りにしたい欲って無意識にいろんな親がもちすぎてるとおもう。たとえば、新幹線で子供がずっとねてたとき、「ほんといい子にしててくれた」ってSNSに書く親がわたしきらいなんだけど、いい子、が、親にとって都合いい子、になってる感じある。
サク:たしかにたすかった!だけど、いい子っていうとモヤるね。
スイ:モヤる。思い通りにできる所有物だとおもってるのかも。うちの親がわたしのことそうおもってて思い通りにならないと未だに怒ってるし。
サク:わたしもそうだったなー。こどものころ「わたしはこんなに大変なのに!」って母が怒ってるの、知らんがなと思いつつ、かなしかったなー。
とはいえ、怒るほうがいいときもある
サク:でも、怒った方がいいときもあるんだよね。無理にでも。大事にされなかった!ってとき、ちゃんと怒った方がいいってある人に言われたんだけど、「自分がわるかった」って全部自分のせいにするから、怒れ!って。そのコントロールできるようになったら、無敵だなって。
スイ:たしかにさくちゃんはもう心が成長しすぎて自分でうけとめすぎなとこあるんじゃないかな?!
サク:性質としては自分のせいにしがちだから、いい面も悪い面もでるよね、そこに。怒らないけどそれってつめたさでもあるしね。他人のことを改善しようと思わない、怒ってあげない、というつめたさはあるなー。
スイ:怒ってあげないつめたさ!突き放しさ!でもそれも「いいひと」っておもわれちゃいそうだしね、都合のいい人って。
サク:だいたい、怒ってない=ゆるしてくれた と思われてるかもね。
スイ:たしかに!!!そんなことないということをここに宣言したい!
サク:宣言しなくていいよ、黙ってそっと離れるから 笑。
スイ:だからやっぱり冷静と情熱のあいだっていうのはタイトルだけはすごい学びの汎用性あっていい。
サク:冷静と情熱の分別、ほんとうに大事だよね。まぜるなキケン!だよ。
結局、怒りそのものがいいとかわるいとかじゃないからね。怒らない方がいいとかじゃなくて、「怒り」がどこからきて(感情)、どうしたいか(解決)わかったうえで、出すか出さないかはコントロールできるといいよね。
スイ:それもう仙人級だね。
サク:感情にふりまわされるのつかれるし、たのしいほうがいいよね。
スイ:怒りにかけたら怒りが可視化できて物として分類できてつかえたらいいのに、そんなファブリーズ、、
サク:脳内の怒りコントロール運転免許よ、、、
(今日のエンディング曲:UNICORN 「雪が降る町」)