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生かされている実感

一昨年の冬、同僚の伝手で漁船に乗せていただいた。
ヒラマサたちを相手に漁師さんが仕事をする間、同僚と2人で釣りをした。何匹か釣れた。サバと、おそらくカンパチだったと思う。
この写真は陸に上がる前、漁師さんが釣った魚を絞めてくれたときのものだ。

人によっては、この写真はショッキングに映るかもしれない。けれど私たちの生の根本は誰かを殺した上にある。

錦江町では魚をはじめイノシシ、タヌキなど生き物の命が終わる瞬間に立ち会う機会がしばしばある。野菜や花など植物の収穫も死に近しいことだと思っている。

大いなる自然の元、死の瞬間を目の当たりにするからこそ、その事態が無意識でも身近だからこそ、自分が生かされている実感がある。その上で「私は生きている」と思うと不思議と元気になる。生きる気力が湧く。

死に立ち会うことで生が輝くとはこういうことかも、と錦江町に来てからよく思う。

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