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与論島移住史『ユンヌの砂』南方新社

 錦江町の広報誌でも取り上げられているので読んだ方もいらっしゃるかもしれない。

 田代地区盤山は、与論島から入植された方々によって拓かれた地だ。
お茶の銘産地として有名な盤山。その裏側には与論の人々が乗り越えた壮絶な歴史がある。

 戦争と言うと、武器を持った命の奪い合いをイメージする人は多いだろう。この本を読むまで私もそうだった。
 戦争には様々な形があるのだ。例えば、食糧不足が原因の栄養失調、家族や友人の死、略奪。命の危険が目前に迫る日々が続く限り誰かの中で戦争は続く。

 ユンヌ(与論)の人々はふるさとから満州開拓のために海を渡り、敗戦を迎えて鹿児島へ。田代がお茶の名産地となるまで、人々がどんな経験をし、どんな思いをされてきたのか詳細に書いてある。

 ブログ執筆のために参考にしたのだが、あまりに悲しい記録に言葉が出なかった。

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