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『旅をする木』星野道夫

"私たちが生きてゆくということは、誰を犠牲にして自分自身が生きのびるのかという、終わりのない日々の選択である。生命体の本質とは、他者を殺して食べることにあるからだ。近代社会の中では見えにくいその約束を、最もストレートに受け止めなければならないのが狩猟民である。約束とは、言いかえれば血の匂いであり、悲しみという言葉に置きかえてもよい。''

 自然と文明の矛盾を教えてくれる。私たちが落としかけている大事なこと、たとえば命を頂いていること、頂き続けて生きていること…人が人であるために忘れてはならないことが静かに綴られている。
 私は恵まれすぎている。命をくれたものにちゃんとありがたみを持って生活しているか、周りのお世話になっている人へ心を持って接しているか等など、一節読む度に反省する。

 生きるのに本当に大切なことをいつでも振り返らせてくれる名エッセイ。こちらも私のバイブル。手元に1冊いつも置いてる。

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