夢の「マッカーサー道路」に思いを馳せる
このところ頻繁に訪れる機会のある虎ノ門エリアだが、むかーしサラリーマン時代に勤め先があったので思い出深い土地でもある。しかし、再開発ですっかり様変わりしており、地下鉄の駅から地上に出ると「いったい前の会社はどの辺だったんだっけ…」と思いつつも不透明なままでいた。それがつい先日、「いやいや、解明してみようではないか!」と思い立って調べたら、なんと虎ノ門ヒルズになっていた笑。
わたしが入社した頃は、新橋にあった自社ビルを売却して現在虎ノ門ヒルズがあるあたりにあった森ビルに会社機能を移していたのだが、そのときですら近くそのビルは解体予定であることを聞いていた。そもそも自社ビルの売却理由が例のあの、「マッカーサー道路計画」に当たるからという話であった。そして、移転したビルにおいてももれなくマッカーサー計画に該当するため解体前提で安く借りることができ、近い将来は別の土地に転居する計画がささやかれていたのだった。現在、とても利便性の高いエリアに転居した会社は存在している。さあ、「マッカーサー道路」だ。
「マッカーサー道路」は、東京都の東京都市計画道路幹線街路環状第2号線の異名で、詳細は例のごとくWikipediaから抜粋する。
都市計画道路のうち、2003年(平成15年)に事業化され、2014年(平成26年)3月29日に開通した虎ノ門から新橋に至る全長 1.4 kmの区間は、太平洋戦争後約60年間に渡って工事の着工が凍結されていた。
日本の降伏(1945年〈昭和20年〉)後、日本占領軍の一部隊・アメリカ軍が駐日アメリカ合衆国大使館から竹芝桟橋に至る幅100 mの大道路を計画しているとの誤解がなされ、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の最高司令官ダグラス・マッカーサーの名前から「(幻の)マッカーサー道路」としばしば俗称されてきたが、これは歴史的な事実に照らして全くの誤用であった。
そうなのだ、「まったくの誤用」!都市伝説のひとつだったわけだ。当時の自分たちは、その呼称の理由も何が計画されていたのかもわからないまま、移転予定の話題になると決まって「うちの会社があるビル、“マッカーサー道路”なんで出なきゃいけないんですよ」とまことしやかに答えていたものだ。笑ってしまう。いずれにしろ、何計画であろうが関係なく【解体→転居】の事実は変わらなかったわけなので特別支障はなかったが、この話題を口にするときのわたしたちにはどこか、国家の隠密計画に少し触れているような楽しさがあったと思う。
「まさか虎ノ門ヒルズになっていたとは…」。幾度も出入りしていてまったく気づかないのか!?と言わないでください。リアルでの知り合いはみんなわたしの致命的ともいえる方向音痴ぶりを理解しているのだから!…それにあのあたり、激変しすぎてまるで知らない土地みたいなのだから。
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