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防寒こそ愛

 今年最初の雨の夜は、11月末から実に40数日ぶりだとか。氷のように凍てつく雨だ。とっぷりと暗くなってから所用があって外に出ると芯から凍えるようであった。1年中アイスクリームを食べる自分もさすがに手が伸びず、大判焼き(冷凍)を買ったほどである。温めた熱いあんこが舌を焼くほどであろう、と想像するだけで胃の腑があたたまるような思いなどする。

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 防寒について。
 寒いのが本当に嫌で苦手なものだから、2月の雪が降るような確実に寒いときのために滅多にダウンコートを着ないようにしている。だって、こんな寒さレベルでダウンのあたたかさに慣れてしまったら2月に泣いてしまう。。一方でいったんダウンを着てしまうとずっと「もういいんじゃないか」として着続けてしまう傾向にもある。そうなるとコートの中はなんの工夫もない薄手もの、ボトムは細みのジーンズにロングブーツを合わせてしまえばもうどこにでも行ってしまう。着る工夫や楽しみは遠くに追いやられ、とにかく防寒と楽さに逃げていく。それなので大抵はウールコートを着まわすようにする。

富士山が見えて思わず拝む昭和生まれ

 この冬はもしかしたら初めて、ジョンストンズ オブ エルガンの格別さがわかったかもしれない。買ったときはあたたかさなんてどうでもよくて、大判ストールでぐるぐる巻きになったシルエットをファッションのスパイスにしたかったからだった。暑がりなので巻かずに手持ちにしていることが多かったかもしれない。ところが、この冬はぐるぐる巻きにしたりマントのように肩に羽織ったりすると、びっくりするほど暖かい。コートの中を薄手にしても、首から風が入らなければとても心地よい温度を保てるものだから、ジョンストンズで蓋をするとこれがもう鉄壁の守りを発揮するのだ。

 カシミアのマフラー、ストールがそれぞれサイズ違いであるのをコーディネートに合わせて使うのだが、比較するともうこれが段違いの暖かさ!なんでいままで気づかなかったのだろう…。もう本当に手放せない。

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 そしてピーコート。数年前、売り場にぜんぜんピーコートがなかったタイミングにどうしても手にいれたくて随分奔走した。今売り場に並ぶピーコートはけっこうファッション性が高いので、逆に求めていたのはこういう方だったかも…と思うのだが、当時原宿のSchott(ショット)で買ったのはバリバリのアメリカン。オリジンの海軍が着てるやつですよね?という。だからもう重いけどめちゃくちゃあったかいのだ。探し当てたときの記事に書いたように、なんだか異様にサイズを気にしてくれる人が選んでくれたものだからとにかくジャストフィット。自分の好みだともう少しゆったり着た方が今っぽいんだけど、コンパクトにフィットしている。

家の近所の建物の展望フロアから。遠くに富士山を望む

 ジョンストンズとピーコートがとにかく最強に防寒する組みあわせなもので、もう大抵どこに行くにもこれで行ってしまうようになった。あかん。
ガウンタイプのロングコートとか、もう面倒なんですよ。とても軽くて素敵なんだけど、さっと羽織って飛び出していけない。いろいろ合わせるのが難しくて、コートから出るボトムのバランスとかやっぱり考えてしまう。

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 そんでこの冬最高に良かったのが「マタギの服」と内心で呼んでいる、毛足の長いフェイクのシャギーファーのベスト!これが使い勝手とあたたかさ、さらにコーディネート上手で驚く。タートルネック着たらマタギをオン。ビッグシャツ着たらマタギをオン。綿のコートの上から羽織ってもなかなか良い仕事をするマタギの服。しかもあったかいんだからすごい活躍だ。

 マタギの服のときは足元は絶対ブーツです。ロングでもいいしサイドゴアブーツでも、レースアップでもばっちり。不思議と本物のマタギに寄せてるような組み合わせだけどなぜかきまる。まさにこういう感じ。

 あと当たり前だと言われそうですが、帽子のあたたかさもこの冬初めて実感してまして。仕事以外ではもっぱら頭に何か載せるようになりました。ポンポンのついたニット帽やベージュのベレー帽、ツイードのハンチング。髪を切ったら帽子に抵抗がなくなった。この調子ならいつかは萬田久子氏のようなハットもトライできるかもしれない…!
 あけましておめでとうございます。服の話して一個も関連画像なくて手抜き記事で本当に恐縮です。

 

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