ひとつ屋根の下のクロマニョン【LINE】
2024年7月から発行される新紙幣を改めてじっくり眺めながら、思うところがあったので妹にLINEする。
<以下、わたしと妹のLINEの転記>
「全員、思春期の子どもが集合写真にうつるときの顔してる」
「笑笑笑笑笑」
「ねえ昨日さぁ、ダンナがふくらはぎに火傷作ってたから『どうしたの?』って聞いたら『蚊に刺されが痒いからバーナーで焼いた』って言われた」
「どうして?www」
「蚊に刺されたとこに熱いスプーンを当てたら痒みが消えるのを思い出してやったらしい。限度あるやろ。キングダムとかの人なの?」
「野戦病院の処置。めっちゃ笑った」
「わたしはクロマニョン人か何かと暮らしてるのか?」
「火傷のほうは大丈夫なんですか?」
「知らない。爛れてて不快だから見ないようにしてる」
「じゃあこれみて。今日のミツ。仲間だと思ってそうでかわいい」
※ミツは猫の名前
「めちゃくちゃかわいい」
「ちょうど同じくらいの大きさなのが芸術点高い」
「はぁ癒される。私もミツと暮らしたい」
「足をバーナーで焼くクロマニョンとの生活も楽しそうだよ」
「いきなり足をバーナーで焼くクロマニョンとは、友達の友達くらいの距離感がほしい。その距離感があれば楽しい。同じ洞窟では暮らせない」
「正論」
「ハチワレとだったら洞窟で暮らせそうだけど」
※ハチワレ=ちいかわのキャラクター。洞窟で暮らしてる
「ささやかな幸せと希望のなかに生きているちいかわ」
「こないだ、三ツ星レストランの料理を食べ損ねたハチワレが『いつか食べてみたいね、三ツ星。やりたいこと、いっぱいある…!ふふっふふふっ』って嬉しそうに笑ってるの見て泣いた」
それは泣いちゃう。とすぐに妹の返信がついたので「泣いちゃうよね」と打っていたら、脳内再生された該当のアニメーションのせいで思いがけず涙があふれて、本当に泣きながらLINEを返す多感なクロマニョン妻。