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【アート鑑賞】 エドゥアール・マネ 《オランピア》
エドゥアール・マネは「印象派の先駆者」、あるいは「印象派の父」と呼ばれてきた画家です。
モネやルノワールといった印象派の画家たちと近い存在でしたが、「印象派展」には参加せず、国が主催する公募展「サロン」に出展し、「サロン」での評価にこだわりました。
1865年(元治元年~慶応元年)、マネはサロンにこの「オランピア」を出品したところ、騒動を引き起こしました。
それは、マネが描いた裸の女性が「人間」だったからです。
これ以前にも、女性の裸の姿はたくさん描かれていました。
でも、そこで描かれていたのは、ヴィーナスなどの神話の女神でした。
現実には実在しない女神などの裸はOKだったのですが、マネはそうした絵画の「伝統」を破ってしまいました。
また「オランピア」という名前自体が娼婦の源氏名だったことも、騒動を大きくしました。
マネは実在しないものを描くのではなく、実際に自分の目で見た現実を描いたといえます。
その姿勢は、印象派へとつながっていきます。
そのため「印象派の先駆者」「印象派の父」と呼ばれているのです。
《オランピア》は現在、オルセー美術館にコレクションされています。
これからも、アート作品をたくさん鑑賞してまいりましょう!
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