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俺の人生を狂わせたゲーム、スーパーロボット大戦Wの話をさせてほしい

 私の人生には、明確に「これは俺の人生を狂わせたゲームだ」と思うタイトルが一本存在する。

 それが、『スーパーロボット大戦W』である。

 もう、こいつのせいで人生のレールが切り替わった。
 このゲームがなければ、全然違う人生を歩んでいたかもしれない。

 スパロボWを初めて遊んだのは、小学一年生の時。そう、それまでDSのマリオやポケモンしか遊んでいなかったのに、なぜかうっかりスパロボWを遊んでしまったのだ。この選択で、明確に人生が壊れた。

 だけど同時に、生涯最高のゲームだと思う。未だに「好きなゲームは?」と聞かれると、真っ先にスパロボWをあげるくらいには。今回、そんなスパロボWの話をしようと思う。超絶自分語りだけど、どうぞよろしく!!


出会い

 改めて、「スパロボWと私の出会い」について書いてみる。

 小学一年生の頃、ちょうどポケモンのダイヤモンドをクリアしたあと、私は実家の近所にある「WonderGOO」に来ていた。WonderGOOて!! まだ「店頭でゲームソフトを買う」ことがギリ当たり前だった時代ですね。

 その店頭で見つけたのが、スパロボW。
 なんか、本当にうっかり、いわゆる「パケ買い」をしてしまった。

 この「なぜ買ったのか」の記憶があやふやなので断定はできないのだけど、そもそも私が「ロボットが好きだったから」というのは明確にあると思う。特に、パッケージにいるブラックサレナに惹かれた……気がする。

 で、家に帰ってDSでゲームを起動してみる。
 もう、なにもかもが衝撃的だった。

 これは何度でも言うのだけど、当時の私は「小学一年生」だ。やったことあるゲームなんて、せいぜいマリオ・カービィ・ポケモン・ムシキングくらいなものだ。そこに、いきなり『スーパーロボット大戦』を浴びた。あの瞬間、私の人生はぶっ壊れたのだと思う。

 もう「どれが」とかでなく、「すべて」に興奮していたと思う。

 第1話から出てくる主人公機の「ヴァルホーク」。 
 飛行形態と人型形態の変形機構を持ったロボット。いま思い返してみるとロボット的にはレギュラーな感じだけど、マクロスもZガンダムも知らない当時の私からしたらすごい衝撃だった。なんてカッコいいんだ!!

 いや、でもね、俺の中の「一番カッコいいロボ」はいまでもヴァルホークですよ! ヴァルホークは一生オレの中の最強ロボですよ!! レディプレイヤー1だったら間違いなく「ヴァルホークで行く」って言いますよ!!

 で、特にガッチリ心を掴まれたのが「デスサイズヘル」を筆頭にしたエンドレスワルツ勢。その中でもデュオとヒイロはゲーム最序盤から登場するんだけど……当時の私にとってなにがヤバかったかって、「そもそもこんなガンダムいるなんて知らない」状態だったんです。

 つまり、マジに「ガンダム?白いやつ?アムロ?」みたいな認識のガキが、いきなりゼロカスとデスサイズヘルを浴びてしまった。当時『ガンダム00』は放送されていたかもしれないけど、それすらよく知らないまま、いきなりゼロカスとデスサイズヘル。人生壊れる~~~~!!!!!!!!!!

 だからもう、あの時の私はDSのオシャレ魔女ラブandベリーにハマっている母親を尻目に、「うおおおおお!デスサイズ!!うおお!!!!!」「この羽生えてるヤツカッコよ!!ガンダムって羽生えてるんだ!?!?」と鼻血が出そうなほど興奮していた。だからオレの中の「カッコいいガンダム」って、未だにデスサイズなの!! もうアニメ超カッコいい!!!

 そして何より、スパロボWの「Last Impression」が超絶カッコいい。あのデケデケデケデケ!!!!!!みたいな怒涛のイントロと、携帯機特有のアップテンポアレンジ。いまでも、仕事が忙しい時に流す。あのヴァルホークとエンドレスワルツ勢の「冒頭」が、スパロボWはホント最高!!!!!

 だから、そもそもの話をしてしまうと、「これはロボットアニメがたくさん出演しているゲーム」ということも理解してなかったんです。要は、ナデシコもフルメタも、普通にオリジナルキャラだと思ってました。ていうか、「これがオリジナルなのか原作アリなのか」もよくわかってなかった。

 つまり、みんな「スパロボWのキャラ」だと思ってました。

 そして後年、小学校3~4年くらいの時に近所のツタヤで『機動戦艦ナデシコ』が貸し出されているところを発見して、「えっ、スパロボWのナデシコだ!?スパロボWってアニメ化してたの!?うん?ナデシコって単体で作品だったの?え、つまりスパロボWって全部別々の作品だったの……?」と、スパロボというゲームの構造に気づいたような記憶があります。

 あれもすごい衝撃でした。つまり俺があんなに熱狂していたロボットそれぞれに、全部元作品があったのだと。後からじわじわ「えっ、ガオガイガーとゴライオンも、テッカマンブレードとオーガンも別の作品ってこと……?」と、困惑が上回ってきた。これは一部スパロボWが悪いと思う。

 で、なぜここまで自分の中でスパロボWの存在がデカくなっているかというと、シンプルに「マジで何も知らない状態でロボットアニメ十数本の物語を味わってしまったから」だと思います。

 これは、いまから新作のスパロボを遊んでも絶対に味わえないと思います。なぜなら『SSSS.GRIDMAN』や『水星の魔女』も見てしまっているし、どんな作品でもある程度あらすじなどは耳に入ってしまっているから。

 そもそもガオガイガーが勇者ロボなことも知らず、マジンカイザーがどういう機体なのかもわからず、フルメタやナデシコがどんな展開を見せるのか、マジで微塵も知らないまま、あの十数本を一気に味わう。もう、物理的に不可能なことなのだ。「不可逆の感動」とでも言えばいいのか。

 たとえば、私はダイパを初めてプレイした時、最初に手に取ったナエトルがハヤシガメになり、最終的にドタイトスに進化したことに、結構グッときた。たぶんアレは、「ナエトルがどういう進化をするのか」を一切知らなかったからこその感動だったと思う。

 そして私は、スパロボWで「ガオガイガーがガオファイガーになり、最終的にジェネシックガオガイガーになる」ところを初見で味わってしまったのだ。ナエトルからのドダイトス、ガオガイガーからのジェネシックガオガイガー、知らないからこその衝撃だったんだ!!

 それで言うと、私がスパロボWで最も感動したのは、「ヴァルホークとヴァルストークが合体してヴァルガードになり、さらにアルムストラとアルムアルクスが合体してヴァルザカードになる」というあの流れ。アレ、小1で喰らったんだぜ? ヤバくね? 人生壊れるに決まってんじゃん!?

 だからヴァルザカードが初めて出た時、リアルに「わ、わ、わーーーーーーーーっっっ!!!!!!」って猫屋敷まゆみたいな声上げてたと思う。てか、そもそも前段の「ヴァルホークとヴァルストークが合体してヴァルガードになる」の時点で激アツなんですよ。でもその一段上があるんだよ!!

 自分の中にある「熱さ」の原点は、確実に、いやもう間違いなく「ヴァルザカード」だと思います。これまでのすべてと、敵だと思われていたアルムアルクス(アリア)との合体。そして爆誕最強の家。もう、これを小1で摂取できた人生を光栄に思う。人類の創作史に感謝。

 そしてスパロボWは、「二部構成」なのもいい。
 主人公カズマの少年期を描く第一部と、その後を描く第二部。もう、全部が「そもそも創作物に慣れていないがゆえの衝撃」になってしまうけど、あの「二部構成」も、私にとっては初体験でした。

 つまるところ「今まで見ていたものが、一気に時間が過ぎ去って、大きく変わった話が始まる」という物語構成そのものの初体験を、スパロボWに奪われてしまってるんですよ。なんて罪なゲームなんだお前は!!!!!!

 だから、「ゲームで初めて感動したのはなにか」と言われたら、これも多分スパロボWです。ロボットアニメ十数本分の展開と、ヴァルザカードと、二部構成のシナリオ。全部初体験だったから、もう嫌でも忘れられない。人生を破壊するには十分すぎる火力でした。



スパロボWと、私の成長

 私、基本ゲームは「周回しない派」なんです。
 理由は超シンプルに、同じゲームを何回も遊んだところで、あまり楽しいと思わないから。だから、ローグライクのタイトルもそこまでハマらない。

 でも、スパロボWだけは人生で3周したことがあります。
 しかも、綺麗に「小学生」「中学生」「高校生」と3段階にわけて、3回遊んだことがあります。いまから、その話をします。


小学生(1周目)

 さっきも言った通り、そもそも初プレイの時は「スパロボ自体が初体験」でした。そして、「ストーリーがあるゲーム」にも慣れていなかった。ドラクエ9より先にスパロボWを遊んでしまったんです。変なガキですねー!

 なので、信じられないかもしれませんが、1周目の時はストーリーを全部飛ばして遊んでいました。うーん、漢字が読めない! 難しい用語ばっかりでよくわかんない! とりあえずカッコいいロボットが見れたらいいや! という感じで、会話パートは全スキップでした。小学生って怖い。

 でも、ある程度は理解できたんですよね。
 別にストーリー読み飛ばしててもゴライオンのメンバーからひとり脱退したのはなんか理解できたし、劇ナデのアキトがヤバいことになってるのは感覚で理解できた。ストーリー全スキップの割に「初めて感動したゲーム」とかエラそうに言い張れるのは、このへんが大きいです。

 だから、「スパロボのシステム」もよくわかんないまま遊んでたんです。

 これ、割と胸を張って言い張れるのですが……スパロボWって武装をほとんど強化しなくてもクリアできるようになってるんです。当時の自分は「機体改造」のシステムを理解しておらず、やたら機体のHPばかりゴテゴテに盛り、武装を一切強化しなかった。

 そのせいでクリアするまでリアルに半年くらいかかったのですが、それでも最後まで行けました。マジンカイザーとジェネシックガオガイガーとヴァルザカードがいれば大体どうにかなる。よく「スパロボWは簡単」と言われるらしいけど、「小1がクリアできる難易度」と考えると、結構すごい。

 しかも、使う精神コマンドも「ド根性」ばっかりでした。多少「不屈」と「閃き」は使ったかもしれないけど、基本「ド根性」ばっか使ってました。

 なぜか?

 小1の小さい脳みそには「HPが全回復する」ことがなによりも重要に見えていたから。まぁ、正直今となってはなぜあんなに「ド根性」ばかり使っていたのか正確に思い出せないけど……ダイパの「とりあえず“すごいキズぐすり”を使えばなんとかなる」という感覚を引きずっていたのかも。


中学生(2周目)

 中学生の頃、ヒマすぎて2周目を遊びました。
 いや……絶対誰でもあるじゃん? 「なんか遊ぶゲームがなくなって、急に昔ハマってたゲームを掘り出してくる」アレ。自分はその対象がスパロボWでした。そして、2周目も変わらず超楽しみました。

 そして、2周目でようやくストーリーをちゃんと読み始めました。あんなに「生涯最高の1本」だの「魂のゲーム」だの言っておきながら、中学生で「うおお、スパロボWってこんなストーリーだったのか……!」と感動しているという。なんか、バカな学生ですねー。

 オマケに、「精神コマンド」「機体改造」も理解しました。
 流石に、中学生時の2周目で「うわっ、ド根性とHP改造しか使ってない小学生の俺アホすぎる……ドダイトスにリーフストーム覚えさせてたのと同じやん……」と絶望したのは未だに覚えています。


高校生(3周目)

 この時、なぜ「またスパロボWをプレイしたのか」は結構明確に覚えていて……たしかこの頃に出た『スパロボV』で、またスパロボ熱が再燃したんですよね。そこでまたスパロボWを遊ぶという。

 ここまで来ると、逆に「スパロボWがシリーズの中でも結構エッジの効いたタイトルチョイスをしていること」にも気づいてきました。多少はロボットアニメに対する知識がついたから、「いや、SEED勢よりアストレイ勢が主役っぽく描かれてんのすげえな」とか、改めて感動しました。感動?

 加えて、とうとう「MAP兵器」を使いこなすことにも成功しました。私、高校生でようやく「テッカマンイーベルのリアクターボルテッカやべええええーーー!!!!!」と叫びました。ここまで9年かかってんだよ。

 逆に、ここまでの9年間で一切テッカマンイーベルのリアクターボルテッカに頼らずスパロボWを二度も攻略したことを誇りに思う。でも、リアクターボルテッカで無双した3周目が一番楽しかった気もする。

 つまりこれ、何が面白いかって、我ながら「歳を重ねることによるゲームそのものへの理解度の上昇」を、スパロボWを通じて体感しているんです。

 ポケモン→ドラクエ→FFと段階を踏んでもいいところを、スパロボW(ド根性)→スパロボW(改造アリ)→スパロボW(リアクターボルテッカ)と、たった1本でどんどんレベル上げしてるっていう。スパロボW、どれだけ奥が深いゲームなんだ。1本でポケモンとドラクエとFFに匹敵する。

 そして、3周全部を飽きもせずに楽しんでしまった。
 たぶん、いまからもう一周してもフルに楽しめると思う。どうしよう、マジで老後は3ヶ月に1回スパロボWを周回する気狂いジジイになってたら。でも、そのくらい、いつ遊んでも初見と変わらず楽しめる気がする。

 もう、超絶「思い出補正」だとは思います。
 だけど、そのくらい私にとっては色褪せないタイトルです。


参戦作品の思い出

 ここからは、各参戦作品の話をします。
 本当にロボットアニメ知識ゼロの状態で遊んだので、各作品もいろんな意味で思い出深い。そういう感じの話をします。


SEED&アストレイ

 スパロボWのせいで、SEEDの主役ってしばらくロウ・ギュールと叢雲劾なんだと勘違いしてました。いや、「主役」とまでは思ってなかったかもしれないけど、普通にメインキャラはキラ・アスラン・ロウ・劾なんだろうと思ってました。全然違ったわ。

 そして後年、『SEED ASTRAY』がだいぶ特殊な立ち位置の作品であることを知り、「えっ、ロウと劾ってそんな感じなの……俺にとってはレッドフレームが最強のガンダムなのに……」と謎にショックを受けました。

 そういう意味で、ついさっきした「ガンダム知識ゼロの状態で見てしまったデスサイズの衝撃」と同じように、150ガーベラストレートにもすごい衝撃を受けました。たぶん、「ガンダムってデカい日本刀振り回してもいいんだ!?」とか思ってたはず。

 だから、未だに「好きなガンダム(作品)は?」と聞かれると、真っ先に浮かんでくるのはWとアストレイです。世代的にはダブルオーか鉄血あたりなんだけど、私は圧倒的にWとアストレイです。


ナデシコ

 これは断言できるのですが、私はスパロボWのせいで、人生で一番最初に好きになった女性キャラがミスマル・ユリカです。もしかしたら当時テレビでやってた絶対可憐チルドレンもワンチャンあるかもしれないけど、より強烈に残ってるのはミスマル・ユリカです。

 ユリカのどのへんが好きなのかって?
 「感覚」だろ!! 小学生だったんだから!!!

 ナデシコでグラビティブラストを撃つ時に一瞬だけカットインしてくる、あのユリカの絵にキュンとしてました。ルリには一切興味湧かなかったです。その点、いまでもロリにはピンと来ないことが多いので、「ルリより、断然ユリカ派」は私の人格形成に多大な影響を与えているかもしれません。

 あと、多数の参戦作品の中でも、特にナデシコが好きでした。まぁ初見の時は原作なんて知るわけもないから、ちょっと本編とはズレるかもしれないけど……なんか「コメディチック」で好きだったんですよね。

 他のガオガイガーやテッカマンはどうしてもシリアス寄りになってくるけど、ナデシコのキャラは結構ふざけてる感じで好きでした。だから、余計に第二部から劇ナデの話に移るところで大ショック受けてたんすけど。

 ってか、それで言うと二部からユリカが消えるのも結構ショックだった。「え、あのナデシコに何があった!?ブラックサレナって何!?」の衝撃を、全部スパロボWで味わってしまいました。うーん、つくづくこれは二度と再現不可能な楽しみ方ですね。他のゲームと「厚み」が違ったんすよ。


フルメタ

 フルメタもナデシコ同様、「ちょっとコメディっぽい感じ」が好きでした。あと、もしかしたら人生で二番目に好きになった美少女がテレサ・テスタロッサの可能性もあります。人生、狂わせてるでしょ?

 逆に、フルメタは後年驚いたことが多くて……「みんなスパロボWのキャラだと思ってた」と言ったように、私の中のフルメタって「機体がアーバレストの頃」で完結してたんですよ。

 で、後になってレーバテインなる後継機があるのを知り、「ええっ、フルメタってあの続きがあるのぉ!?」と腰を抜かしました。本当にスパロボWのせいで脳内ライブラリーがめちゃくちゃにされています。

 「勝手に完結したと勘違いしていた作品に、後年続きがあることを知る」という体験、もう人生であんまりできない気がする。


テッカマンブレード&オーガン

 あまりストーリーを気にしていない小学生ながらに、テッカマンの悲惨な感じは結構伝わってきてました。なんか、シンプルにテッカマン周りは「怖い」と思ってた気がします。ラダム獣も気持ち悪いし、人が変身して戦ってるのもかわいそうだし……テッカマン、怖い!!

 あと、序盤はテッカマンのカッコよさがよくわからなかったです。
 ちっちゃいし。これもシンプルに、ロボットが好きだった私は「もっとゴテゴテしたやつ」が出てくると思ってたのに、なんかちっちゃいヤツいるんだけど……とか思ってました。打たれ弱いし、撃墜されたらゲームオーバになりがちだし、「ブレード情けねぇ!!」とすら思ってたかも。

 でも、第二部でブラスター化してから、めちゃくちゃカッコいいと思うようになりました。あのブラスターボルテッカのアニメとか、ずっと感じてた「テッカマンの怖さ」が、そのまま「テッカマンのカッコよさ」に変換された気がして、たまらなかったです。

 あと、テッカマンと合わせて出がちなオーガン……これ、後年スパロボWの参戦作品に原典があると知る中で、「お、じゃあオーガンも結構人気なのかな?」とか思ったんです。想像以上にニッチ寄りな作品だった。

 いや、これなんでそんな勘違いしてるかっていうと、スパロボWのオーガンって結構「鳴り物入り」で出てくる雰囲気があるんですよ! これわかる!? 遊んだことある人は理解してくれるよね!?

 戦闘中にいきなり乱入してくる感じといい、正式加入が結構待たされる感じといい、なんか「あの大物、オーガン」みたいな空気出てるんです! だから、オーガンがすごい大人気作品なのかと思ってました。

 ちなみに私はアーキタイプverの方が好き。
 あっちの方がカッコいい。


ゴライオン

 ……ってか、「想像以上にニッチ寄りだった作品」で言えばゴライオンがぶっちぎりですよ!! こっちに関しては、昭和のロボットアニメでは本当にマジンガー、ゲッター、ゴライオンくらいの人気順なのかなとか思ってました。幻の御三家。バンプレスト許せねぇ。

 あと、これって「戦隊ロボ」なのかな? ……とも思っていた気がします。当時の私の中にある「ロボットのイメージ」ってやっぱりスーパー戦隊が中心だった気がするので、そことドンピシャな見た目なんですよね。百十戦隊ゴライジャーみたいなのがあり、そのロボット……みたいな。

 バトル面で言うと、「5人分」の精神コマンドが使えるのがかなり心強かった記憶があります。ド根性使い放題。十王剣が腕のライオンからニョキって出てくるところに結構興奮してた。ギブアップせい!


ゲッター

 全国のゲッターファンのみなさんを敵に回しそうですが、初見の時めちゃくちゃ「ゲッター使えねぇ!!」と思ってました。すいません、いまから理由を説明します。私だって「ゲッターが弱いわけないだろ!!」と思うよ。

 これは、ついさっき説明した「機体改造と精神コマンドのシステムをよく理解していなかった」のアオリを明確に受けたからです。

 まず、ゲッターってスパロボWでは機体乗り換えがないんです。

 だから、素のままだと結構打たれ弱い。適当に動かしても大暴れするマジンカイザーやガオガイガーと違い、そこそこパーツや改造で補強する必要がある。そこを理解していないので、私のゲッターの認識は「避けもしないしダメージもやたらと喰らうデカブツ」という感じでした。

 そのへんをどうにかするために竜馬の「不屈」、隼人の「閃き」などがあるはずなのに、私は弁慶の「ド根性」ばっかり使っていたという。アホです。だから、どっちかっていうとゲッター2の方を使ってました。意外とアレ回避率高いんですよ。少なくともゲッター1より避けてくれる。

 そして後年、スパロボ及びロボアニメ史における「ゲッター」の偉大さを知り、あの日の私はとんでもない無礼を働いていたのではと怯える日々を過ごしてきました。今日、ようやく告解できました。


マジンガー(マジンカイザー)

 強すぎる。
 もう、ただただそれだけ。小学生ながらに「マジンカイザーだけなんか異常だろ」と感覚で理解していたくらいには、圧倒的。とりあえずターボスマッシャーパンチ飛ばしてたらみんな死んでく。どうなってんのこれ。

 で、これものすごく「細かすぎて伝わらないスパロボW」かもしれないんですけど……しばらく最強技の「カイザーノヴァ」をどこで発動するのかわからない時期がありました。

 「どういうこと?」と思われるかもですが、マジンカイザーって全部の武装を獲得すると、多分スパロボWで唯一武装リストが「2ページ」になるユニットなんです。つまりカイザーノヴァを撃ちたいなら、方向キーを右に入力して、2ページ目に書かれてるカイザーノヴァを選ぶ必要がある。

 でも、あの時の私は「2ページ目」があることに全く気づかず、ずっとカイザーノヴァのひとつ前の「ファイナルカイザーブレード」を最強技として使ってました。なにこのエピソード?????

 そして、どっかのタイミングで方向キーを間違って入力して2ページ目があることを発見し、「カイザーノヴァってここにあったんだ!!!!!」と横転するという。頼むから誰か共感してほしい。


アルムアルクス

 ガンダムWとガオガイガーは散々話したので割愛するとして、どうしても書いておきたいのが、「アルムアルクス(アリア)」のことです。

 このアルムアルクス、我が人生において「最も衝撃的だったゲームイベント」のひとつかもしれないと思ってます。このへん記憶が曖昧なので、一部間違ってるかもしれないのですが……たしかアルムアルクスが本格的に登場するのって、ストーリー的に「1部から2部に切り替わるあたり」なんです。

 あの「アルムアルクスが初めて出てきた時」が、自分にはとんでもない衝撃で……まず、ひと目で「これは明らかに異質な存在だ」と気づきました。いわゆる「スパロボオリジナル」と「原作アリ」の区別がついていない中でも、「なんかこれヤバそうじゃない?」と理解できた。

 そこから流れ始める専用BGMの「Soul Stranger」。
 これ、マジでカッコいい!!!!!!!!!!!!!!

 デケデケ!デケデケ!デデデデデ!!みたいなイントロから入って、ちょっと寂しくも儚い感じのサビに突入する。そして繰り出されるアルムアルクスのゴリゴリに気合入ったアニメーション。小学生をシビれさせるには十分すぎる火力です。ってかオーバーキルです。

 私はこれでも「ゲーム音楽」に結構こだわりがあるタイプなのですが、「一番好きなゲーム音楽は?」と聞かれたら、真っ先に「Soul Stranger!」と即答するくらいに好きです。ゲーム音楽に心を揺さぶられた原体験が、アルムアルクスにある気がする。

 そんな演出周りとか、「なんか明らかに物語が動こうとしているぞ!?」という不穏さとか、極めて異質なカッコよさなどを含めて、アルムアルクスの存在は絶対に忘れられません。

 なんか、ゲームとかコンテンツとか作ることがあったら絶対にアルムアルクスみたいなことしたい。「アルムアルクスみたいなこと」ってなんだよって感じかもですが、あの「いきなりすごいのが出てきた」感をもっといろんな人に味わってほしい。スパロボWやってない人、絶対やってください。


永遠に「スパロボW」を追い続けている

 割と暴言かもしれませんが、スパロボWの話をしていると、「俺はスパロボが好きというより、スパロボWが好きなだけなのでは?」と思えてくる。あながち間違ってない……っていうか、多分そう。

 もちろんスパロボVやスパロボ30も好きだけど、どちらかというと「己の中にある“スパロボW”に匹敵する何か」をいつか味わいたくて、スパロボを買ってる気がします。永遠にスパロボWの幻影を追い続けている。

 まぁ、そのくらい人生を狂わせてしまったゲームです。
 本当に何の誇張もなく、「小学生でこのゲームと出会っていなかったら、もっと違う人生を歩んでいたかも」と思います。別にオタクになってないかもしれないし、ここまでゲームにどっぷりハマる人生じゃなかったかも。

 あの時デスサイズヘルに衝撃を受けなかったら、あの時ジェネシックガオガイガーに感動してなかったら、あの時ミスマルユリカに恋してなかったらと考えると、現在と全く違うルートを歩んでいる気がしてならない。

 あの時スパロボWを遊ばなければ、本当に、小学校の友人とのんびり『どう森』を遊んだり、中学で部活に励んだり、大学でサークル活動をしたり、サラリーマンとして家庭を築いたりしていたのでは……? スパロボWのせいで、明るい未来が全部めちゃくちゃになってしまったのでは?

 とにかく、冗談抜きにスパロボWは「人生の特異点」です。
 店頭でスパロボWを買ったあの瞬間、私の人生のレールは切り替わった。

 だから、「スパロボWに出会えてよかった」という感謝の気持ちと、「スパロボWのせいでこんな人生になっちまった」という憎しみが半分ずつあります。よくも……よくも俺の希望に満ち溢れた人生を破壊してくれたな!!

 だからこそ、「生涯最高の1本」です。
 これからもずっと、スパロボWが「最強のゲーム」なんだと思います。



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