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魔界塔士Sa・Gaがすごすぎる

 誰が魔界塔士Sa・Gaを遊んでいいと言った?
 オレだ!

 ……ということで、『魔界塔士Sa・Ga』を遊びました。
 もうね、すごい。すごいのよこのゲーム。

 FF1を遊んだ時に「一発目からこんなにファイナルファンタジーしとるか!?」と衝撃を受けたのを今でも覚えているのですが、魔界塔士Sa・Gaも「一発目からこんなにサガしとるか!?」と思いました。

 なので、「魔界塔士Sa・Gaがすごすぎる」
 いいですね、超シンプルタイトルで。

 ではさっそく本文に入って行きましょう。
 まぁ、暇な時読んでください。

今回はSwitchの「Sa・Ga COLLECTION」で遊びました




テキストがすごすぎる

 「エスパーギャル」って何……?

 魔界塔士Sa・Gaって、やっぱりこの「テキスト」のセンスがすごいと思います。普通、「エスパーギャル」にするか? なんか「エスパーガール」とか「エスパーおんな」とかにしない? なぜか「ギャル」。あえて「ギャル」。いいね、夢があるよ。

 おそらく当時のカセットの容量的な問題で独特な言語が繰り出されている部分も大きいのだろうけど、むしろそれが味になっている。というか、単にセリフが面白いので容量の限界とかもうどうでもよくなってくる。

「なんの ようだ!」
「おい ぜにが たんねーぞっ!」

 特に、特にこのショップのセリフ。
 俺ここまで店員にそんざいに扱われたことないよ。

 もしかしたら、このテキストのインパクトの強さこそが最も「1作目からこんなにサガしてるか」と感じさせた部分かもしれない。『ミンサガ』とか『サガフロ2』あたりでも「このゲームは“短いテキストで絶大なインパクトを叩き出す天才だ”」と感じていたけど、実際1作目の時点で極まっていた。

 いや、改めて見てもすごいな。「ぜに」て。
 ちゃんとゲーム内通貨の「ケロ」があるじゃんかよ。

「だれが はいっていい といった!」
「オレだ!」

 天下無双かよ。
 このあたりの「強すぎる主人公」の味わいもすごすぎる。私はどちらかというと「自我を持っている主人公」の方が好きだけど、ここまで強烈な自我を持っていると逆に困惑する。強すぎるわ、主人公が。

 ここから戦闘に突入するまでの「あのむすめから てをひけ」「やろう ふざけるな!!」と、戦闘終了後の「かんべんしてくれー」「さいしょから そういやいいんだ!」も大好き。魔界塔士サガって基本龍が如くみたいな勢いでバトル始まるからね。「さいしょからそういやいいんだ!」じゃない。

「てめえの ようなやつが 1ばん むかつくんだよ!」

 そこまで言わなくていいって!!!!!

 もうプレイヤーよりキャラの方が憤っちゃってんだよ。よくRPGで「主人公と自分の性格が乖離しすぎて集中できない」とか言われるけど、このゲームに限っては主人公が豪快すぎてこちら側が「な、なにもそこまで言わなくても……」と一歩引きたくなる唯一無二の体験を味わえる。

 なんかいちいち言動がハードボイルドだから、勝手に脳内CVが銀河万丈・堀内賢雄・塩沢兼人あたりに変換されていく。一応エスパーギャルを「あやね」という名前にしていたのは一番好きな女性声優から取っていたのだけど、最終的には全員CV銀河万丈になっていた。佐倉万丈。銀河綾音。

 なんなら脳内映像ですら全員ちょっと劇画調になっている。ゴリゴリの男たちが塔を登り、酒場で「しずかにしろよ さけがまずくなる」と言い放ち、殴り合い始める。サガ、漢のRPGだぜ。俺の脳内で上映されている魔界塔士Sa・Gaのアニメは完全に監督:川尻善昭のマッドハウス制作だ。

「ガルガルやろうと いいおんなと どっちがすきだ?」
「きくまでも なかろうよ!」

 漢なら、これを目指したい。

 「魔界塔士Sa・Gaの好きなセリフランキング」を本気で作るなら、「きくまでも なかろうよ!」が第1位に来て、あとは「てめえのようなやつが~」「ぜにがたんねーぞ!」が2~3位に来ると思います。いや、本当は全部ひっくるめて「オール1位」でもいいんだけど。

 そしてこのあたりで出てくるキャラと言えば、やっぱり「ミレイユ」なんじゃないでしょうか。スクウェア三大ナンタラでお馴染みの彼女ですが……実は私、数年前に『バハムートラグーン』『ライブ・ア・ライブ』をプレイしていたこともあり、今回めでたく「ヨヨ」「アリシア」「ミレイユ」のグランドスラムを制覇しました! え、どうでもいい?

 ただやっぱり……この3人の並びだとやっぱり「ヨヨ」が圧倒的すぎますね。申し訳ないけどこればっかりはヨヨが永世チャンピオンだと思います。てか、どちらかというとミレイユは「サガの女」って感じですよね。

お前自覚あるんかい


システムがすごすぎる

 サガと言えば、クセの強いシステム。
 そんなシステム面も、1作目からめちゃくちゃ「サガ」していた。

 特に衝撃的……というか、一周回って納得感があったのは「モンスター」の仕様。モンスターに肉を食わせると、別のモンスターに変化する。一応規則性はあるらしいけど、こんなのノーヒントで理解できるわけがない。なんとなく入れてみたゴブリンが、なんだかよくわからないモンスターに変化。

 この感覚……サガフロで味わったぞ!!
 たしか最初にレッド編を選んで、コットンがモンスターを吸収したらクラゲの化け物になって発狂しかけたんだ。アレは……アレはサガの由緒正しき伝統だったのか。いや、こんな伝統あってたまるか。

 しかし……これはこれで使いこなすと面白い。
 攻略サイトを見てみると、どうやら最初のステージで最高クラスの「ティターン」まで進化させることができるらしい。もはやわらしべ長者みたいなノリで、がいこつの肉やレッドブルの肉を食わせ続ける。

 そしてついに、最序盤で「ティターン」を生み出すことに成功。
 ハチワレが……ティターンに!!
 非力な「ゴブリン」時代から想像もできない、圧倒的なステータス。技のデパート。特に「テレポート」に関してはラスダンまでずっと強い。

 流石にある程度進めていくと火力不足に悩まされたけど、少なくとも序盤~中盤はティターンの「つるぎ」で無双することができてしまった。サガすぎる。この「ズルできる」ところがスクウェアRPG及びサガの好きなとこだけど、まさか1作目からこんなズルができるとは。

 この「なんだかよくわからないシステムで強くなっている感」も、かなりサガっぽい気がする。私はサガの「レベルアップで全能力が一括で上昇するのではなく、ちょっとずつ各能力が上がっていく」仕組みに、未だに慣れていない。本当に何回やっても慣れない。「これホントに強くなってる?」の不安が永遠につきまとってくる。怖い。全然育ってるかわからん。

 そしてこの「なんだかよくわからないまま強くなっている感」、魔界塔士Sa・Gaでも見事に引っかかる。このゲームの味方キャラ……なんの報告もなく勝手に強くなっているではないか!?

 流石にミンサガもサガフロ2も「JPが上がった」「攻撃が上がった」みたいな報告はしてくれた気がする。だけど魔界塔士Sa・Gaのこいつらは、育っても特に報告してくれない。プレイヤーに報告連絡相談もせず、勝手に強くなっている。私はこれ、結構衝撃的だった。

 「こっちに何も知らせず勝手に味方が強くなってもいいのか!?」と。お前らプレイヤーに内緒で強くなってるじゃないか!? ちょっとそれ不安になるよ! 結構重要な案件なのに自分のアドレスCCに入れてもらえてないくらい不安だよ!? クソッ、こんなところで板挟み気分を味わうとは!!

 その割に、みんな思ったより素直にステータスが上がっていく。
 スクウェアRPGは「鉄製の鎧を装備すると素早さが下がって詰むので一生皮装備でおk」とか「無駄に戦闘回数を稼ぐと詰むかもしれないので下手に戦うな」とか平気で言ってくるから、「キャラが素直に強くなる」だけで不安になってくる。

 なにか罠があるんじゃないか? 
 河津のおっちゃんはなにか仕掛けてるのでは?
 もう疑心暗鬼だ。いつ詰まされるのかわからない。これがDV彼氏(ルビ:スクウェア)に痛めつけられ続けてきた人間の末路だよ。

 システムの話、まだまだ続く。

 今回のパーティーには、男女で「エスパー」をふたり採用してみた。そしたらいつの間にかエスパーが「スーパーパワー」なる技を習得していた。発動してみた、するとどうだろうか! 「ちから」が一気に99も上昇!!

 さっきまで20ダメージくらいが関の山だったのに、突然ムキムキになったエスパーが159ダメージでゾンビを粉砕! 強い、強すぎる!! この「スーパーパワー」を習得した時、それはそれは舞い上がった! 「これはとんでもない技を引いたぞ」と! 「これはチート技だ」と!!

 あぁ、もうこんなの魔界塔士Sa・Gaがヌルゲーになってしまったではないか……ティターンもいるし、エスパーはムキムキになるし……このゲーム、簡単すぎる……………と思った矢先、技覧のスーパーパワーが突然「あくしゅう」にすり替わっていた。は????????????????????

 どういうことだ? なにかしらの敵の攻撃で消滅したなら納得できる。こっちの操作ミスで消したなら理解できる。でもアタシ、何もしてない!! 壊れた!! 魔界塔士Sa・Gaが勝手に壊れた!!!

 調べてみたら、「今作のエスパーは4枠の中でランダムに技を覚える。枠をオーバーしたら勝手に忘れることもある」と書いてあった。

 この「そもそもシステムを理解してなかったシリーズ」最大のやらかしは、多分「にんげんのレベル上げ」だと思う。実のところ最初の世界で「げんぶ」を撃破するまで、にんげんのレベルを全く上げていなかった。

 というか、「にんげんが強くなっていない」ことに全然気づかなかった。おかしい、明らかに主人公の自分だけHPが微塵も上がっていない。なんだ、なにを間違えた。変なフラグでも踏んだか!? 

 ……と思ったら、どうやらにんげんは「アイテム」によってレベルを上げるらしいことが判明。「HP200って何に使うの?」とか思っていた自分を呪いたい。クッ、これは説明書がついてこないアーカイブ版特有の落とし穴……とか言いつつ、多分説明書ついてても同じ轍踏んでたと思います。

 でも、この辺の「信じられないシステム」がやっぱり楽しい。もちろん遊びやすいシステムも悪くないけど、自分はこういう尖ったシステムが好きでスクウェアRPGを遊んでいる節があるので。多分、私って「システムフェチ」なんでしょうね……明らかに変なシステムが出てくると嬉しくなる……。


世界観がすごすぎる

 突然だが、私が好きな『ゼノブレイド2』というゲームの話をしよう。

 4年くらい前、高校生だった私は『ゼノブレイド2』を遊び、すさまじい衝撃を受けた。えっちなキャラ、奇抜なシステム、えっちなキャラ……とにかく、高校生だった私にとってこのゲームは「爆心地」みたいなものだった。

 ちなみにこのnoteをずっと遡ると、4年前の当時高校生の私が書いた『ゼノブレイド2』の記事が出てくる。ヤダッ! 恥ずかしいッ!! 当時から見てくれている人、本当に応援ありがとう!! 私、大人になりました!!

 その中でも特大の衝撃を受けたのが、「世界観」だった。
 特に、『ゼノブレイド2』の大オチでもある「楽園」の正体。

 端的に言うと、「楽園を目指して世界樹を登っていったら、その先にあったのは滅んだ近代都市(コロニー)だった」という驚きの真実が待っている。「ファンタジーだと思っていたら、突然現代要素が出てくる」という、あの世界のテクスチャを破壊されたような感覚。あれが、衝撃的だった。

 あれから私は、あの「世界観をひっくり返されるような衝撃」を追いかけるためにRPGを遊んでいる節がある。いつか、『ゼノブレイド2』を超える衝撃に合えないかと。いつか、あの「楽園」に初めて到達した時のインパクトを上回る「驚き」に出会えないか。これはもはや、果てのない旅路━━━

 ……と思ったら、魔界塔士Sa・Gaで「大体それ」が出てきた。
 嘘やん!!!!!!!!!!!!!!!

 「大陸世界」「海洋世界」「空中世界」の3つの世界を踏破した主人公たちを待っていたのは、「都市世界」だった。そこは……なんかいい感じにポストアポカリってる日本だった。アメ横とかアキバとかのある日本だった。

 嘘やん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 すげえよ、魔界塔士Sa・Ga。もうお前の勝ちでいいよ。俺の負けだよ。ずっとずっと「あの時の衝撃」として待ち続けていた「ファンタジー世界の破壊」が、ここでまた出てくるとか……魔界塔士Sa・Ga、マジリスペクト。

 というか、塔の中で「デリンジャー」が手に入る時点でその片鱗は見せてたような気もしてきた。おかしいだろ、「ミスリルソード」とか「ポーション」とか使ってるRPGでいきなり「デリンジャー」が出てくるのは。

 別の漫画作品のお話になってしまうのですが、私はコミカライズ版「追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~」に存在している、「唐突にウージー短機関銃が登場する」というくだりが大好きです。

 このコミカライズ版「追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~」も、大概「ファンタジー世界のクセになんでもアリ」を貫き通している作品なので……どうやら、「なんでもアリ」そのものが好きみたいですね。やっぱり創作物って、「縛られたら」終わりだと思う。

 できる限り、どこまでも夢を感じさせてほしい。
 できる限り、無限に驚きを提供し続けてほしい。
 できる限り、「世界の大きさ」に圧倒させてほしい。

 そんなワガママな欲望を満たしてくれる「なんでもアリ」って、最高です。魔界塔士Sa・Gaのクセ世界観が好きな方、コミカライズ版「追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~」も結構オススメです。

 しかもこっちでもウージー短機関銃売ってるしね!!!

 この「魔界塔士Sa・Gaのバーリトゥードっぷり」の話、もはや無限にできてしまう。当然のごとく「かくばくだん」が手に入ったり、「はどうほう」なるアイテムが店売りされていたり、「ライトセーバー」「モビルスーツ」が何食わぬ顔で出現したり……いや、後半はただ時代がおおらかなだけか。

 個人的には、「ゴールドかぶと」「ミスリルかぶと」より「アライのメット」の方が普通に性能高いのが面白かったです。アライすげえや。ファンタジーとはなんだったのか。羂索の「私も術師相手であれば通常兵器は積極的に取り入れるべきだと思うよ」を地で行くRPG。

 さらにそこからド級の終盤、ド終盤になってくると「エクスカリバー」やら「かんうのよろい」やらが手に入って、余計に無法っぷりが増していく。まぁこの辺はFC~SFC期スクウェアだとよくあるやつですけど……「かくばくだん」「はどうほう」「エクスカリバー」が並んでる絵面が本当にすごい。

自分をマーリンだと思い込んでいるジジイ


魔界塔士Sa・Gaがすごすぎる

 これも、いきものの「サガ」か…………。

 実は魔界塔士Sa・Gaは、神の仕組んだゲームだったらしい。すべて、「ゲーム」だった。ファンタジーだと思ったら、アキバが出てきた。ミスリルかぶとより、アライのメットの方が強かった。たしかにこんなの、「ゲーム」じゃなかったら絶対におかしい! よくもこんな無茶苦茶な世界を!!

 ここに到るまでの「アシュラを倒したと思ったら別の塔が出現」→「本物の塔を登っていくと、“かみ”が待っている」というひっくり返しっぷり、とにかくすごいと思う。あと復活してきた四聖獣2が「アンデッド」判定になっているからサンブレードで普通に即死するのもすごい。

 許せねぇ……みんなの世界を無茶苦茶にした罪、ここで償えーーッ!!

 イヤーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!

 かみは バラバラになった。
 まぁやるよね。

 これ……さっき言ってた「ズル」の、極地だと思います。この世界を支配している「かみ」にチェーンソーを振りかざすと、一撃でバラバラになる。まさに究極の「ズル」。仕様的にはバグらしいけどいかにもサガっぽい。

 こんなに「かくばくだん」だの「はどうほう」だの「エクスカリバー」だの揃えて、最後の最後に絶対存在を殺せるのが「チェーンソー」。すごい。

 流石に「チェーンソーでバラバラになるらしい」ことは知っていましたけど、いざ実機で「ドウィーン……」という鈍重なSEと共に真っ二つになる「かみ」を見ると数倍は面白かったので、ぜひみなさんも自分の手でバラバラにしてみてはいかがでしょう。自分でバラバラにした方が楽しいですよ。

 ……で、「かみ」を倒した主人公たちは特にそのあとのことを考えていなかった。よりによって主人公たちが「やっちまったぜ……」「これからどうする?」とか抜かし始めるのがかなり解釈一致だけど、この「世界を弄んだことへの怒り」で「かみ」に挑むのもめちゃくちゃカッコいい。

 本当に誰でもない誰かが、怒りで「かみ」を倒してしまった。

 そして扉のグラフィック1枚で、「外の世界」を見せる。
 私はここで「おおっ、これから主人公たちが外の世界に旅立つところを映して、感動のエンディングってわけね!」と思った。ところが、全然違う。

 次に出たセリフは、「いこう!」「おれたちの せかいへ!」だった。

 ここのシーン……もしかしたら『魔界塔士Sa・Ga』で一番グッときた場面かもしれません。4つの世界を駆け巡り、行く先々で誰かと出会い、世界を知った主人公たち。そんな「世界」を弄んだことにブチギレて、創造主をバラバラにした。だから、そんな世界が待っている、「おれたちのせかい」へと帰っていく。驚くほど、綺麗なエンディングじゃないだろうか。

 旅は終わらない。
 けれど、行く先は「おれたちのせかい」。

 ここまでスケールの大きい話を描いて、「自分たちの世界へ帰ること」を最後のシーンとしたセンスが一番好き。カッコいい……カッコいいぜ……。

このセリフも好き

 『魔界塔士Sa・Ga』の一番すごいところを挙げるとしたら、「実際に遊んだ時間の、数倍の満足感がある」点だと思う。多分私は10~15時間くらいでクリアしたけど、この「世界を救った」感は、もう100時間に匹敵する何かがある。言葉にするとチープだけど、10時間に詰めていい冒険じゃない。

 その足で、大陸世界を冒険した。大海原を渡り、海洋世界を冒険した。空を駆け巡り、空中世界を冒険した。バイクに乗って、都市世界を冒険した。天までそびえる高い塔を登り、神も、悪魔も、モビルスーツもブッ倒した。

 自分は、とんでもないスケールの冒険をした!!
 ……そう、間違いなく言い切れる作品だと思う。ある意味、『ゼノブレイド2』にも劣らない「世界を知った」体験ができる。RPGの「世界を知る」楽しさは、相対的な「プレイ時間」によって優劣がつくものではないと、『魔界塔士Sa・Ga』に理解させられた気がする。

 ちょっと気恥ずかしいことを言うと、自分は「RPG的なもの」に謎の憧れがある。決して「RPGを作ってみたい」とかではなく、本当にフワッと「RPG的なもの」に対して、ずっと夢を見続けている。うーん……また恥ずかしい言葉を使うと、「ロマン」ってやつ?

 冒険があって、世界があって、夢がある。
 どこまでも続く果てしない世界に、必ず「終わり」が用意されている。その始まりから終わりまでを、1本の「ゲーム」という箱に詰め込む。その間にある「冒険」に、どんなロマンを感じるか! どんな希望を感じるか!!

 『魔界塔士Sa・Ga』は、そんな「ロマン」を強烈に刺激してくれるゲームでした。めちゃくちゃグラフィックがリアルとかでもない。オープンワールドでもない。100時間とか遊べるわけでもない。だけどこの中に詰め込まれた「世界」は、絶対に数値化できない「ロマン」がある!

 世界を救った達成感と満足感は、確実に現実時間の数倍ある!!
 この世界で味わえる夢とロマンは、何よりも大きい!!!

 自分の中にある「RPGへの憧れ」が、ものすごく幸せな形で、かつチェーンソーでバラバラにされるように、満たされていった気がします。うん、何度やってもRPGは素晴らしい。すごい、すごすぎるぞ魔界塔士Sa・Ga。

 そう、まさに「魔界塔士Sa・Gaがすごすぎる」
 みんな……このゲーム、すごすぎるぞ!!!!!

 では……シー ユー アゲイン!!

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