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ピンクに染めたい

好きな色、なんですか
小さい頃に聴いた歌にもありましたね
「どんな色がすき?」
筆者はモノトーンと寒色系が好きです。
気がつくと身の回りは好きな色のものが増えます。あるある、ですよね…?
反対にあまり選ばないのはピンク色。
暖色系の中でも黄色やオレンジは時々選ぶもののピンクを進んでチョイスすることはおそらく人生でもなかったはずです。

それなのに、不思議と身近な人から贈っていただいたものがピンク色のことが多いのです。もちろん、私のために選んでくれたことそれ自体が嬉しかったので色を気にしたこともありませんでした。

私の美術の先生が言っていた言葉があります。
「苦手な色を意識的に生活に取り入れるといいよ」
その先生の絵は非常に多くの色を取り入れていてそのどれもを扱いこなしているように思えたのです。
話を聞くと、以前は緑色があまり得意ではなかったそうです。植物が好きな先生なのでとても意外でした。そして緑色を使えるようになるために、家の小物など普段から使うものに緑色を取り入れて半ば強制的に好き嫌いに関わらず緑色を使う生活を作って過ごしていくうちに緑色を絵に使うことに抵抗感が減ったそうです。
使いやすい色、使いにくい色どちらもある上で日々少しずつ自分に馴染ませていった結果、一つの画面の中に性格の違う色同士であってものびのびと共生した世界が出来上がっているのだと知りました。
昨今の社会でも必要不可欠な「多様性」「共生」はこういったさりげない歩み寄りから始まるのでしょうね。

私自身の話に戻ります。
苦手だと思っていたピンク色が最近愛おしくなりました。
きっと、贈り物をしてくれた人の印象がピンク色を見るとフラッシュバックしてくるからかと思うのです。
アコーディオンの演奏会で聞いた言葉があります。
「大人になるとは、苦手だったものが好きになること」
私にとってのピンク色は自分を助けてくれる色、
私にとってのピンク色は自分を守ってくれる色。
優しい気持ちになれるように暮らしにピンクを増やしてみよう。
そう考えていたら思いつきました。アボカドの皮で染めたいんだった。
そう、アボカド染めはピンク色に染められるんです。草木染めは黄色やグリーン系が多い中でピンクに染められる身近な材料があると知って冷凍庫に保存して置いていました。
今こそ使いどき!
なのでそろそろ染め始めます

アボカド染め

ハンカチ1枚と絹のストール2枚を染めていきます


種が真っ赤になるくらい酸化させます
しっかり酸化させたかで色味が決まるそうです
染液を煮出します
アボカドの身をコーヒーフィルターで取り除きます
濾したあとの染液
ちゃんとピンクの色素がでているといいな!
 布を精錬しました
ミョウバンで先媒染します
コトコト煮ます

染め上がりました、でも


全然ピンクに染まってない!
ハンカチは全く染まらず…
濃染処理をしないからでしょうか
それとも媒染剤がミョウバンだったから
はたまた布との相性が良くなかったのか…

あー、悔しい
なので
玉ねぎの皮で重ね染めしてしまいます。

どうせ明日ゴミの日だったし。
開き直ります
ピンクは忘れます


今度はハンカチも染まりました
比較
玉ねぎ染めのストールに染めムラがありますが
むしろ可愛くてお気に入りです

ベースに同じ色が入っているおかげなのか
ストールを2枚重ねにすると柔らかさが増して可愛いです。
主役の色がアボカドカラーでも玉ねぎカラーでも可愛く仕上がりました☻

以前、人間関係に悩む私に小中学生のときお世話になった劇の先生が贈ってくださった言葉を玉ねぎ染めの染液を煮ながら思い出しました。
「下がってはいけない。前へ。」
「一度口にしたことは取り下げてはいけない。間違いは消さずに上から修正するように。」

理想のピンクには仕上がりませんでした。
そこで止まらずまた違うものに取り掛かることで、3枚の違う色が出来上がりました。

これから来たる秋を待たずに
今回のハンカチとストールで暮らしを次のシーズンへ進めておきます。
アボカド染めを失敗したおかげで、
今にピッタリなものが作れました。
自分の感覚に流されてみて
よかった。


ここまで読んでいただきありがとうございます
それでは、また心から染めを求めるときまで。またお会いしましょう!

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