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あの人に贈る花
最近の私は少し焦っています。
住み込みボランティア期間が終わってしまう。
したかったこと、どれくらいできたのかな。
お世話になった人があまりにも多すぎて何も返せないことにヤキモキしてる。
さらに大好きな母の誕生日が間近なのに何も用意できていない。
周囲の人達は皆さん優しすぎて何も見返りを求めてくることはありません。私の母も控えめな性格で何かを欲しがることは滅多にありません。
だからこそ、特別な日にはいつもより喜びを感じて過ごしてほしいのに。
私には手のこんだことはできません。
それでも、私が何かを作って渡すと相手の人が喜んでくれた過去の記憶がふっとよぎりました。
母も時々、誕生日に手描きの絵を渡したことを何度か嬉しそうに話してくれました。
私の場合、身の回りにあるもので作ってプレゼントするのが1番気持ちが込められるのかもしれない。本当は前より大人になったのだから少し良いものを買ってプレゼントにするつもりでした。
結局、何を送ったかより誰のために贈ったかなのかなと思い始めたので方針をぐっと変更させます。エゴが見え見えなのはいつものことなので目を瞑ってもらいます。
今身の回りにあるもの、
植物です。
せっかくハーブ農園に住み込ませてもらっていて、ハーブも自由に使わせてもらえるのだから。
あとはアイデア次第。
お世話になった人と母への感謝を伝えるためなのでどうしても美しいものをプレゼントしたくて。
今咲いているもの
花
ローズ
優しい気持ちになれるもの
ローズの蜂蜜漬けを作ってみよう
作ったことなんてないけれど。
プレゼント作りは心の準備から
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今回は2種類作ることにしました
1つはハマナスローズ
もうひとつはブレンド
野生のスミレ、ローマンカモミール、ラベンダーの3種類です。
このブレンドは一切したことがなくただの思いつきです。なのでいい香りになるか自信がありませんでした。香りの強さもバランス次第なので無難に単種類にしたほうが安心かなと思いつつ、そこはハーブのブレンドのプロフェッショナルに聞くべきかと思い、相談してみました。
そのお返事が
「やってみたらいいんじゃない」
この約2週間私の好奇心や興味を尊重してくださった方からのこのひと言で勇気がでました。
うまく出来ないかもしれない。
でも、うまくいくかもしれない。
作りたい、うまくいったら最高のプレゼントになるかもしれないから、作ろう。
朝5時の収穫
お仕事前に取れる分取ることにしました。
時間を無駄にできないのですがあくまで丁寧に摘み取ります。
摘み取るときのコツは「深呼吸しながら植物のことだけを考えて瞑想するように」
これもこのボランティア中に覚えたことです
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でも、ブレンドの主役にしたいので
なるべくたくさん取ってきます
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目が冴えてきました
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ラベンダーのように美しい佇まいで生きるのが理想です
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必要な分はあると信じて
ログハウスに戻ります
お楽しみの瓶詰め
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ローズは朝は咲いていないので夕方に出直します
まずはボランティアのお仕事を懸命に勤め上げなければ元も子もないですから。
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ローズの花が綺麗に開いています
まだ空も明るい
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籠いっぱいにローズが
集まりました
ログハウスへ帰宅後、一緒にボランティアをした方と挨拶中、やっぱり早く言いたくなってしまいました。
「もしよかったら、ローズの蜂蜜漬けを1つもらってくれませんか?」
ログハウスの生活中私の悩みも嬉しかったこともなんでも聴いてくださったこの方にも何かお礼がしたかったんです。朝はパンとカフェオレを飲むのが定番の甘いものがお好きな方なのでどうかな、と考えていました。
お返事は「もし余るならぜひ」
控えめで丁寧なこの方らしいお返事に元気をもらいました。
夕方で疲れも溜まってきていましたが
明日に先延ばしせず花が新鮮なうちに作ります。
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蜂蜜が結晶化してしまうハプニングがあり
時間も遅くなったので
悔しいですが明日へ持ち越しです
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そして
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まだ薄明るい空と一緒に
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完成はしたもののだんだん蜜に香りが移るまでは結果はわかりません。
渡してしまえば私側がその人の好みだったのか知る方法はありません。
けれども、渡す相手のことを考えて作る時間は良い時間だったのではないかと思えるのです。
結局、私ばかりが楽しい気持ちをもらっていることになってしまっていますが、
あとは受け取ってもらうだけ。
受け取ってもらえると信じて勇気を出します。
気合を入れて臆病者の私も前に踏み出します