
62歳 わたしの挑戦 マラソン編
1年半ほど前のブログから
今、2023年11月8日㈬午前4時25分。
静かな病室で目が覚めました。
(入院のことは簡単にここに書いてます)
人生ってドラマチックだなぁ、と思うのです。
12月10日のホノルルマラソンに夫婦でエントリーしたのは、今年4月のことでした。去年9月にテツ(夫です)とハワイに行ったとき、なんとなく、次はホノルルマラソン、みたいな流れに。
それで、なんとなく、11月からふたりで近所の公園を走り始めました。最初に走った日のことはよく覚えてます。11月13日の朝でした。1キロほど走って、ハ〜ハ〜🤮 マラソンなんて、とっても無理だと思いました。
でも、なぜか、朝のテツとのジョギングは続きました。運動大嫌いなわたしがどうしたことなのか。自分でもよくわかりません。
今年2月、航空券、ハワイで滞在するカイルアのairbnb(民泊です)、ワイキキのブレーカーズホテルをネットで予約し、2月に神戸で5キロマラソン、4月に大阪で10キロマラソンにテツと出ました。そして、11月5日の淀川ハーフマラソンで総仕上げというプランでした。
2週間ほど前、突然、テツが、坐骨神経痛を発症。病院へ行くと脊柱管狭窄症だと告げられました。
投薬とブロック注射で治療中です。杖もネットで買ってました。病院への差し入れも杖をつきながらです。
そして、11月3日、わたしがイレウスで入院。
正直、ハワイは無理なんじゃないかと思ったのです。
病室のベッドの上で。
ちょっとほっとしました。
フルマラソンなんてまだまだ無理だと思ってたから。
それで、イレウス管が鼻から腸まで入って少し落ち着いてから、テツにラインしました。
「ハワイは難しいかも…」
即答でした。
「行けるよ」
「でも、テツのその足ではマラソンはムリやで」
「そのときは、ゴールで待ってるから、ひとりで走るんや」
え〜っ
そんな展開、考えてもみなかった。
You should be tougher, Yuko.
(もっと強くなったほうがいいよ)
ニュージーランドのグレイマウスという小さな町で、フィリパにこう言われたのは、36歳のとき。当時、小5だった息子を連れ、日本語のボランティアとして派遣されていた時でした。
1996年4月17日、関空から息子とふたり、シンガポール経由でニュージーランドへ。派遣校はグレイマウス·ジュニア·ハイスクール。派遣期間は9か月。
校長のギャリーの家に親子でホームステイ。ホストマザーのフィリパは、同じ学校で働くスクールカウンセラー。彼らには子どもがふたり。長女は高校生で寮生活。家にいたのは、長男のオリバー。息子よりひとつ年上でした。彼もグレイマウス·ジュニア·ハイスクールの生徒。息子は、その学校の一番年少クラスに入ることになりました。
ニュージーランドでの生活がひと月ちょっと経った頃から、息子が日本に帰りたいと言い出しました。オリバーとどうしてもうまくいかなかったのです。
日本にいるテツ、ギャリーやフィリパにもいろいろ相談し、彼らもいろいろ試みてくれたけれど、オリバーと息子の関係は好転せず、結局、わたしがこらえきれなくなり、9か月の予定を3か月に切り上げることにしたのです。
そのことを、フィリパに伝えた時、冒頭の言葉をフィリパがわたしに言いました。
ここに残りなさい。
仕事を辞めてまでしてきたんじゃないの。
後悔するわよ。
そんな弱虫でどうするの。
シュンは泣いていてもここに居させなさい。
You should be tougher, Yuko
……………
あの日から27年と半年ほど時間が流れたけど、今も胸に残ってる場面です。
フィリパの前でうなだれていたわたしと、ホノルルマラソンに出ようかどうしようか迷ってる今のわたしが、今回の入院中、ふっと繋がりました。
糸電話の片方をグレイマウスのわたしが、もう片方を市民病院のベッドの上のわたしが持ってる。グレイマウスのわたしが、You should be tougher. とこちらに向かって叫んでる。そんな絵面が頭に浮かんでます。
42キロ。
長いなぁ。
走ったり歩いたりしながら、
テツという相棒がいない中、
ゴールにたどり着けるのか。
自信なんて全くない。
でも、一方で。
走らなかったらすっごく後悔するだろうな、とも思ってます。
テツが伴走してくれなくても、36歳の時のわたしがいっしょに走ってくれるんじゃないか。
36歳のわたしと、63歳のわたしが、ふたりでゴールするその場所に、たとえばテツが笑いながら立っていてくれたとしたら、そこにたどり着いた瞬間、自分が今抱えてる大小様々なもやもやしたもの一切合切が、しゃぼんの泡みたいにパチパチ音をたてて消えていく。そんな気もします。
人生はやっぱりドラマティックな方が断然いいです。
だから
たぶん
走ります、ホノルル!
2023年12月10日
ホノルルマラソン完走
06:36:13
ゴールしてテツに会ったとき、
もう、ビックリするくらい
とびきりの賞賛の言葉を
これでもかっていうくらい降らせてくれた。
忘れない
忘れない
今、noteに書きながら、
また、思い出せた。
よかった。
ユコ@すこやかシニア