【性的マイノリティの理解促進を図る取組について】村松ひろみ甲府市議令和6年6月定例会|一般質問
【性的マイノリティの理解促進を図る取組について】質問してくださった村松ひろみ議員に感謝いたします。
甲府市議会会議録(公式)はこちら令和6年6月定例会(第4号) 本文 : 2024-06-17 | 閲覧 | 甲府市議会 会議録の閲覧と検索 (dbsr.jp)
※甲府市議会会議録から、私的に抜粋を行ったものであり、文中見出しや太字なども筆者によるものです。
性的マイノリティの理解促進を図る取組について、5点
◯村松裕美議員
性的マイノリティの理解促進を図る取組について質問いたします。
1.日本ではLGBTの方が差別・迫害されてきた歴史はあるか。欧米では、LGBTQの方への暴力やハラスメントが減っているか。
1点目、マツコ・デラックス、はるな愛、おすぎとピーコ、美輪明宏、ストップ!!ひばりくん!、ベルサイユのばら、歌舞伎にタカラジェンヌ、古くはヤマトタケルノミコトなど、武士もそうでしたが、日本では、これらの、今で言うLGBTの方が親しまれてきましたが、差別され、迫害されてきたという歴史はありますか。また、日本に比べ、これらの啓発活動が進んでいる欧米では、LGBTQの方への暴力やハラスメントが減っていますか。お答えください。
2.甲府市で性的マイノリティであることを理由に差別されたという相談件数と具体的な事例があるか
2点目、昨年行われたLGBTQ人権啓発講演会でも、講師の先生が一度も偏見や差別を受けたことはないと話されていました。甲府市で性的マイノリティであることを理由に差別されたという相談件数と具体的な事例があるのでしたら、教えてください。
3.甲府市で開催予定のシンポジウムには、懸念している側の当事者や関係者といった、様々な立場の講師を呼ぶか
3点目、シンポジウムというのは、1つの問題について何人かが異なる面から意見を述べ合い、質疑応答を繰り返す形の討論会とあります。
ここ数年のLGBTQ権利運動は、当事者の中でも反対の声を上げている方は少なくありません。当事者で学校や公的機関で講演活動をしている方の中には、わいせつ行為で逮捕されたり、SNSで卑わいな言葉を発信していたり、先日は金沢レインボープライドの事務局長が、子どもたちも利用する活動拠点で覚醒剤を使用していたとして捕まりました。20年前から使用していたということです。未施術で女湯や女子トイレに入っていることを公言している方もいますし、実際にそういったニュース、女装しての性犯罪も報道されています。先日行われた東京レインボープライド2024では、白昼堂々、パンツ一枚で縄に縛られたSMショーが行われ物議を醸しました。昨年は海岸で男性10人が全裸、10人がガーターベルトで出会いの場になっていたというニュースもありました。公衆浴場がハッテン場になり、注意喚起をすると、差別と苦情が寄せられ、閉鎖に追い込まれています。
そういった中で、これまで平和に社会と調和し暮らしてきた当事者の方々までもが逆に生きにくくなっています。女性スペースを守りたいと訴える団体の中には当事者もいて、特にレズビアンの方にとっては自認女性は脅威です。
さらに私が懸念しているのは子どもたちへの影響です。さきの甲府市で行われた講演会にも高校生が参加していました。欧米ではこういった活動が熱心に行われてきた結果、思春期の不安定な年頃の少女を中心に性的違和を訴える子どもが激増し、思春期ブロッカーの投与や乳房、生殖器除去手術などで取り返しがつかない状態になっています。思春期ブロッカーには不妊、性機能障がい、骨構造の変化、脳の発達阻害、心臓への影響など、重大な副反応を伴います。世界トランスジェンダー・ヘルス専門家協会のファイル漏えい(※WPATH)やイギリス国民保健サービスの報告(※キャス報告書、cass review)において、思春期ブロッカーや社会的移行の治療が何の科学的根拠もなかったことなどが分かり、欧米では問題になり、方向転換しています。
埼玉県の性の多様性に関する施策推進会議のメンバーでもある方が代表の団体は「男子とHすることのある男子集まれ」というチラシを親に内緒で来るように誘い、子どもたちを集めています。ほかにも成人ゲイ男性と少年出会い系イベントを開催している団体もあります。
そのような状況の中、不安に思う親がいるのは当然であり、お母さんたちが団体をつくり啓発活動をしています。
性的マイノリティの正しい理解促進を図るためには、啓発したい側の当事者のみでなく、こういった懸念している側の当事者や関係者も参加することが大事であると思いますが、甲府市で開催予定のシンポジウムにはこのような様々な立場の講師を呼んでいただけるということでよろしいでしょうか。
4.甲府市はQの理解への定義をどのように捉えているか。行っている理解啓発には性自認は含まれているか。
4点目、昨年成立した通称LGBT理解増進法には、性自認やQという文字は含まれていませんが、甲府市の講演会にはQが含まれています。Qは、性別や性的指向が定まらないクエスチョニング、伝統的・社会的規範の枠に当てはまらないクィア、さらに+はその他であり、そこには小児性愛、動物性愛、死体性愛なども含みますが、Qの理解への定義を甲府市ではどのように捉えていますか。
また、LGBT理解増進法では、その時々の本人の主張を指す性自認と分けるため、自身の性別についての一貫性を持った認識を指すジェンダーアイデンティティとしています。甲府市の職員サポートブックには性自認も含まれていますが、甲府市で行っている理解啓発には性自認は含まれていますか。
5.レインボーフラッグは内閣府の進める理解増進を超え、一思想を象徴するものでは。市役所に掲げることについて見解を問う。
5点目、甲府市のIDAHOメッセージ展ではレインボーフラッグが並べられていましたが、内閣府の性的マイノリティへの理解促進のためのリーフレットにはレインボーの旗は一切描かれていません。レインボーフラッグはLGBT社会運動の象徴として使われていますが、当事者の代表ではありません。むしろレインボーに迷惑している当事者もいて「虹臭い」と形容されています。このような内閣府の進める理解増進を超え、一思想を象徴する旗を市役所に掲げるのはいかがなものでしょうか。今年度はさらに展示場所が増えています。これを見て不快に思う当事者もいると思いますが、見解をお伺いします。
担当当局(市民部長)答弁
◯久保田幸胤市民部長 性的マイノリティへの理解促進を図る取組についてお答えいたします。
LGBTの方に対する差別・迫害の歴史について、かつて同性愛は精神障がいとみなされ、WHO世界保健機関の国際疾病分類においても治療の対象とされていたものと認識しております。
現在においても、LGBT当事者団体の全国連合会では、就労や医療・教育の場において直面する困難のリストをホームページで掲載し、差別等があることを訴えております。
また、欧州のLGBTQの方に対する暴力やハラスメント件数について、AFP通信は、ここ数年で過去最多に上がっているものとの調査報告書を欧州連合機関(EU)が本年5月13日に発表したと報道しております。
2点目の性的マイノリティの方からの相談については、本市や法務局などで受け付けておりますが、うち、本市に寄せられた相談件数については、令和4年度は5件、令和5年度は3件の相談がありますが、差別されたという相談はありません。
3点目の本年度開催予定のシンポジウムにつきましては、日本女性会議レガシー事業として、性の多様性をテーマとしたパネルディスカッション等の開催に向け、現在、性に関する幅広い知見を持つ方や当事者など、パネラーの調整をしているところであり、シンポジウムが性的マイノリティの方に対する理解促進に期するよう取り組んでまいります。
4点目のLGBTQのQにつきましては、クエスチョンニングは、性的指向や性自認が分からない、決めていない方等、クィアは、伝統的・社会的規範に当てはまらない多様な性の在り方等を意味するものと捉え、本市の理解促進について、LGBTの方と何ら変わるものではありません。
また、性自認について、国では「本人のその時々の主張を指すものではなく、自身の性別についてのある程度の一貫性を持った認識を指すもの」としており、性自認の方、性的指向の方共に理解促進に努めているところであります。
最後に、レインボーフラッグについては、厚生労働省の多様な人材が活躍できる職場環境に関する企業の事例を紹介するホームページにおいて、LGBTの尊厳を象徴し、支援や連帯を示す旗として説明がされており、世界各地で掲揚されていることから、当事者団体に協力いただいている本市のメッセージ展においても、当事者の声とともにレインボーフラッグを掲揚しているものであります。
以上でございます。
村松裕美議員、答弁を受けて
◯村松裕美議員 ありがとうございます。
WHOとか世界では差別はあったと思います。宗教等で禁止されていますので。私が聞いたのは日本のことです。日本では皆さん親しまれていたと思いますよ、私は。全体として、性的マイノリティだからという理由の差別が日本で起こってきたというふうには思えませんけれども。あと、欧米では進んでいる、日本は遅れているというのをうたい文句で今、理解啓発をしていますが、先ほども久保田市民部長から御答弁がありましたように、逆に欧米では差別、ハラスメントが増えているということが報告されています。
これは差別ではなくて理解促進ですと、先ほど甲府市の相談件数も差別ではないということですけれども、差別ではなくて理解促進だとしても、芸能人などで既に昔から活躍していて、そして、甲府市のパンフレットのアンケート結果を見ても、LGBTという言葉を知っている人が90%近くいる。言葉を知らなくても、そういった方々がいることを知らない大人がいるんでしょうか。講演会まで開催して理解促進をする必要があるのかとても疑問です。
性自認についてですけれども、LGBTと変わらないということですけれども、違うからQという概念があるんです。社会規範に当てはまらないということは、社会規範に当てはまらない様々な性的指向を含むんです。それが犯罪にもつながりかねないということを多くの女性や保護者が不安に思っているんです。
全ての人の人権が保障されるということは大切ですけれども、それは公共の福祉に反していないということが大前提です。岸田首相も、トランスジェンダーについて、確定した定義がないと答弁して、閣議決定されています。トランスジェンダーやQの定義がはっきりしない中で啓発活動ばかりが進んでいくのは非常に危険ではないかと私は思っております。
この本「トランスジェンダーになりたい少女たち」。これはKADOKAWAが圧力による出版中止に追い込まれた本です。産経新聞が数々の圧力や脅迫に屈せずに出版しましたが、出版社や書店などに脅迫が相次ぎ、店頭販売を見合わせている書店もあります。これはアメリカの少女の実態が書かれたもので、ヘイト本でも何でもありません。この本がこれほどまでに圧力を受け、焚書と言われていること自体、異常なことが起こっているんです。
『トランスジェンダーになりたい少女たち』 “出版中止脅迫”に屈せず本日発売 – 産経新聞社 (sankei.jp)
甲府市のLGBTQパネル展に置いてあったリーフレット、にじいろ子育て手帳を見ますと、女の子がサッカーって楽しい、男の子がキラキラした服が大好きというのが書かれ、下にLGBTQと大きく書かれています。下のほうに子どもの個性を考えるヒントとしてLGBTQの言葉と意味を紹介しますとありますが、これは普通の子どもですよね。私の息子は小学校6年生まで縫いぐるみと一緒に寝ていましたし、長女は活発でかわいいアイドルが大好きです。末っ子も女の子ですが、俺とかわしとか言いますけれども、みんな普通の男の子、女の子です。
こういった子どもたちや不安に思う親を、もしかしたらLGBTQかもと誘導しかねないと感じますし、逆にジェンダーロールを固定していることにつながりませんか。わざわざ啓発活動するということは、はやりにつながっていくんです。
実際に3年B組金八先生でトランスジェンダーのことを知り、性転換してしまい後悔している方の記事や、子どもが不登校になって理由を聞いたら、LGBTQに関した授業で外部講師から性的違和は持っているとか男性の格好をしてもいいとか何度もアドバイスを受けて悩んでいたという記事も報告されています。この本の中にもそういった事例がたくさん書かれています。
また、昨年7月5日の山梨日日新聞にLGBT購買力560兆円という記事がありますが、10年ほど前からLGBT市場国内6兆円などと注目されています。これは本当に人権だけの問題なんでしょうか。先日のレインボープライドでも、企業の協賛は物すごい数です。
また、レインボーフラッグですが、イギリスの社会評論家ジェームス・エッセス氏がこのように表現していました。「この旗は、子どもへの取り返しのつかない危害、女性の権利剥奪、言論の自由への攻撃と同義語になっている」。海外でもこのように表現されている一思想の旗を公的機関に掲げるのは問題だと思います。
再質問:性的マイノリティのコミュニティを表す旗は幾つあるか
尊厳を象徴した、世界各地で使われているとの御答弁でしたかが、では、再質問いたします。
性的マイノリティのコミュニティを表す旗は幾つあるか御存じでしょうか。お答えください。
担当当局(市民部長)答弁
◯久保田幸胤市民部長 村松議員の再質問にお答えさせていただきます。
フラッグの数、本市で掲げているフラッグは6色のフラッグを掲げさせておりますけれども、8色のフラッグであったり、また、色の違うフラッグであったりという形の中で、それぞれの方々がそれぞれを主張する旗があるものと認識しております。本市では6色のフラッグを掲揚しているところでございます。
以上でございます。
答弁を受け、結びに「偏らない思想で公平な事業を行っていただくことを強く要望」
◯村松裕美議員 突然聞きましたので、数まで分からなくて当然だと思いますが、性的マイノリティのコミュニティを表す旗はこんなにたくさんあります。シンボルというのでしたら、これを全部並べましょう。でないと、差別になりますよ。
このような思想を啓発することで、欧米で起こってきた問題を繰り返さないためにも絶対に一方の主張のみならず、反対の当事者または関係者もお呼びして、偏らない思想で公平な事業を行っていただくことを強く要望いたします。現在、パネラーを誰にするか等協議しているということですけれども、私、当事者、弁護士、ジャーナリストを知っていますので、紹介しますので、ぜひ双方の意見を取り入れてください。
来年度の中学校の教科書には横断的にかなりLGBTの記述が増えるようですが、本市教育委員会におかれましても、欧米の子どもたちの惨事を日本で繰り返さないよう、十分に注意していただきますようお願いします。子どもたちの命、人生に関わる重大な問題ですので、よろしくお願いいたします。
資料等
法令等
LGBT理解増進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進|政策統括官(政策調整担当) - 内閣府 (cao.go.jp)
文部科学省生徒指導提要(改訂版):文部科学省 (mext.go.jp)
記事など
ジェンダー医療 研究会 (jegma.jp) 有志による日本語訳。世界トランスジェンダー・ヘルス専門家協会のファイル漏えい、イギリス国民保健サービスの報告(※キャス報告書、キャスレビュー)
『トランスジェンダーになりたい少女たち』 “出版中止脅迫”に屈せず本日発売 – 産経新聞社 (sankei.jp)
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