朝、目が覚めてラジオのスイッチを入れると、カンタータ(宗教曲)が聞こえてきます。爽やかに起こしてくれます。 そろっと起きたら、窓を開けてお日さんを拝みます。 顔を洗って、お茶を沸かして、仏さんの分と私のお茶を入れて一日が始まります。 私、「お引っ越し」しましてん。 まわりの人は「その年からよーやるわ」とか「偉いなー」とか言わはりますけど、なるべく身の回りのもんは、私の好きな大事なものだけに少のうしてるし、周りの人も助けてくれはって、お陰さんで新しい生活を始めとります。
こんなこと言うたら怒られるけど、父親が亡くなった時、ほっとしましてん。 それまでずっと頭の上に乗ってた錘が取れた氣がしたんです。 私の父は福井県の田烏という小さな漁村に生まれました。 田烏は小浜からローカル線に乗って「大鳥羽」で下車、そこから一里(4km)の山を一つ越えたところにあります。 今ではトンネルができ、車で10分ほどで行くことができますが、当時はこの峠を越えることが、どれだけ大変なことやったか。 父は10人兄弟の末っ子。 上のお兄さん、何人かが漁師をして
おこんにちは。 “夕空 茜”と申します。 初めまして。よろしゅうお願いいたします。 “茜”ご存知ですか? 茜色、緋色などの草木染めの原料になる植物です。 茜色は夕暮れ時の空の美しさによく例えられる赤い色やね。好きなんです。 茜には可愛らしい小さな白い花がつきます。 名前をお花にした理由を兼ねて 今日は“家紋”のお話しさせてもらいます。 “家紋”は、男の人は「家の家紋」を 女の人は「母親の家紋」を継ぐものやそうです。 その家で御葬式しはった時に