好きなものと自分自身が否定される気持ちを少し考えてみてほしいというおはなし
こんにちは。古のオタク系Vtuberの翠屋よもぎです。
突然ですが、みなさんには自分の好きなものってありますか?
たぶんありますよね。
それは漫画かもしれないし、小説かもしれないし、アニメかもしれないし、特定のキャラクターかもしれない。
そんな好きなものが罵詈雑言を浴びる。
そして、それがかなり長い期間続く。
そんな環境を想像してみてください。
正直吐き気がしませんか?
今回語るのは、実際にわたしが追っていた作品で追加されたキャラクターを好きになったら散々に叩かれていてきつかったというおはなし。
よかったら最後まで読んでみてほしいと思います。
嫌いなものを否定するなというわけではない
先に、今回のはなしをする前提として、わたしの考え方のおはなしから。
わたしは、普段誰かが好きであるかもしれないモノに対しての否定というのは極力しないようにしています。
とはいえ、わたしにだって嫌いなものや苦手なものが当然存在するのです。
そういう考え方自体を否定することはできないし、誰にとっても同じことなのだと考えています。
だから、わたしの方針としてわたしが嫌い・苦手なもの自体を悪く言うことはあるかもしれないが、それを好きである人や、あるいは使っている人自身を否定することはしないようにする。
それがわたしが大事にしていることのひとつなのです。
ひとつの例をあげましょう。
最近の配信では『遊戯王マスターデュエル』をプレイすることが多いのですが、その中でよくマッチするテーマに「ふわんだりぃず」というテーマがある。
とてもかわいらしい絵柄の鳥獣族テーマなのですが、やっていることはとてもかわいくないことで有名なテーマ。
わたしも対戦するのはすごく苦手だし、できれば相手をするのも嫌です。
配信でもたまに「無理」とか「つまらない」とか口にしてしまうことはあるのですが、ここで勘違いしてほしくないことがあるのです。
カードとしての「ふわんだりぃず」は、わたしはとても好きなのです。
だってめちゃくちゃかわいいもの。
それに、対戦ゲームで相手のいやがることをするのは勝ちにつなげるには一番の近道なのですね。
そういう意味では、相手に嫌だと思わせたら勝ちというわけなのです。
だから、テーマとしての「ふわんだりぃず」は嫌いだし、相手にしたくはないけれど、それを使う人間のことは一切否定しないし、カードとしてはとても好きなのです。
ここからはこういう考えを前提に読んでみてほしい。
追加されたキャラクターに一目惚れした
『アイドルマスターシンデレラガールズ』という作品がある。
765プロに所属するアイドルたちを描いた『アイドルマスター』から派生して生まれた作品のひとつで、もう10年以上も続いているコンテンツである。
初期には765プロのキャラクターたちも存在していて、むしろ彼女たちがコンテンツの中心であったと思います。
そんな『デレマス』にも定期的にアイドルが追加されて、その数は現在190人ととんでもない数なのです。
もともとモバゲーのコンテンツとして登場したのもあって、キャラクターの数は多くなければコンテンツとして成り立たなかったのだと思います。
そのうち『シンデレラガールズ』としてコンテンツが独立し、CDをはじめとしたメディアへの展開が開始されたわけなのですが、その過程でアイドルたちに声がつくことになったのです。
アイマスといえば基本的に声と歌ありきのコンテンツなので、この作品のようにキャラクターだけが増えて声がついていないというのは珍しい……というよりも、アイマスコンテンツ全体で見てもこの作品だけなのですね。
一定の期間を経て、長らく新規アイドルの追加がなくなり、何年もの間CDにライブイベント、TVアニメに音ゲー版『シンデレラガールズ スターライトステージ』(以下『デレステ』)といった展開を経て、その後は1年に数人のボイス追加という形に落ち着き、ある種の停滞期に陥っていたように思います。
あくまでわたし個人の考えですし、これは765プロ時代のアイマスにも感じていたことでもあります。
だからこその『シンデレラガールズ』や『ミリオンライブ』という新しい展開があったのだとも思いますよね。
そんな停滞を感じていた『シンデレラガールズ』において、久しぶりに新規アイドルが追加されたのです。
6thライブにて7人の新規アイドル追加が発表され、2019年に入ると、まずはモバゲー版に辻野あかり、砂塚あきら、夢見りあむの3キャラが実装し、その後『デレステ』で残りの4人黒埼ちとせ&白雪千夜、久川凪&颯が追加されることになります。
わたしが一目惚れしたのは黒埼ちとせというアイドルだったのです。
もともとわたしはモバゲー版稼働当初から北条加蓮の担当Pなのですが、個人的にはこの2人近しいものを感じました。
加蓮を好きになった理由としては、病弱に描かれていた彼女がアイドルの頂きを目指し、その過程で加蓮が前を向き、身体の弱い自分を克服していく。
そんな描かれ方がまさしくシンデレラストーリーだと感じたのですね。
一方で、ちとせは千夜とセットで登場したアイドル。
実装時イベントで語られることですが、ちとせには短命を匂わせる描写が多く諦観を感じる言動もある。
一方で、その従者として登場した千夜は2人の現状に満足している状況。
しかし、千夜のことを考えて停滞する2人の時間をよしとせずに動くのがちとせ。
わたしはその姿に惹かれたのです。
描かれ方は別だったのですが、加蓮もちとせも、自分の命・人生に対する答えを求めるようなキャラクター性があると感じたのですね。
もしも当初に実装されていたら、きっとこのキャラクターが一番の推しになっていたのだろう。
それくらい、わたしはこの黒埼ちとせというアイドルに惚れ込んだのです。
これで加蓮を推さなくなったというわけではなく、単純に推しが増えたんですよね。
このとき、わたしは初めて担当アイドルが増やしたのです。
実装のされ方が悪かったのか……
しかし、世間からの彼女たちへの評価といえば酷いものでした。
当時を振り返ると、キャラクターだけではなく声優さんに対してもなかなかに酷い言葉を浴びせる人たちがそれなりに見られました。
彼女たちが嫌われた理由については、正直わたしにも理解できます。
ちとせと千夜、凪と颯は2人1組での実装となったわけですが、彼女たちには最初からボイスがついていました。
また、ユニットのものではありますが、楽曲の実装がされたのです。
これは前代未聞でしたね。
もともと加蓮の担当だったわたしですが、加蓮は結構初期にボイス実装がされています。
しかし、『シンデレラガールズ』においては、2022年9月現在でもボイス実装がされていないアイドルが大半なのです。
彼女たちを実装当初から推し続けているプロデューサーも当然いるのですね。
そんなボイス未実装のアイドルを蔑ろにして、新規のアイドルにいきなりボイスと楽曲を実装した。
そう見られてもしかたがない実装のしかただったと思います。
わたしの友人にもこれがきっかけでコンテンツに萎えてしまったという人がいます。
わたしはボイス実装がされている加蓮の担当ですが、それ以外にも好きなアイドルはたくさんいますし、彼女たちに声がつくことを心待ちにしています。
であれば、そんなわたしよりも声がつくことを心待ちにしている未実装組の担当たちの心中を考えれば……ということです。
ただ、そんな気持ちが分かる一方で、先述したとおりコンテンツの停滞を感じていたので、新規客層の呼び水として必要だったのではないかという考えを彼女たちの実装当初から持っています。
ちょっとはなしが変わりますが、わたしは、オタクになった当初から結構マイナーな作品やキャラクターに惹かれることも多かったのです。
そんな感じだったので、わたしが好きなキャラクターってグッズがあまり展開されないということも多かったんですよね。
今でこそ、キャラクター人気の差異でグッズの展開のしかたが変わるのは商業的にしかたがないことだと割り切ることもできるのですが、当時は理不尽に憤る気持ちを抱いたりもしました。
こんな経緯を経ているのもあって、明らかに優遇された実装のしかただったり、彼女たちの扱いが批難される理由は十分にわかるのです。
それでも、これもコンテンツが継続するには必要なステップだったのではないかと感じてならないのです。
『アイマス』全体で見てみると、同じ理由ではなかったとはいえ似たような事案をすでに経験しているんですよね。
『アイドルマスター2』のときの竜宮小町の所属アイドルがプロデュースできない問題と、ライバルアイドルとして登場した「Jupiter」という男性アイドルユニットの登場問題ですね。
こちらも相当に燃えたのです。
でも、のちの展開で『アイドルマスター SideM』が登場し、彼らが看板ユニットとして登場したときはすごく嬉しかった。
時が流れて「許された」という声もあるが、そもそも許されるもなにも彼らのキャラクター性や声優さんたちはなにも悪くはないわけだ。
『シンデレラガールズ』におけるこの炎上は、『アイマス2』のときの炎上のしかたに近いかったんじゃないかなとわたしは思っています。
彼女たちへの批判に心が折れかけた
先述したとおり、彼女たちがヘイトを集めるであろうことはある程度読めていました。
問題は、その激しさ。
実装のしかただけではなく、これまでにない尖り過ぎたキャラクター性、イベントへの登場回数が優遇されたという問題もあり、彼女たちは完全に炎上してしまったのです。
Twitterなんかで調べてみれば検索サジェストにすら口汚い言葉が並んだりもしたと記憶しています。
ちなみに、いまだにGoogle検索などではサジェストに「炎上」や「ゴリ押し」などが並んだりもしますね。
これらのワードをわざわざ辿らずとも、キャラクターの名前で調べるだけでも見るに堪えない罵詈雑言を見かけることもありました。
実装当初から1年ほどはそんな環境だったと記憶しています。
正直、この状況はキャラクターのファンとしては相当堪え、このコンテンツから離れてしまおうかを真剣に悩んだこともありました。
人間のそういう汚い部分って見たくはありませんからね。
その後、2020年2月の7thライブ大阪公演にちとせ役の佐倉薫さんと千夜役の関口理咲さんが出演されることが決まり、もう少しだけ、せめておふたりの活躍だけは見届けてからにしようと考え直したのです。
運良く両日ともにアリーナ最前付近に立つことができたので、おふたりの活躍を見ることができて本当に嬉しかったのを覚えています。
そこで公演のすべてをやり切ったその姿を通してか、ちとせと千夜というキャラクターを受け入れられたという人も増えてきたように感じました。
とはいっても、彼女たちが出演するから絶対に行かないと口にしていた人たちもいたし、ライブ後も扱いを変えない人もいましたが、それはそれでしかたないことなのです。
それでも、少しずつ彼女たちを好きになったという人が増えたのは本当に嬉しかったな、と。
結局なにがいいたかったのか?
キャラクターのことを悪くいうのはしかたがないと思います。
その描かれ方や扱われ方を好む人もいれば嫌う人もいるのですから。
ただ、キャラクターを飛び越えて、それを演じている人やそれを好きでいる人自体に批難を浴びせるのはやり過ぎだと思うのです。
これが最初に書いたわたしの考え方につながるんですね。
『シンデレラガールズ』に限らずとも、やはり自分の好きなキャラクターに活躍してほしいのは当たり前なんです。
それは、新たに実装された7人、とりわけ初期からボイスと楽曲が実装されていた4人のことを好きな人たちにとっても一緒なんですよね。
出番が多ければ喜ぶし、少なければ悲しいし、他の出番が多いキャラを妬んだりもするわけです。
ここは理解してほしかったなと思うのです。
あなたが嫌いなものだったとしても、それを好きな人は必ず存在するのです。
でも、その反対にあなたが好きなものを嫌いな人だって必ずどこかに存在するんです。
であれば、自分が好きなものをけちょんけちょんに貶されて、それを好きな自分自身まで否定されてみたら……それを考えてはみませんか?
もしかしたら、いずれ自分がその立場になることもあるかもしれません。
過去に他人やその人が好きなものをバカにして貶していたあなたがこの立場に立ったとき、それに悩んでもだれも反応すらしてくれないかもしれませんね。
普段の言動だけではなく、炎上した事柄についての発言は結構多くの人が見ているのです。
わたしにも経験がありますが、SNSを使っているとその人の、悪い意味で意外な一面を見てしまうこともあります。
それもまた哀しいことです。
わたしを含めて、なにかに対して否定的で攻撃的な言葉を放ったことがないという人はいないと思いますし、まったく裏表のない人も存在しないと思っています。
でも、発言の前にこれを見る人がどういう捉え方をするかは考えられますよね。
100%言葉の意図やその裏にあるものが伝わるわけではありませんが、少しだけでも意図しない伝わり方を避ける努力はできると思います。
わたしも何かを発言するたびにそういったことを考えているかというと100%ではありません。
ここに書いたことで、わたし自身もこの考えを今一度心に刻んで、発言には気を付けていきたいと考えています。
みんな、好きなものは好きだって胸を張っていこうね!
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