【カオリ】便り
これはもう一度お話したかった
あなたに送る短い手紙
この世で一等
「恋」をしたかも知れなくて
それも結局は
「恋」より「愛」し続ける事を
今なお選び続けていている
延長線上の
あのちっちゃな子の
小さな おたより
『拝啓 〇〇様へ』
『お元気ですか?』
『落ちこんでいませんか?』
『よくねむれていますか?』
『ごはんは食べれています?』
『味はしますか?』
『音は優しくきこえますか?』
サラサラと みどりいっぱいの木々が
揺れる音は せつなくて
『会いたいで
「で」の濁音を書き終えたところで
いそいで最後の一文 ぐしゃぐしゃ消した
さよーなら
さよーなら
またいつか
いつか この想いを伝える
その時に
一緒に開こう
たよりの封を