よもぎと小さな友だち 最終回
そこが、どれほど辛く悲しい場所か、
ぼくは分かっているから。
君との約束を守っちゃいられないくらい、懐いているんだ。
君とはもう二度と会えない気がするから、
後悔したとしても、ぼくの心に正直でいたい。
君がそうしたように。
⁷⁴
きっともう旅立ってしまったのかと思ってた。
だって君は足がとっても速いから。
君が苦しそうな顔じゃなくて良かったよ。
ごめんね。
きみは来ちゃだめだよって言ってくれたのに、
約束、破っちゃった。
君はそれでも手を差し出してくれるんだ。
側にいてくれて
ありがとう。
またね。
⁷⁵
君は確かに、ここにはいない。
でもね。
「星がみんな、きみの友だちになるわけさ。」
この夜空は君だと思えるよ。
君を探したあの日も、
洞窟や、海に浮ぶ島を冒険したあの日も、
かよわいバラを助けようとした優しい君も、
強がりな君も、
残されるぼくにくれた言葉も、
君のぬくもりも、
みんなぼくの星空で、きらきらしているよ。
どうか君たちが、
いつまでも仲良くいられますように。
ぼくや君たちの笑い声が、光に乗って届きますように。
⁷⁶
追伸。
君もあれを見るべきだと思ったんだ。
⁷⁷