よもぎの海底探索 その2
水中の洞窟を進むと、そこは水草の茂る藻場だった。優しい波はそよ風のように全身を包み、それはまるで草原のような暖かさを感じるが、ここが水中だと思えるのはこもって聞こえる空気の音。ぷくぷくと水草から湧き立つ泡が、踊るように揺れながら海面へ向かって行く。
水中に咲く青い花、見たこともない硬い闇の貝、水面から光が濾されて優しく海中を照らす。
そんな優しい風景のせいだろうか、水中なのに不思議と息苦しくない。いつまでもここで暮らせような心地よさ。
ここはなんて素敵な場所だろう。こんなに