よもぎの空飛ぶお手伝い その2
2つ目のお手伝いは、舟を探して持って来ること。
ぼくだけだと大変そう。
時間はかかるかもしれないけど、やってみるね。
行ってきます。
…………
ここは雨林の地下。
いつかあの子と一緒に探検した場所。
今日も星空の中であの子が笑ってくれてたら良いな。
どうやら目的の舟は……てんでばらばら、しほーはっぽー。
怖いもの知らずなあの精霊さんもびっくりするくらい、あちらこちらに散らばってしまったみたい。
こりゃあ、大変だ。
僕より大きな舟のかけら。気合を入れて引っこ抜くよ。
そーれっ!
えんやこら!
うんとこしょ!
はー、どっこいしょ。
ひとやすみ、ひとやすみ。
舟のかけらはたくさんあるみたい。
疲れちゃうから気合いを入れて、ゆっくり行こう。
ぼくとあの子の思い出の場所。
キノコでお腹を抱えたこの場所も、いつのまにか舟のかけらが座ってた。
そこ、お日様が当たって気持ちいもんね。お舟さんとは気が合いそう。
…………
ぜーんぶ集めたよー!
集めた舟のかけらたち、工匠さんがくっつけて、
平べったい舟の出来上がり!
ぼくもひとりで集めたけれど、工匠さんもひとりでくっつけたみたい。
ひとりで何かをするのは大変だよね。
後でぼくの自慢の頭を触ってくれたら、ちょっとは元気が出るかな?
立派にくっついた舟に、工匠さんがずんと乗って、
マンタがそれをゆっくり引っ張っていく。
こっちだよ。
壊れたアーチの場所は、片方の黄色が教えてくれる。
工匠さんにかかれば、あっという間にアーチの完成。
カランコロン、風鈴の音が鳥たちを道案内。
かなーり奥まで広がった風の道。まだまだ遠くへ繋がるんだって。
お昼寝スポットのはしご、なんて出来るようになるかも。
楽しみだね。