よもぎと小さな友だち 2
ぼくの頭を満足そうにポフポフした君は、
いきなり丘を滑りだした。
⁸
ぼくの精いっぱいの羽ばたきでも敵わないくらい、
とてもすばしっこく、楽しそうに砂漠を駆けていく。
⁹
たどり着いた先は
¹⁰
「そうだ、かくれんぼをしようよ」
いいよ、うまく隠れてね。
ひとつ、
ふたつ、
みっつ、
よっつ、
いつつ!
¹²
………
あ!
見つけた!
¹³
もう一回するよ。
次だって見つけるさ。
¹⁴
………
………?
………!
見つけた!
¹⁵
何度だって見つけてみせるさ。
¹⁶
ほらね。
¹⁷
ぼくらは体全部で大笑い。
君も見つけられるのがとても上手!
だって、君が見つからなかったら心細いからね。
¹⁸
君は本当にどこまでも自由。
かくれんぼの次は、大人を探しに行くんだね。
¹⁹
渡り鳥と一緒に、今度はゆっくり行くんだね。
またね。
²⁰
そうだ。
バラさん、君の友だちに会ってきたよ。
²¹
そう言うと、バラは眩いくらいに輝きだして、バラの思い出がぼくを包んでしまったんだ。
²²
きみは、ずっと待っていたいんだね。