よもぎの空飛ぶお手伝い その0
「やあはじめまして、私は鳥です。可愛いでしょう。
今は休憩中でしてね。雨の中を抜けてきたものですから、羽が濡れちゃって。乾かしてたところなんですよ。
しっかし、ここはふかふかしてるし暖かい。最高の休憩場所ですね。
いっその事、ここに巣を作っちゃおうかな!なんて。ははは!」
………。
……………ぼくのアフロを勝手に家にされちゃ困るよ。
「おや!?星の子さんの頭でしたか!あまりにも居心地の良いアフロなので雲の中かと思いましたよ!いやいやいや、これは失礼致しました!」
気持ちよくお昼寝してたのに、もう。
………まあ?ぼくの自慢のアフロを気に入ってくれたなら、ちょっとだけなら休憩してくれても良いよ?ちょっとだけね?
「何と…お優しい!私、その優しさにうるっときちゃいました!ぐすん、ではお言葉に甘えて…。」ふかぁ…。
ぽかぽかしてて暖かいね。
「そうですねぇ。星の子さんはお昼寝の途中だったのでしたね。そうだ。実は、ここよりお昼寝にピッタリな場所がありますよ。」
…ふぅん。どんな場所なの…?
「オレンジのお花が笑うように咲き誇り、雲に囲まれていて、静かで暖かくて、そうそう、素敵な音色の風鈴がありましたね。あれ、私、好きですねぇ。昔は街道で精霊さんたちや光の生物が行き交う賑やかな場所だったらしいのですが、今は廃れてしまいましてねえ。街道を塞ぐ雲が晴れれば、私の羽は濡れなくて済むし、また賑やかになるんでしょうけど。そうだ、星の子さん、ええと、お名前はあります?…星の子さん?」
…………ぬぅ…寝て…ないよ…すぅ…聞いてる…ぷすぅ……。
「……星の子さん、起きたらで良いので、その街道に行ってもらえませんか?あなたなら、街道をなんとか出来るかもしれません。」
……うん〜。考えとく…。
「……よろしくお願いしますね。…よし、私も一眠りしようかなっ。」