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よもぎと小さな友だち 6







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強い光は影を濃くしていくものさ。

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君は美しいものを見て癒やされようとしているけど、

その姿はかえって君の深い傷を浮かび上がらせて、

ぼくもなんだか辛くなってしまう。

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おとなり、座ってもいい?



ここは冷たくて、誰もいなくて、きれいな場所だよね。

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ぼくもその楽器は触ったことないけど、
君の為にやってみるよ。


どこからか音楽が聞こえてくる気がして
ぼくはそれに合わせながら、なんとなくポロンポロンと弦を弾く。

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弦から手を離すと、君も誰かに背中を押されるように口を開いた。

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「ぼくね、火の暮れるころが、大好きなんだよ。

 ぼくの星にいるみたい。

 いつだったか、日の入りを四十四度も見たっけ。」

いつものように楽しそうで、少し悲しそうな話し方はしなかった。


それはまるで、のどに何か詰まらせたみたいに、


「ぼくのバラも日暮れを見ているかな?」


胸に巣食った大きい何かを吐き出すような、


「強い風に、吹かれてやしないかな?」



今にも割れそうなガラスでできた鈴みたいな声。

君は必死に押さえつけていた心の栓を開けてしまったんだ。

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もちろん。

ぼくの心を少しずつ少しずつ音に込めて、君の為に。

君の涙が、思いが、バラさんに伝わりますように。

バラさんの思いが、君を癒やしますように。

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「ぼくは、彼女のすることで考えるべきだったんだ…。

 言うことを取り上げるんじゃなくて、」

君は悲しみの心で見えない何かを見ようとしていた。


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「きみも、

 ぼくはあのバラに責任があると思う?」




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君の頭にぼくの手は届かない。

でも、ぼくの身長が低くてよかったよ。

君はぼくの自慢の頭をぽふぽふ出来るし、

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ぼくからは君の涙がよく見えて、
君のほっぺを拭いてあげられるからね。

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ぼくこそ、君の側にいさせてくれて、ありがとう。

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君は鳥を集めていつものようにゆっくり旅立っていった。

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君と別れるときはいつも寂しくなるけれど、

今日はあんなに辛かった胸がぽかぽかするんだ。

きっと、また会おうね。

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あの子のことを話すと、バラさんはいつも思い出を見せてくれるけど、
そのたびに思うんだ。

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いつも自分の事を考えているようで


いつもお互いを想っているところが


とても良く似ているなって。







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