読書日記『深夜特急』
「あ、このひとと仲良くなれそう」
そう思ったひとに好きな本を尋ねると、必ず沢木耕太郎の『深夜特急』と返ってくる。
このシリーズを本格的に読み始めたのは、ちょうど横浜に着港しようとしていたダイアモンド・プリンセス号のニュースで持ちきりだった日だった。
たまたま、旧友がダイアモンド・プリンセス号に乗る予定というので、見送りに知り合いたちが集まり、互いに感染対策をしながら過ごしていた。
その中に初対面の方がふたり。
おふたりとも海外にかなり縁がある方で、これまでやこれからの話を聞いてとてもわくわくした。
そんな中好きな本が『深夜特急』だと互いにわかった時は大盛り上がりだった。
そこから、海外に行くのはとても難しい時期が続いた。その中でも、本を通じて私を世界へ解き放ってくれたのはまさに『深夜特急』だった。
その間腐らずに日本でできることに取り組めたのはこのシリーズのおかげだと思う。