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【文学レビュー】生涯のベスト『ラブレス』

桜木紫乃/ラブレス

謎の位牌を握りしめて、百合江は死の床についていた――。彼女の生涯はまさに波乱万丈だった。道東の開拓村で極貧の家に育ち、中学卒業と同時に奉公に出されるが、やがては旅芸人一座に飛び込んだ。一方、妹の里実は道東に残り、理容師の道を歩み始めた……。

ラブレス概要から

若い頃からジャンルを問わず小説を読むことが好きで、休みの日に書店でたまたま手に取った文庫本の背表紙にあった上記の概要を目にし、即購入しました。

読み始めたら止まらず、食事も忘れ夢中で最後まで読み通し、深い感動をおぼえたことをはっきり記憶しています。

「ラブレス」は、百合江と妹・里実を中心に展開される、家族の物語です。幼少期から60年に渡る波乱万丈な人生を通じて描かれる二人姉妹の絆や女三世代の生き様が巧みな筆致で描かれ、物語にぐっと引き込まれます。

戦後の北海道標茶町で、極貧の開拓民の家庭の長女として育った百合江は、夢を追いかけようとしますが奉公に出され、数々の裏切りや辛酸をなめながらも、運命的な出会いによって人生が大きく変わっていきます。

あらためて読み返したい、感動的な一冊です。

島清恋愛文学賞受賞

※最近、stand.fmでも映画や音楽の話をしています。良かったら聴いてみてください。

https://stand.fm/channels/6655ca62316143a771ce9aa6


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