2024.04.01 2つのカップとヘッドホン。

MRI

4月1日、MRIの検査に向かう。
エイプリルフール…なんで嘘ついていいんだっけ?いま、こうして検査をしていること自体が、嘘だったってことで綺麗さっぱり消されてしまうことってないんだろうか。
そんなどーしょもないことを思いながら、検査室に辿り着く。

無機質な、割と広めの待合室に入れられて、検査着に着替え、ひとりぽつんと椅子に座って技師さんが来るのを待った。
MRIというのは「造影剤」というのを体の中に入れる。
事前にもらった説明書に、「身につけていてはいけないもの」という項目があり、ペースメーカー、貴金属類と並んで、「刺青」と記載されていた。金属がだめな理由はなんとなくわかるような気がしたが、なぜ刺青…?
調べてみたら、入れ墨(刺青、タトゥー)やアートメイク には着色顔料に酸化鉄などの金属成分が含まれおり、この金属成分が電磁場に反応してしまうと、検査画像が乱れてしまうんだそうだ。
へぇー、刺青って、金属成分はいってるんだ…
関係ないけど。

造影剤を入れるための針を刺しに技師さんが来た。
わたしの血管は看護師さん泣かせらしく、わりとよく失敗される。以前、何かの検査の時「血管が逃げちゃうんですよ〜」っていう表現をされたことがある。そりゃ、針が迫ってきたら逃げたくもなるよね。ビビリなわたしは、身体の中までビビリに違いない。
今回も「ごめんなさいね、もう一回、こっちに刺してもいいですか」ということになり、手の甲に針が刺された。

そして、検査室の台に案内される。
「うつ伏せになってくださいね」といわれた台には、ゴルフのカップが2つ並んだような穴があった。うつ伏せになって、そのカップの中におっぱいを入れるのだ…!
なんてシュールな……
うつ伏せで、両手はほぼ万歳の状態、という態勢が整ったら、技師さんが来て、「うるさいのでヘッドホンを付けますね。どうしても我慢が出来なくなったら、このブザーを鳴らしてください。でも、できるだけ頑張って!」といいながら、頭にヘッドホンを乗せ、右手にブザーを握らせて去っていった。

ヘッドホンでも我慢出来ないくらいの音ってどんなんだよ?と思い、ドキドキしていると、ついに、機械の動き出す音がし始めた。
始めの頃は、まあ、まだ余裕があった。こんなもんか、これなら大丈夫じゃん。と思っていたがそのうち、音はどんどん大きくなってきた。何かの警告音みたいな音が大音量で、鳴っては止まり、また鳴って…を繰り返す。
「捕まっちゃった宇宙人が、背後からレーザーで撃たれるとしたら、きっとこんな感じなんだろう…」と、どーしょもない空想をしながら、ひたすら音の止むのを待った。
もうだめだ、次こそブザー押しちゃうかも…を何回繰り返しただろう…やっと機械が静かになった。
ああ、終わった…お疲れさま、わたし…





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