2024.04.03 針生検で感じるのは音じゃなくて衝撃
MRIの2日後の4月3日。
今度は「針生検」という検査をする。
腫瘍のあるところまで、針を刺して組織を採ってくるらしい。なんとも恐ろしげな検査だ。
この日も、待合室に着くなり、「1時間半の遅れ」の表示が。
ちょっと待て、午後の診察始まったばかりなのにそれってどういうこと?
それでも、検査はしてもらわねばならぬ。
この日も待った。ひたすら待った…
乳腺外来というのは、まあ、患者さんのほとんどが女の人で、それも、年齢層が高め。
そして、ご夫婦で来ている方が多く見られる。(地方の病院なので、電車などより自家用車で来る場合が多いからかも。)
待合室ですることないので、他の患者さんたちというか、よそのご夫婦をぼんやりとウォッチングしていた。
この日、明らかにわたしよりも年上と思われる年代のご夫婦が3組いた。
皆、同様に、予約の時間よりも大幅に遅れている。
すると、どんな事が起きてくるかというと…
付き添いの旦那さんの機嫌がどんどん悪くなってくるのだ。
ぶつぶつ文句をいう人。奥さまに、待ち時間の確認をさせる人。「もうこれ以上待てないから予約を別の日に取り直してもらえ」といって、事務のスタッフさんを呼びつける人…
オトコドモ!ちょっとまて。確かにこの状況で腹のたつのは十分すぎるほどわかる。
でも、いちばん疲れてがっかりしてるのは、あんたたちのとなりに座っているひとなんだよ!みんな、病気を抱えて疲れて不安なのに、そういう人に自分のイライラをぶつけるんじゃないよ!
そして、わたしは決めた。
この場には今後もひとりで来よう。
(夫はきっとイライラしているんだろうな…)って思いながら、自分の検査の心配をするなんて私にはムリだ。
予定の時間から4時間たち、やっと検査室に呼ばれた。
壁際のベッドに、上半身の服を脱いで仰向けになるように言われたので、言われたとおりにした。看護師さんがタオルを掛けてくれて、「しばらくお待ち下さいね」と言った。
針を刺して組織を採る…針…どんな針なんだ?
と思いながら待ったが、ここでもまた、長いこと待たされた。
服を脱いで待たされるって、なんて不安なんだろう…
もしかしたらほんの数分かもしれないけど、自分的には相当待った…すると、最初の看護師さんが、「お待たせしてごめんなさいね。ああ、手もこんなに冷たくなっちゃって…緊張したら冷たくなっちゃいますよね…」と、そっと手を握ってくれた。
リアル白衣(白じゃなかったけど)の天使じゃん!!!
心の底からそう思った。ひとの手ってあったかい…
そんなふうにしんみりしていると、ついに、医者がやってきた。初日に、ろくに人の顔もみないで検査の指示を出したあの医者だ…
モニターを見ながら、始めますね、と言って「何か」があるところの対角線上くらいのところに、針を刺した。え?まだ刺すの?っていうくらいずんずん刺さってきた。まあまあ痛いよ。でも、検査だから耐えねば。針の先が目的地に到達したらしく、少しの間があって「はい、この麻酔が効くまで少し待ちますよ」という声とともに針が抜かれた。
え?麻酔かけるの?今のじゃないんだ。
しばらくすると、再び医者がやってきて、「では」みたいな感じでもう一度、針の先らしいものが肌に触れた感覚があった。が、痛い!
「痛いです」というと、「まだ麻酔が効いてないのかな。もう少し待とうか」と言って、医者は隣の部屋に戻っていった。
「もういいかな」と言いながら、再度、組織を採る為の針を刺されたのだが、やっぱり痛い。「痛いです…」と、小さな声でいうと、「麻酔がなかったらもっと痛いよ」と言われ、容赦なく、針を乳の中に刺していく。
たぶん、腫瘍のあるところを探しているのだろう…ぐりぐりというか、うねうねというか、皮膚の中で針が動く感じがなんともへんな気分だ…
そりゃあ、モニター見ながら探すんだから大変なんだろうな、と思っていたら「今から音が鳴りますよ」という声がしたのと同時に、「バチッ!」という衝撃があった。思わず、身体がビクッ!!となるくらいの衝撃だったのだが、「そんなにびくってするほどのものじゃないでしょ」と言われた。痛がりだねぇ…と、明らかに良い感情で言っていないと思われる言葉を吐き、あと2回、バチッ!!っとされた。
あんただって、「耳元で音がしますよ」って言われてたのに、頭をべちん!ってされたらこういう反応するだろうがよ!と、なんだか悔しい気持ちになった。
組織を採る作業が終わると、医者は部屋から出ていき、服を着終わった頃、あの白衣の天使さんが現れた。先程と同じように、わたしの手を温めるようにふんわりと包んでくれて、「痛かったですよね、大変でしたね…」と声をかけてくれた。
怖かったのと、痛かったのと、医者に対してなんだか悔しくて、涙がポロリと出た。
次回、4/22と記載された予約表をもらって病院を後にした。
20日後、なんて言われるんだろう…
ホッとしている自分と、ショックを受けている自分。両方を想像しながら車を運転した。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?