凍結防止剤について考えてみた
今週の週末は、寒波が来るという事で凍結防止剤が使用されるのではないかと、週の初めから予想していたのですが、予想通り中山競馬場だけですが散布されたようです。
そこで、改めて「凍結防止剤」とはなんぞやという事と、散布することで馬場にどういう影響が与えられるのか、という事を考えてみたいと思います。
冬のダート競馬攻略:凍結防止剤の影響と戦略
冬場のダート競馬では、通常のレースとは異なる特徴が現れることがあります。その一因となるのが「凍結防止剤」です。今回は、この凍結防止剤がダート競馬に与える影響や、それを踏まえた攻略法について詳しく解説します。
凍結防止剤とは?
冬場、気温が下がるとダートコースは凍結のリスクが高まります。これを防ぐために各競馬場では凍結防止剤が散布されます。この凍結防止剤は、塩化ナトリウムや無水硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムといった成分で構成されており、人馬に安全な物質です。
防止剤の役割は、ダート中の水分に溶けることで水の凝固点を下げ、凍結を防ぐことにあります。例えば、防止剤が100g散布されると、ダート表面は約-1℃まで凍らなくなります。この技術によって冬場でも安全なレースが確保されるのです。
凍結防止剤がダートに与える影響
凍結防止剤の影響で、ダートの状態やレース展開が変化することがあります。以下に主なポイントを挙げます。
保水性が向上
凍結防止剤はダートの水分と反応し、保水性を高めます。その結果、砂が湿った状態が持続しやすくなり、乾きにくい馬場が形成されます。例えば、2024年2月4日の小倉競馬では、雨が降っていないにもかかわらず稍重の馬場が続いていました。これは凍結防止剤による影響と考えられます。粘り気の増加
保水性が高まることで、ダートに粘り気が生じることがあります。この粘り気により、馬の脚が抜きにくくなるため、走破時計が遅くなるケースがあります。ただし、湿りすぎた場合は逆に脚抜きが良くなり、タイムが速くなることもあります。※ここ要注意パワー型の馬が有利
冬場のダートでは基本的にパワーを要する傾向が強まります。実際、2024年の東京競馬場のダートでは、馬体重480kg以上の馬が高い成績を収めています。この傾向は、特にフェブラリーステークスのような大舞台で顕著に表れ、大型馬が台頭しやすいことが過去のデータからも確認されています。
冬場のダート攻略法
凍結防止剤が撒かれたダートコースを攻略するためのポイントを以下にまとめます。
馬体重に注目
冬場のダートでは大型馬が有利です。特に馬体重が500kg以上の馬は好成績を収めています。予想の際には馬体重を重要な指標とすると良いでしょう。当日の馬場状態をチェック
凍結防止剤の影響で馬場状態が微妙に変化するため、当日の馬場状態を綿密に確認することが必要です。過去のバイアスを参考にする
凍結防止剤が撒かれたダートは馬場が固定されやすく、前週や前日のバイアスをそのまま引き継ぐ場合が多いです。前日のレース結果を参考に、内外の有利不利や逃げ先行馬の傾向を把握することが有効です。道悪適性の確認
凍結防止剤が撒かれていても、馬場が不良になると時計が速くなることがあります。この場合、軽い馬場適性を持つ馬が台頭することがあるため、天候や馬場の回復具合にも注意を払いましょう。
具体例:2024年東京競馬場のケース
2024年1月25日と2月8日に東京競馬場で凍結防止剤が散布されました。1月下旬から2月初旬にかけて、東京のダートでは大型馬が上位に食い込むレースが続いており、馬体重480kg以上の馬が多く好成績を残しています。
また、2月5日に降った雪の影響で、防止剤が流された後に再散布されたことも影響している可能性があります。このようなケースでは、凍結防止剤の影響が強く出るため、過去の傾向を加味して予想を立てることが重要です。
まとめ
冬場のダート競馬における凍結防止剤の影響は、時計のかかりやすさや馬場状態に大きく影響を与えます。この特殊な条件を攻略するためには、馬体重や馬場状態のチェック、過去のバイアスの確認など、さまざまな観点からレースを分析する必要があります。
冬のダート競馬は、通常とは異なる条件が絡むため難易度が高い一方で、ポイントを押さえることで他の予想家との差をつけるチャンスでもあります。