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誰も知らない、知り合いなんて一人もいない世界でも、やっぱり私は生きていく。
2020年。気がつけばもうあと数日。本当にあっという間だった。
離婚して、誰も知らない、知り合いなんて一人もいない、たまたま見つけた素敵な保育園に興味を持って調べたこの街に、息子と二人で住み始めて、もう1年が経った。
離婚したとき、周りの友人や家族は地元に戻ると思ったに違いない。
でもなんとなく、今の仕事が好きだったし、近くに(と言っても電車で1時間半かかるけど)姉もいるし、実家に帰ったら絶対母とケンカをすると思ったので、こっちに残る選択をした。
結果は『良好』。
静かな町並みで、スーパーもドラッグストアもごはん屋さんもそれなりにあって、息子の好きな電車もすぐ見られる。坂道もほとんどないから電動チャリと気合と体力があれば、わりとどこへでも行ける。
憧れのステキな保育園には結局入れなかったけど、なんとか入れた保育園では、優しくて明るくて話しやすい先生が担任になってくれた。その先生の連絡帳のコメントを読むのが毎日の楽しみで、息子の発した一言、息子の表情、どれをとっても、今目の前で息子を見てるかのように書いてくれた。
息子の成長に気付いてくれる先生だった。
半年かかってママ友もできた。
息子と同じクラスの仲良しAくん。お互いに家ではそれぞれの子の話を聞いていたから、初めて保護者参観のときに挨拶しても全く違和感がなかった。
保護者参観で1回会ったっきり、お迎えの時間がかぶらず会えなかったが、半年経ったある日、2日連続で会えて、ご飯の約束をした。
3つ上のママだったけど、話した感じも服のセンスもなんとなく似てるのがわかって、まだたった数回しか会ってないとは思えないくらい。
中学のときから同級生??と思えるほど、気があった。
そして、いろんな出会いと別れもあった。
運命だと思った出会いもあった。大好きな人ができた。
その人とは一緒になれなかったし、もう会えないけど、一生好きだと思う。
出会えたことに感謝。想ってくれたことに感謝。
誰とも幸せになれない、誰のことも幸せにできないと、毎日泣いて、息子に心配されて、ダメ母だと自分を責め続けた日々もあった。
だけど、そうやってぐずぐずし続けるほうが、自分にとっても息子にとってもよくないと思えた。
そう思わせてくれる人に出会えた。
引っ越して一年。2020年。
働き方が変わって、出会いと別れを繰り返して、人生で一番泣いた1年だったかもしれない。年をとって母親になって涙もろくなったからかもしれないけど。
私のためを思ってくれる人や、私のことを想ってくれる人に、たくさん出会えた。
そう。私は恵まれてる。人運が強い。
私は生まれてからずっと、周りの人に恵まれた人生を過ごしている。
そう強く実感している。
家族も、友だちも、先生も、恋人も、先輩も、会社の人も。
みんなに助けられながら、生かしてもらっている。
笑って生きてられている。
波乱万丈なこの10年を乗り越えられたのは、周りの人のおかげ。
誰も知らない、知り合いなんて一人もいない世界でも、
やっぱり私は生きていく。
いろんな出会いといろんな愛に恵まれながら、
やっぱり私は生きていく。