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『ようこそBALLGAMEへ!』第1巻の紹介と雑感
(この記事はあらすじレベルのネタバレや作品に対する感想を含みます)
ひとことレビュー
『ようこそBALLGAMEへ!』は、プロ野球野球を取り扱った作品です。
特に、横浜DeNAベイスターズファンの皆様におすすめ。
プロ野球観戦の楽しさを描いているので、すこしでもプロ野球に興味があれば、ぜひ読んでみてください。プロ野球観戦は楽しいですよ。
あらすじ
親が海外転勤により、高校生から横浜の石川町に一人暮らしすることになった、叶野彗(カノケイ)。
すこし貞操観念が心配な子です。
何故か入寮名簿に自分の名前がなく、いきなり家なき子となってしまう。
気晴らしに中華街で食べ歩きをしていると、急ぎ足のお姉さんサトミとぶつかり、肉まんを落としてしまう。
落とした肉まんに感情移入をする、情緒も不安定で心配な子です。
サトミはお詫びにと、横浜のプロ野球チーム「横浜ブルース」のオープン戦を観戦するため、横浜スタジアムへ連れて行かれてしまいます。
知らない人についていっちゃう、心配な子です。
野球なんて知らないのにと思いつつ、持ち前の大きな声をおだてられ、自分の名前に似たブルースの四番、叶野彗太の応援をしたところ、
ホームランボールが自分のところに一直線に!
初めてのプロ野球観戦を楽しみます。
観戦後、宿無しを打ち明けたところ、運命を感じたサトミが自分の管理する物件にケイを住まわせることに。
その家は、「ブルースファン」だけが住む特殊なお家だったのです。
引き続き野球観戦をしたり、
ビールの売り子をしたり、
同じ家の住民でもある、美少女?男の娘?カリスマビール売り子のミナトとみなとみらいデートしたりと、徐々にプロ野球観戦の魅力に取りつかれ、横浜を満喫していくケイのお話です。
雑感
架空のプロ野球チーム「横浜ブルース」の野球観戦が主なテーマなこの作品ですが、その「横浜ブルース」は実在の球団「横浜DeNAベイスターズ」をモチーフに作られています。
まあ、モチーフどころか球団名以外はほぼベイスターズそのまんまです。
偶然にもボクはまあまあコアなベイスターズファンですので、元ネタはほとんどわかります。そのため、今日の雑感はベイスターズファン以外にはなんともわからない内容になりそうなので、まずはベイスターズ関係のないところから
プロ野球野球観戦と『ようこそBALLGAMEへ!』
皆様は野球にどんな印象をお持ちでしょうか?
意外にも野球人気というのは、ここ数年ずっと上り調子です。
ボクが子供の頃くらいまでは、テレビ番組がつぶされたり、予約時間がずれて全部録画できなかったりと、結構な子供のヘイトを貯めていた野球というコンテンツですが、00年代には人気が低迷、テレビ放送も少なくなりといった流れでした。
しかし「カープ女子」を皮切りに、野球の人気は回復し、現在は過去最高レベルでチケットの取れないコンテンツになっています。
というのも、巨人戦のテレビ放送におんぶにだっこだった時代から、野球というスポーツを生で見て盛り上がるライブコンテンツとしての人気が高まってきました。(所説あると思いますが、ボクはそう考えています)
そんな生で見るライブコンテンツとしての楽しさを描いているのがこの『ようこそBALLGAMEへ!』です。
横浜スタジアムの空気感。
大声を出して、見知らぬ人とも一緒に応援する一体感。
プロ野球観戦は楽しい。そんなことをしっかりと描いてくれています。
プロ野球観戦が趣味の人なら、共感が出来ると思いますし、あまり見たことない人は、この作品を読んでぜひ実際のプロ野球観戦をしてもらえればと思います。
ちなみにボクは野球観戦する場合はドームより断然スタジアムで見ることをお勧めします。ドームだと野球の楽しさが7割減です。(正直、ボクはドームならわざわざお金払っては見に行きません)
元気いっぱいなケイが可愛いです。
また、ケイは女子高生にも関わらず、ラッキースケベも何度かあります。
ただし、この娘は男です。
ストーリーはコメディで、メリハリの効いた展開が物語として面白いので、野球が分からなくても楽しめると思います。
しかし、なんでこのかわい娘ちゃんのミナトが男なのかというところにはなんだか闇を感じますね。
横浜DeNAベイスターズと『ようこそBALLGAMEへ!』
ここからはベイスターズ色が大変濃い内容になっています。
ストーリーの盛り上がり部分の一つである横浜ブルース四番の「叶野彗太」は、現横浜DeNAベイスターズ四番の「佐野恵太」です。
ホームランは一本目が出るまでに時間がかかりましたが、現在は首位打者・最多安打のタイトルを競っている一流選手です。
昨年までは控え選手だったにもかかわらず、前四番の筒香の移籍からラミレス監督が大抜擢し、その期待に応え続けています。
そのほかの選手も基本的に実在選手のパロディですし(沢山ありすぎて紹介しきれません、実在のミッシーは現在抑えで大活躍。酷使されなくなって良かったね)
阪神との因縁も、ベイスターズにはここ最近おなじみです。(今年は今のところほぼイーブン!)
あと、このポーズがわかるのは20年前のベイスターズを知っている人だけですよ。
小学生は知らないハズです。ボクが小学生の頃の話ですよ。
ちなみに、創作にも関わらず「ブルース」は5月時点でも負け越しています。
実際、ベイスターズはスタートダッシュが甘いのはいつものことではありますが、作者の古参ならではのファン心理があるとボクは想像します。
というのも、そもそも目標が「勝率5割」というのは、暗黒時代のベイスターズファンからすれば現実的ですらなく、夢のまた夢であり、Aクラス常連になってきた現在でも、もし大きな声で「今年は優勝だ!」なんて言ってしまったら、死亡フラグで真っ逆さま、即最下位独走態勢になってしまうのではないかと不安なのだと思います。
(逆に、当然のように最下位だった暗黒時代は、気兼ねなく「今年は優勝」と言えていた事実もあります。感覚としては「宝くじが当たる」に近いです)
だから、ベイスターズファンであるがゆえに、現実の死亡フラグを立てたくなく、創作でもあまり大きなことは言えないのです。例年でも「まあ現実的なところ」を言うことで、心の安寧を保っているのです。
そのことから作者の溢れんばかりのベイスターズ愛が伝わってきます。
たぶん、この気持ちは他球団ファンのみならず横浜DeNAベイスターズになってからのファンには到底わからないと思います。
現在ベイスターズは2位です。独走態勢になりつつある首位の巨人を止めることは出来るのでしょうか?(死亡フラグ)
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女子高生が横浜のプロ野球チームを応援するマンガ⚾️第一話 1/13⚾️ pic.twitter.com/F4O2Lp7LHM
— 田丸鴇彦 (@72q) August 27, 2020
余談
実際、野球観戦は楽しいですよ。
3年前に当時小学生だった姪っ子を横浜スタジアムに連れて行ったところ、姪っ子は見事ハマりました。(そして兄家族もファンになりました。家族で野球好きなのはボクだけでしたのに)
そしてハマりすぎて、二軍選手の追っかけになり「関内」より「平塚」に住みたいという、たぶんベイスターズファンの中でも相当コアな部類な人になりました。今やボクの父にあたる祖父から、高級カメラと望遠バズーカレンズを借りて、若手選手を撮影しまくるかなり特殊な中学生になっています。(田丸先生もすごいですが)
と、そんな若い女の子でもハマる要素のあるプロ野球観戦。
楽しいので、ぜひ体験してみてほしいです。
野球のルールを知らなくても大丈夫です。
ビアガーデンだと思って、ベイスターズオリジナルビールを片手に雰囲気だけでも十分楽しめます。
(気合が入りすぎていつもより文章のボリュームが1.5倍超に。実はまだたくさん書きたいことがあるのですが)
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— 本多ヨミ📝新作漫画第1巻をいち早く書評するnote (@v_yomihonda) August 31, 2020
ベイスターズファンのボクにはたまらない作品で、プロ野球観戦の楽しさを感じてもらえると思います!
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