子どもと一緒に読みたい! 伝記をテーマにした絵本
秋が深まって日が短くなり、おうち時間が増えてくる今の時季。いつもより長く親子の読書時間をとってみるのはいかがですか? 今回は実在した人物の人生について書かれた伝記絵本を紹介します。ノンフィクションだからこそ面白い物語の内容に注目!
レイチェル・カーソン物語 なぜ鳥は、なかなくなったの?
「ちいさなレイチェルは目をこらし、耳をすませました。鳥のさえずり、虫の羽音。自然のリズムのなかで暮らしていました。あるとき、鳥がうたうのをやめ、自然が声を失いはじめたことに気がつきました。いったいなぜ? だれのせいで?」
環境問題について書かれたベストセラー『沈黙の春』の作者であり、環境保護運動に大きな影響を与えたレイチェル・カーソン。
子どもの頃から生きものが大好きで、生物学を学び、生物学者・作家となったレイチェルのひたむきな人生が、かわいらしいイラストにのせて丁寧に語られています。
ジャガーとのやくそく
「人前でうまく話すことができないアランは、発話障害をもっている。説明しようとすると、アランのくちびるは動かなくなるのだ。しかし、アランは動物たちの前だとうまく話せる。NYのブロンクス動物園にいる大好きなジャガーにアランはある約束をします」
世界で初めてジャガーの保護区をつくった動物学者自然保護活動家、アラン・ラビノヴィッツが、ハンディをのりこえて動物たちとの約束を守った感動作。
吃音に悩み孤独だった少年時代のつらさや、克服するための努力と勇気、そして子どもの頃に築いた動物たちとの絆を、カティア・チエンの美しい絵と共に語ります。
あたまにつまった石ころが
「切手にコイン、ジュースのビンのふた。みなさんも集めたことありませんか? わたしの父は石を集めていました。まわりの人は『あいつはポケットにもあたまの中にも石ころがつまっているのさ』『石ころじゃあ、金にならんぞ』などと言いました。ところが……」
子どもの頃から石垣や採石場などで石を集めていた作者の父。まわりから呆れられることがあっても、自分の好きなものに情熱を注ぎ、研究の道へと興味を深めていきました。そして、博物館の鉱物学部長に就任。子どもの頃から好きだったことを貫き通すひたむきさが描かれています。
はじめての伝記えほん ナイチンゲール
「裕福な家に生まれたナイチンゲールは、生涯働かなくても、ぜいたくに暮らせるほど、お金持ちでした。しかし、『自分にしかできないことがあるはず』と思ったナイチンゲールは、30歳を超える年齢になって、ようやく看護という『自分がやるべきこと』を見つけ、熱中することが出来るようになるのですが、彼女を待ち受けていたのは、苦難の連続……」
『私にしかできないことがあるんだ――』やさしさと強い信念を持ち、めぐまれない人々のために一生を捧げたフローレンス・ナイチンゲール。
看護の基礎を築いたナイチンゲールの生き方が描かれたこの絵本には、年表や写真などの資料も掲載されています。
絵本 アンネ・フランク
「1929年生まれ、おちゃめで元気なアンネ・フランクは、みんなの人気者でした。第二次世界大戦中、アンネが隠れ家で書き続けた日記は『アンネの日記』と呼ばれています。その日記は、どのようにして書かれていたのか?」
悲惨な戦争の中、ナチスの追跡から身を隠していた屋根裏部屋で書かれた『アンネの日記』。ボーイフレンドのことなど、少女の日常が書かれていた日記は一変。日々増していく迫害の様子がリアルに伝わり、親子共々考えさせられる一冊です。
今回は伝記絵本を紹介しました。
次回は、「絵本ギフトボックス」を紹介予定です。(11月中公開予定)
お楽しみに。